★あるときは、フツウの寝子島で
「ふーむ、ここが、かの人の故郷ですか……」
葬儀屋・ニノマエは、遺言状に従い、寝子島の墓地へ納骨のために遺族とともに寝子島に来ていた。
何てことのない、フシギなことのない島。ある程度発展はしているし、ここで人生を終える人だって居るんだろう。
「……さて、と。では、お仕事に参りましょうか……」
そういう、ひとりごと。ここはフシギがある場所と散々聞かされたけれども、どうやら、もうそれは過去の話らしい。
もうちょっと霊界とか歩いて見たかったけれども――仕方がない、かな。
葬儀屋はそうして歩いていく。フシギのなくなったこの島。
ここで、今しばらく仕事があるから、まだここにとどまっているけれども。
★あるときは、とってもフシギな寝子島で
葬儀屋は息を切らしながらなんとか路地裏へと入り込んだ。
「――ッ! ……無茶苦茶だ! あんなの!」
たしか『ろっこん』? って言うんだっけ、あれ。ともあれ、あんな力を持っている人間に暴力を働かれたらたまらない。
葬儀屋は追いかけてきた『悪いもれいび』に財布を盗まれそうになりながら走っていた。
「葬儀屋さん! こっちだ!」
聞き慣れた声に、葬儀屋は駆け寄る。
「……無事か?」
「なんとか……ありがとうございます」
駆けつけてくれた
緋埜 伊吹に対して、ふぅと息をつく。
「最近ろっこんがいつも出せるようになってから、ああいう悪さを働く人間も増えてな……」
「なぁるほどぉ……」
「まだ追いかけてくると思う。……仲間のところまで走れるか?」
「頑張りまぁーすぅー……」
葬儀屋は抗議と疲労がこもった声でこたえた。
★あるときは、いつものフシギな寝子島で
霊界にて、あやかし達の世話になったあと、現世に戻って、民宿で葬儀屋はジャケットを脱いだラフな格好で居座っている。
「ほーんと、ここは話題に事欠かない場所ですねぇ……」
『ねこぴょん』、という不可思議な現象があってしばらく、それでもこのフシギな世界はさして変わらなかった。
平和に事件が起きて、平和に解決されていく、それくらいがいい、葬儀屋はあくびを噛み殺す。
「さて、明日は現世でお散歩でもしましょうかね……名所でも知っている方が居ればいいのですが」
くあ、今度はあくびはそのまま出た。この島への興味は尽きない、仕事の間、ここに居るのも悪くなかろう。
★葬儀屋がいるいろんな世界線を体験するシナリオとなります。
好きなシチュエーションでご参加ください!
★皆様はかなり自由に好きなシチュエーションに出くわすことができます。
下記は例となります。
・フツウの寝子島……フツウになった寝子島で、どう過ごしているか考えてみましょう。
ろっこんが使えなくなって困惑していても良いですし、フツウに戻りつつあることを受け入れている、など。
この世界線で今、葬儀屋はお仕事の休憩で駄菓子屋にてお菓子を食べています。雑談でもしたそうにしています。
・とってもフシギな寝子島……ろっこんが常に発動していたり、暴走してしまっている世界線の寝子島です。
ここでは、悪さを働くもれいびも居るようです。こらしめるもいいですし、説得もOKです。
この世界線で今、葬儀屋は悪いもれいびに追いかけられています。
・いつものフシギな寝子島……今までと変わらない寝子島です。
この世界線で今、葬儀屋は、この世界線では寝子島の名所探しをしているようです。
★今回の舞台は、寝子島となります。
★ 登場人物は、葬儀屋がおります。彼が居る世界線を歩んでみましょう!
葬儀屋は楽天的で社交的ですが仕事はやる時はやる男、といった風です。ご興味があれば是非に!