自宅への近道へとして、飛び込んだ細い路地。
進むに連れて、ひんやりとし始めた秋風がいつの間にか生温い空気に変わっていた。時折吹いてくる風に潮の香りが混じりだし、セミの声が聞こえ始める。
「え」
路地を抜けた瞬間、真夏の熱い太陽の陽射しが
澪乃 澄佳に降り注いだ。
「んん?」
そこは、寝子島ではなかった。真っ青な空には入道雲、白みを帯びた石造りの建物がずらりと並んでいた。どうやら澄佳がいる場所はこの不思議な街を一望できる高い山、または丘のような場所のようだ。
目の前には長い階段が下の方へ、街へと続いている。
「戻った方が良さそう」
振り返るが、すでに通って来た路地の出口はなくなっていた。路地だった場所は切り立った崖になっていて、下の方には深い青色が広がっていた。海、なのだろうか。
「行くしかないみたいだねぇ」
寝子島へ戻る方法はあの街にある気がする。
階段へ一歩踏み出した時、気づいた。
「!」
踏み出した足はざぶんと音を立てて水に突っ込んでいたのだ。階段は、水没していた。時々波が打ち寄せている。
「おお」
眼下に見えていた街は限りなく透明な水の中に、沈んでいるようだ。
「これは……」
と、その時。
足を掴まれて、水の中へ引っ張られた。
「!?」
波しぶきを上げて、水の中へ引き込まれる。
「ごぼごぼっ」
浮遊感、スローモーションのような動きづらさ。しかし、
「あれ? 息が」
確かに水の中のはずなのに、まったく苦しくない。
「助けて下さい」
目を開けると、水着姿の女の子が胸の前で手を組んでいた。お互い、水の中である。街の上空に浮かんでいるイメージだ。
「……誰かなぁ? キミ」
知らない顔だった。
「この街を救って下さい。海と夏に支配されたこの街を」
高城ヒトです。
今回のシナリオは、迷い込んだ不思議な街の危機を救う話になります。
概要
〇夏と海の街〇
永遠に夏が続く、海に沈んだ街。
夏の間は頻繁に海が満ち引きし、満潮時には街が水没してしまうほどです。
海に沈んでいる間、街の住人達は存在ごと消えてしまいます。
水が引くと元に戻るので、今までは何とか暮らしてゆくことはできました。
しかし今はずっと夏が続いて、頻繁に水が満ちるようになり、海水面も徐々に上昇してきているようです。
そのうち水が引くことはなくなってしまうでしょう。
このままでは住人達は存在出来なくなってしまいます。
移住をする者も出て来ていますが、慣れ親しんだこの街に残りたいと思っている人もたくさんいるようです。
〇水に沈んだ街〇
廃墟ではないのに無人です。
水中でもなぜか呼吸ができて、苦しくありません。
泳ぎが苦手な人は、移動するのにちょっと苦労するかも。
所々に透明な魚が泳いでいて、見つかると攻撃してきます。
物理攻撃、武器、ろっこんなどで対処可能です。
〇水が引いた街〇
住人達が普通の暮らしをしています。
水没している間の記憶はありません(水没すると記憶が無くなることは知っています)
※水は一時間ごとに満ち引きします。
〇原因の究明〇
永遠の夏になった原因、存在が消えてしまう謎の源は、街の高い所にある神社にあるようです。
水が引いた時に、住人達に聞き込みをすれば、元に戻すために必要なことを聞き出せるかも。
果たして真相は?(アクションで予想してみてください)
〇神の使い〇
街の人によれば、透明な魚は神の使いと言い伝えられているようです。
神社から生み出されているようで、海に沈んだ街を徘徊し、部外者を攻撃します。
神社を守るように泳いでいるので、隠れながら、または戦闘しながら進みましょう。
攻撃方法は以下の通り
・突進(体当たり)
・尻尾で叩く
・吐き出す空気の拘束リング。(リングに捕まると一定時間動けなくなってしまいます)
・犬並みの知能を持つので、餌付けが可能。
※ボス個体が存在し、言葉を交わしたり、交流も可能。
解決の糸口となるかも?
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
不思議な街での冒険……ご参加お待ちしています!