12月、天気のいいある日の午後。
シーサイドタウン駅前に、
『寝子高売店と同じ味! おばちゃんのパン屋さん』と書かれた白いワゴンカーが停まっていた。
ワゴンカーは、リアウィンドウ側が開いていてパンを売るスペースになっている。
パンを売っているのは、ふくよかな体形で三角巾にエプロン姿の
おばちゃん(田中さん)だ。年は50代後半。年齢の割に若々しい黒髪は大仏のようなパーマ。目元の笑いジワがチャームポイントである。
おばちゃんは、前職は寝子島高校売店で働いていて、退職後、パンの車販売をはじめたのだった。
ウリは車体に書いてある通り、寝子高売店の味を再現していること。
おばちゃんの狙い通り、寝子高出身者の多い寝子島ではその味は懐かしがられ、開業して間もないにも関わらず、毎日昼時になると行列ができるほどの人気となっている。
「やれやれ、今日も忙しかった。昼営業はこんなとこかね」
人波が掃け、おばちゃんは片付けをはじめようとする。
パンを入れていたカゴの中はほとんど空だったが、ひとつだけ、あのパンが残っていた。
「おやまあ、珍しい。いつも人気の
焼きそばパンが1個残ってるなんて」
そのときである。
神魂の風が、いたずらに通り過ぎたのは。
「なん、だ……? 無性に焼きそばパンが食べたい」
たまたまシーサウドタウン駅前を歩いていた
サキリ・デイジーカッターを、途轍もない『焼きそばパン食べたい欲』が襲う。
「焼きそばパン焼きそばパン焼きそばパン」
滝原 レオンも同様であった。
サキリやレオンだけではない。
その場にいた誰もが、焼きそばパンが食べたくて食べたくて仕方なくなったのである。
皆は一斉におばちゃんのワゴンを見た。
「嘘……だろ……焼きそばパン、最後の1個、だと……!?」
皆は殺気立った。
神魂のせいで、焼きそばパンのためなら戦いも厭わない気持ちになっていたのだ。
そのとき、駆けてきた
テオが宙を飛んで、猫パンチで世界を切り分けた。
「へんな神魂の気配を感じて来てみれば! ののこまで巻き込まれてんじゃねえか」
「焼きそばパンは私がいただく!」
禍々しい気を放つ
野々 ののこが、中二病よろしく片目を抑えている。
それだけではない。
ののこの手には一丁のマシンガンが握られているではないか。
ののこだけではなく、その場にいた者たち全員が、なんらかの武器を手にしている。
ぜんぶ神魂のせいだ!
「え、ええ? なんなんだい?」
巻き込まれたおばちゃんはおたおたしている。
テオは舌打ちして言った。
「異変を解決するには焼きそばパンをめぐる戦いをしろってか。この切り分けた世界で戦っても、元の体は傷つかねえようにだけ、なんとかしとく。あとはてめえらで好きにしろ」
――かくして、焼きそばパンを廻るバトルロワイヤルが幕を開けたのである――
こんにちは。
ゲームマスターを務めさせていただきます笈地 行(おいち あん)です。
サキリ・デイジーカッターさん、滝原 レオンさん、ガイドへのご登場ありがとうございました。
いつかやってみたかった焼きそばパン系シナリオ、初参戦させていただきます!
かつ、武器イラストキャンペーンに滑り込み、なシナリオとなっておりますので、
武器イラストもよろしければぜひ。
概要
神魂の影響で、無性に「焼きそばパン」が食べたくなったあなた。
異変を感じたテオが切り分けた世界「武器を持っていても不思議じゃない寝子島」で
焼きそばパンをめぐって戦いを繰り広げることになります!
●バトルロワイヤルの舞台
シーサイドタウン駅前広場の駅ビルに囲まれた空間。噴水があります。
その場には、シナリオ参加PC/Xキャラと、ののこと、おばちゃんがいます。
●みなさんの状態
『焼きそばパン食べたい欲』に呑まれて、そのことしか考えられなくなっています。
●みなさんの所持品
武器をひとつ所持しています。
(※両手で1対の剣、二丁拳銃などはひとつと数えてOKです)
(※銃系の武器の場合、弾薬は十分に持っているものとします)
武器は、初めて使うものであっても、それなりに上手く使えるものとします。
この世界で傷ついても、現実世界の体は傷つきません。
武器の例:
斬る系(剣、刀、ナイフ等)、殴る系(バット、こん棒、バールなど)、
飛び道具系(弓、銃など)、機械・のりもの系(ドローン、バイク、戦車など)、
その他(鞭、ろうそくなど)……
お好みで一つ選び、サンプルアクションのように
選んだ武器をアクション冒頭に書いてください。
それ以外の所持品は、ろっこんに必要なものを除き、バトルでは使用できません。
衣装は日常のままの人もいますし、ファンタジー風などに変化している人もいます。
描写希望があればアクションにお書きください。
●ろっこん・星の力・あやかしの力
使用できます。
ろっこんに必要な物品は持っていてよいものとします。
●ののこについて
マシンガン乱射で戦います。性格はいつものののこより、中二病ぎみになっています。
このシナリオにおけるののこの行動については、サンプルアクション1参照。
●おばちゃんについて
みんなの『焼きそばパン食べたい欲』を
焼きそばパン愛と勘違いして
車のところでニコニコしながら待っています。
何故か流れ攻撃や流れ弾はギリギリ当たりません。
車のリアウィンドウは開いていて、焼きそばパンが1個残っています。
●焼きそばパンについて
何の変哲もないただの焼きそばパンです。
寝子高売店の焼きそばパンと同じ味がします。
誰かが焼きそばパンをゲットして食べると、世界は元に戻りそうです。
Xキャラについて
このシナリオでは、あなたの代わりにXキャラを参戦させることが可能です。
※Xキャラだけで1人分の描写となります。Xキャラを描写した場合、あなたは描写されません。
※口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
※NPCはご指定いただいても参戦できません。
あまり難しく考えず、お気軽にバトルを楽んでください。
ぜんぶ神魂のせいです!
みなさんの楽しいアクション、お待ちしています!