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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
For Your Eyes Only
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ふわゆら、ふらふわ。
いつもの日課。今日も、倉前 七瀬は取り立てて明確な目的があるわけでもなく、まるでそよ風に揺れる風船のように寝子島散歩へと洒落込んでいる――はずだった。
「……」
進める歩みはいつもと同じ。だがしかし、その心は少し離れたところでもあるのか、歩く速度は気持ち程度に歩幅が小さくゆっくりであり。
そうして、段々と歩みは遅くなっていき――ついには、星ヶ丘の駅前広場にあるベンチにぺたんと腰を下ろした。
基本、七瀬は『本の虫』である。そのような彼にとってぼんやりとした散歩は、身体、特に脳と眼に対しては貴重な休息時間である、はずなのだが。
「………………」
とうの七瀬は何を思ったのか、ベンチに座ると同時に肩に掛けていたバッグから冊子を取り出して、そのままQRコードを読み込んで、携帯画面に表示させた内容とを見比べながら、そのまま何かを考え込み始めたのだ。
道行く人は、七瀬を知らないから改めてそれを不思議な行動だとは思わない。
しかし七瀬という人間を知る人にとっては、それは知れば知るほど、非常に興味深い光景なのである。
――ここにも、ウォルター・Bという、その情景が不思議に見えて仕方がない人物がひとり――
「……活版印刷、ねぇ」
「わああ！ ……ああ、ウォルターさんでしたか。そんな背後から覗き込まなくても、普通に声を掛けてもらって良かったのに」
「僕、声掛けたよぉ。でも七瀬にしては珍しく気付かないから、何かあったのかなぁって思ったんだよねぇ」
「ああ、抽選で横浜にある印刷会社の活版印刷の体験会に当たったんです。短い欧文のメッセージカードなら寝子島の印刷所でも時々やったりしているらしいんですが、和文も使える活版印刷の体験会は時間が掛かるから、なかなか無くって――」
「活版印刷ってあれでしょ？ 好きな文字列を並べて刷る気が遠くなりそうなの。確かに、あれの和文は一日がかりになりそうだねぇ」
「はい、最初は日帰りにしようと最初思っていたんですが、ぎりぎりなので一泊二日にして余裕持っていこうかなぁと思って。一枠ふたりまで行けるんですが、突発に近いのでウォルターさんお誘いするのも気が引けて」
その言葉にウォルターが瞬きをひとつ、そして七瀬に問いかけた曜日を耳にすると僅かな好奇心を交えた瞳で猫のように口端を上げた。
「……学校休みで行けるねぇ。一泊二日、ついて行こうかなぁ～」
「え！？ よかとですか！」
これは七瀬にしてみれば降って湧いた様な幸運だ。ここで頷かない道理は何処にもない。
七瀬が驚きつつも、見て分かる程に瞳を輝かせる。
その僅かな間に、ふとウォルターはここではない何処かに思いを馳せるように彼方を見てから、小さくひとつ自分に言い聞かせるように頷いた。
いつの間にか隣にまわり、七瀬の手から冊子を借りて場所を確認したウォルターは、横目で喜びながら自分の携帯を操作している七瀬を目に入れた。
「横浜かぁ……それじゃあ、二日目にでも帰る前にちょっと寄ろうか。もちろん来るよね、七瀬」
「え、どこにです？」
「ん？ 僕の親友――獅子堂のお墓参り」
いつもの日課。今日も、倉前 七瀬は取り立てて明確な目的があるわけでもなく、まるでそよ風に揺れる風船のように寝子島散歩へと洒落込んでいる――はずだった。
「……」
進める歩みはいつもと同じ。だがしかし、その心は少し離れたところでもあるのか、歩く速度は気持ち程度に歩幅が小さくゆっくりであり。
そうして、段々と歩みは遅くなっていき――ついには、星ヶ丘の駅前広場にあるベンチにぺたんと腰を下ろした。
基本、七瀬は『本の虫』である。そのような彼にとってぼんやりとした散歩は、身体、特に脳と眼に対しては貴重な休息時間である、はずなのだが。
とうの七瀬は何を思ったのか、ベンチに座ると同時に肩に掛けていたバッグから冊子を取り出して、そのままQRコードを読み込んで、携帯画面に表示させた内容とを見比べながら、そのまま何かを考え込み始めたのだ。
道行く人は、七瀬を知らないから改めてそれを不思議な行動だとは思わない。
しかし七瀬という人間を知る人にとっては、それは知れば知るほど、非常に興味深い光景なのである。
――ここにも、ウォルター・Bという、その情景が不思議に見えて仕方がない人物がひとり――
「わああ！ ……ああ、ウォルターさんでしたか。そんな背後から覗き込まなくても、普通に声を掛けてもらって良かったのに」
「僕、声掛けたよぉ。でも七瀬にしては珍しく気付かないから、何かあったのかなぁって思ったんだよねぇ」
「ああ、抽選で横浜にある印刷会社の活版印刷の体験会に当たったんです。短い欧文のメッセージカードなら寝子島の印刷所でも時々やったりしているらしいんですが、和文も使える活版印刷の体験会は時間が掛かるから、なかなか無くって――」
「活版印刷ってあれでしょ？ 好きな文字列を並べて刷る気が遠くなりそうなの。確かに、あれの和文は一日がかりになりそうだねぇ」
