頭上に輝く太陽がじりじりと熱気を放つ。
最高気温の記録更新が各地で繰り広げられる日々。それはこの寝子島も例外ではない。
場所はまたたび市動物園の野外は水辺エリア、白熊が展示されているコーナー。
コーナーの日向にはいるべきはずの白熊の姿がない。うだるような暑さに日陰に逃げ込んでいるからだ。
「……驚くほどやる気がない! 働いて白熊! プールあるだろ!?」
「労働環境がブラックすぎっスよ。今日の気温何度だと思ってんスか」
「朝なのにとっくに30℃だよ! 昼には35℃超えるよ!」
「自然が牙剥きまくりっスねー……」
頭を抱える先輩飼育員に後輩飼育員がぼやく。
それが聞こえたのかどうかは定かではないが、日陰に陣取る白熊二頭がじろりと飼育員を睨んできた。
「少しでも動いたら体温上がるからってあの白熊親子プールで泳ごうともしていないよ」
「それどころかクーラーのある宿舎に戻せって俺達ガン見してるっスね」
「でも親子の宿舎のクーラー壊れてるんだよ。今まさに業者が修理してるんだよ」
「……そろそろ開園だし、冷凍室から氷持ってきた方がいいっスね。さすがにこのままはマズイっしょ?」
口々に言いつつ飼育員二人は従業員専用の宿舎に向かう。
気だるそうに空を眺めていた白熊が、氷の一言に目を輝かせた。早く持ってきてー、と右前足でたしたしと床を叩く。
「うぬぬ、催促とは。あの親子どんどん人間みたいな仕草増えてきたな」
「俺達芸を教えた覚えないんスけどねー」
宿舎に消えた飼育員達が持ってくるであろう氷を、まだかまだかと白熊親子は待つのであった。
皆様、はじめまして。
この度 らっかみ! のゲームマスターを務めさせて頂きます はと と申します。
これからよろしくお願い致します。
以下、補足となります。
真夏の動物園の野外は水辺エリア、白熊コーナーでの一日となります。
ここで展示されている白熊の母親の名前は「グリフ」、子(オス)の名前は「ヒース」です。
(他にも白熊はいますが、今回シナリオで扱うのは主にこの2頭です)
2頭は飼育員達にとても懐いており、いつの間にやら彼らの癖を覚えています。
どちらも暑さにノックダウン寸前ですが、氷をあげれば元気になってくれるでしょう。
氷は飼育員に頼めば無償で貰うことができます。
白熊コーナーの向かいには猿山があります。
猿達もほぼ日陰で休んでおり、氷を貰える白熊親子を羨ましそうに見ている子もいるようです。
コーナー内にはベンチ、ジュースとアイスの自動販売機があります。
丁度木陰に設置されているので、休憩場所には最適です。
それでは思い思いの時間をお過ごしください。
以上になります。
では、皆様のご参加をお待ちしております。