それは、年が明けてしばらくした、1月のある日のこと。
伊藤 二葉と中野 一実の2人は、シーサイドタウン駅にいた。
駅前周辺は、いまだ正月の名残の空気が漂っているかのようで、駅ビルの壁にはイベントや売り出しを知らせる艶やかな垂れ幕が、いくつか掛かっている。
二葉と一実は共に木天蓼大学の2年生で、普段は寝子島キャンパスで学んでいる。
高校時代からの友人である2人は、今日はとあるイベントが目当てでここにやって来たのだが……。
「やっぱり私、コーヒーのイベントなんて気がすすまないな。……そんなのよりさ、この先に新しいケーキ屋さんができたって聞いたの。そっち行ってみない?」
駅ビルの入口前で、そんなことを言い始めたのは、二葉の方だ。
「ケーキ屋さんは、ここ見たあとでもいいでしょ」
それを一実はあっさりと却下する。
「いやでも、私、コーヒー嫌いだし……」
「それは知ってるわよ。でもね、あなたのコーヒー嫌いって、偏見によるものだと思うのよね。苦いイコールまずいってわけじゃないし、そもそも苦くないコーヒーもあるし」
少しだけあとずさりして言う二葉に、一実はきっぱりと返した。
「そして、今日のこのイベントに参加すればきっと、あなたのその偏見も変わると思うのよ。だから、さ、行くわよ」
言うなり一実は彼女の手を取り、駅ビルの入口へと一直線に向かう。
「ち、ちょっと……」
二葉はなんとかその手をふりほどこうとするがはたせず、そのまま引っ張られる形で入口へと向かった。
+ + +
同じ日の同じ時間、同じくシーサイドタウン駅前に、
ウォルター・Bと
倉前 七瀬の2人もいた。
近くで買い物をして、駅前まで戻って来たところだ。
2人で、次はどこへ行こうか……などと相談していたところに、聞くともなしに二葉と一実の会話が聞こえて来た。
「コーヒーのイベント?」
「この付近で、何かやってるのかなぁ?」
2人は思わず顔を見合わせる。
そこに、チラシ配りのバイトらしい女性が近づいて来た。
「よかったらどうぞ。駅ビルmiao内の屋内大催事場で、やってます」
言って、手にしていたチラシを2人に向かって差し出す。
ウォルターがそれを受け取り、2人してチラシを覗き込んだ。
そこには、コーヒーポットやカップ、コーヒー豆のイラストと共に、こんなことが書かれていた。
『miaoカフェ・フェスタ 開催中!
駅ビルmiao内 屋内大催事場にて、いろんなコーヒーが楽しめるカフェ・フェスタを開催しています。
カフェ・フェスタでは、豆の購入はもちろん、さまざまな種類のコーヒーを試飲することができます!
◆催し物一覧◆
・コーヒー豆の販売
・各種コーヒーの試飲
・焙煎見学コーナー
・ドリップ体験コーナー
・クッキー等、お菓子の販売
どうぞこの機会に、たくさんのコーヒーをお楽しみ下さい!』
2人はそれを読み終えて、もう一度顔を見合わせる。
「さっきの女の人たちが言っていたのって、これじゃないですか」
「たぶん、そうだねぇ」
七瀬の言葉にうなずき、ウォルターが尋ねた。
「ここ、行ってみようかぁ?」
「いいですね」
七瀬もうなずく。
そんなわけで、2人もまた駅ビルの方へと足を向けたのだった。
倉前 七瀬さま、ガイド登場ありがとうございました。
こんにちわ、織人文です。
今回は、コーヒーのイベントを楽しんでいただくガイドです。
シーサイドタウン駅ビルのmiao内 屋内大催事場にて「カフェ・フェスタ」が行われています。
参加PCさまは、客やバイトスタッフとして、この催しをお楽しみ下さい。
お友達同士で参加するのも、1人でゆっくりじっくり参加するのもOKです。
また、NPCの二葉や一実にからんでいただいても、かまいません。
行動は基本的に自由です。
催し物については、下記を参考に、番号などで明記して下さい。
なお、リアクションはできるだけ具体的に書いていただければ、助かります。
++ カフェ・フェスタについて ++
開催場所:シーサイドタウン駅ビルmiao内 屋内大催事場
◆催し物一覧◆
①コーヒー豆の販売 …種類は豊富。
②各種コーヒーの試飲
③焙煎見学コーナー …焙煎しているところを見られます。
④ドリップ体験コーナー …バリスタに教わりながら自分でドリップコーヒーを淹れられます。
⑤クッキー等、お菓子の販売 …コーヒーに合うお菓子を売っています。
++ NPCについて ++
伊藤 二葉 木天蓼大学2年生。コーヒーが嫌い。コーヒーは苦くまずい飲み物と思っている。
中野 一実 木天蓼大学2年生。二葉の友人。
コーヒー好きで、二葉にもコーヒーを好きになってほしいと思っている。
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それでは、みなさまの参加を、心よりお待ちしています。