「はい、最初は日帰りにしようと最初思っていたんですが、ぎりぎりなので一泊二日にして余裕持っていこうかなぁと思って。一枠ふたりまで行けるんですが、突発に近いのでウォルターさんお誘いするのも気が引けて」
その言葉にウォルターが瞬きをひとつ、そして七瀬に問いかけた曜日を耳にすると僅かな好奇心を交えた瞳で猫のように口端を上げた。
「……学校休みで行けるねぇ。一泊二日、ついて行こうかなぁ～」
「え！？ よかとですか！」
これは七瀬にしてみれば降って湧いた様な幸運だ。ここで頷かない道理は何処にもない。
七瀬が驚きつつも、見て分かる程に瞳を輝かせる。
その僅かな間に、ふとウォルターはここではない何処かに思いを馳せるように彼方を見てから、小さくひとつ自分に言い聞かせるように頷いた。
いつの間にか隣にまわり、七瀬の手から冊子を借りて場所を確認したウォルターは、横目で喜びながら自分の携帯を操作している七瀬を目に入れた。
「横浜かぁ……それじゃあ、二日目にでも帰る前にちょっと寄ろうか。もちろん来るよね、七瀬」
「え、どこにです？」
「ん？ 僕の親友――獅子堂のお墓参り」
運営部より
このシナリオは プライベートシナリオ です。
以下のＰＣのみ参加することができます。
▼参加可能ＰＣ
・倉前 七瀬さん
※その他の方は参加できませんので、ご注意ください。
※このシナリオでは、Ｘキャラ・ＮＰＣが参加ＰＣと同等量で描写されます。（追加料金が必要です）
参考：ご利用ガイド／プライベートシナリオ（プライベートシナリオの申請方法）
※参加申込み後、アクション投稿期限までに必要な追加料金が差し引かれます。
らっポ履歴に「プラシナ追加」と表示されて差し引かれるまでは、必要な分を保つようお願いします。
※Ｘキャラのアクションはキャラメでらっかみ！ 運営部宛てに投稿してください。
アクション投稿期限まで書き直しは何度でも可能です。最後の１通分（1000文字以内）のみが有効です。
※ＮＰＣのアクションは投稿できません。
確定ロールにならない程度で絡み方を書くのは自由です（通常のシナリオと同じ）。
ゲームマスターより
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2024年06月15日
- 参加申し込みの期限
-
- 2024年06月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2024年06月22日 11時00分
こんにちは、斗々と申します。
この度、倉前 七瀬様にはプライベートシナリオのご申請をいただきまして有難うございました！
アクションは、是非とも七瀬様のご自由に思うまま、やりたい限りを限界まで詰め込んでいただければ幸いでございます。
概要
『好きな人と一緒に、お互いのしたいことをするため一泊二日の旅行シナリオ』です。
下記に、この機会に参加NPCであるウォルターのやりたいことも合わせて記載させていただきます。
○シナリオガイドからの現行の【予定】例（アクション次第では変動し、この限りではありません）
１日目昼：活版印刷体験
・メッセージカードサイズから、はがきサイズまで。後者はそれなりの文字を入れる事が可能です。
・文字は、和文・欧文を交えて作成出来ます。
・インクカラー、紙色・紙質の指定も問題なく行えます。
【ウォルターのやりたいこと】
・自分の身の回りの面倒を見てくれる老メイドのメアリに向けて、メッセージカードを贈る予定のようです。
↓
１日目夜：自由時間（ホテルの一室）
【ウォルターのやりたいこと】
・夜にピザとコーラ、お菓子を食べながらのくだらない映画鑑賞、その他色々。
とにかく子供だったら大人に怒られるような、時間をだらだら消費するような事。昔『若い頃に、夜通し誰かとやった事』と、同じことを無計画にやってみたいようです。
↓
２日目午後：墓参り
【ウォルターのやりたいこと】
・イギリスにいた頃に、自分を庇って亡くなった日本人の親友――獅子堂 敦の墓が横浜にあり、寝子島に帰る前に、たっての希望で寄りたいようです。
『近くだったから』以外の理由は、墓前に立つまではテコでも動く、もとい話す気はないようです。
２日目夜：寝子島到着
（上記はシナリオガイドを元にした予定ですが、アクションはやってみたい事を重視していただいて構いません。
【ウォルターのやりたいこと】と【予定】はアクション到着前のものであり、アクション内容の状況によっては変動する可能性がございます）
参照シナリオ
○今回のシナリオにあたり『このシナリオのこのシーンは知っておいて欲しい！』などの参照シナリオがございましたら、検索による絞り込みが可能な「シナリオ名」と「ページ数」にてご記載下さい。
是非とも参照にさせていただきます。
ＮＰＣについて
○ＮＰＣは、今回登場が決まっているウォルター・B以外の登録キャラは、登場致しません。
（老メイドのメアリなど、未登録ＮＰＣが会話内などで固有名詞として出てくる事はございます）
○Ｘキャラクターにつきましても、今回は上記と同様となります。あらかじめご了承下さい。
以上となります。
それでは、どうかアクションを心よりお待ち申し上げております……！