シナリオ「スクール・コミュニケーション」

スクール・コミュニケーション

イラスト：たちあ

　御巫時子の目の前へ、ころんと何かが転がった。机の上。授業中である。
　ノートの切れ端かメモ帳のようだ。くしゃくしゃに丸まった紙の折り目に、可愛らしく淡いピンクのハートマークが垣間見えた。
　横を見ると、クラスメートの女の子が申し訳なさそうに、両手を合わせていた。どうやら丸めたそれを、向こうの席の女の子へ回してほしいらしい。
　退屈な授業にありがちな光景だ。生徒たちはそうしてコミュニケーションを取り、難解な数式から逃避したり襲い来る睡魔から気を紛らわせたりするのだ。今時は大胆にもスマホでやりとりしたりする生徒もいるが、昔ながらのやり方も健在らしい。
　時子ははにかみ、紙を隣に回してあげた。彼女も生真面目なばかりではないのである。

　休み時間となり、教室の外へ出た。
　廊下で。階段の踊り場で。トイレでも。生徒たちは盛んに会話を交わす。そうでない者もいるが、彼らにも彼らの時の過ごし方というものがある。
　ただひたすらに勉学へ勤しむばかりでは、学校という空間を共有する意味がない。人との関わり、新しい出会いや別れ。自分なりの距離感。自分だけの、他人だけの価値観。学びはそこらじゅうにあふれている。
　生徒のみならず、教師と交流するのもいい。家族以外の大人たちと触れ合うのは、大きな意義があろう。
　時子も弾む胸をおさえ、理科実験室の扉をノックした。
「……尚輝先生。おはようございます」

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

網透介

マスターコメント

　こんにちは。網です。
　どうぞよろしくお願いします。

　小学校、中学校、高校、大学において、
　授業や勉強以外のワンシーンを描くお話です。
　授業中でも、居眠りしたり、早弁したり、
　こっそり遊んだり……なんてシーンが中心となります。

　・授業中。眠い……眠気覚ましにスマホゲー。バレた！
　・休み時間に友だちとおしゃべり。昨日のあのドラマ、見た？
　・サボって保健室で昼寝。うっかり爆睡。起きたら放課後でした……。
　・お昼休み、学食で何食べようかな？　カレーとカツ丼ときつねうどんにしよう。
　・放課後、机並べて戦場作って、カプギアしようぜ！
　などなど。趣旨に合っていれば何でもＯＫです。

　特定のマスターさんが扱うキャラクターを除き、ＮＰＣも登場可能です。

　また、Ｘイラストのキャラクターも描写することができます。
　口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
　Ｘキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのＵＲＬだけ書いてもらえれば大丈夫です。
　ガイドのように、Ｘキャラが影響を受け、影響の無いＰＣさんを追い回す、といったアクションも可能です。

　Ｘイラストのキャラクターを描写する場合、
　ＰＣとＸキャラの２人あわせて「１人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。

　Ｘキャラだけで１人分の描写とすることも可能です。
　その場合は、ＰＣさん自身は描写がなく、Ｘキャラだけが描写されます。
　Ｘキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。

　それでは、ご参加お待ちしています。