シナリオ「真心伝える基本のチョコレート作り体験 in サロネコ1371」

真心伝える基本のチョコレート作り体験 in サロネコ1371

　サロンデュショコラが開催され、２日目。
　あちらこちらから漂う浮き足だった甘い香りに、まだ意中の相手の名前も知らぬ京極花音は眉を顰めた。

（バレンタインでもあるまいし……）

　最近はコンビニだって変わったチョコレートを売っていたりする。
　味も値段に比例して美味しいものだって揃ってる。だけど。

（こんなにキラキラ可愛いチョコレートが寝子島で販売されているなんて、気になりすぎるだろ！）

　ただでさえハロウィンが終わりクリスマスに温存しなければならないこのシーズンに、このけしからん商品は何事か。
　立体的につくられた外箱は絵本に出てくるような大きな木で、開けば小鳥やうさぎなど森の動物たちをコロンとデフォルメしたチョコレートだとか。箱こそはシックな黒に組紐が添えられているが、蓋を開ければこれまたキュルっとした目でこちらを見上げる干支の動物たちが並んでいたりとか。

（……可愛い）

　口元を緩ませる花音が穏やかな微笑みを浮かべている……と思うのは、ごく親しい人物だけである。
　長身強面な男性がただならぬ様子でスマホを睨み付けているのだ、実際見ているのはサロネコで販売されているファンシーなチョコの情報ページだけれど――それを知らない周囲には、花音がとてつもなく不機嫌に見えたことだろう。
　よりじっくりと検討するために、いつもより眉間の皺も深く刻まれ。また新たに可愛いチョコを見つければ目つきが厳しくなり。もし「何かあったんですか」と声をかけようものなら、簀巻きにして海へ放り投げられるのではないかと思うくらいには、花音は恐れられ誰も目を合わしはしない。
　おかげで花音は、ちょっと目的地とズレたところにいるなと自覚をしても道を尋ねることも出来ず、辿り着いたのは星ヶ丘植物園『ねこの庭』だった。
　ちなみに当初の目的地は、シーサイドタウン駅の駅ビル「ｍｉａｏ」の催事場である。

（俺の……森のお友だちショコラセット！）

　当然、ここにはない。
　けれど、神は見捨てていなかった。

「店員さん？　わあ、こんな所まで配達ですか？」

　バイト先の常連である暁月静は、「それとも」と入口に貼られた掲示物を指して微笑む。
　そこに記された『チョコレート作り体験』の文字に、花音はカッと目を見開いた。
　つまり、今から彼女は作るのである。チョコを。
　バレンタインに貰えるかも不確かな手作りチョコを、今、目の前で。

（作った物を交換したら）

　自然と彼女の手作りチョコがゲットできる。
　これはもう悩むことなく、森のお友だちショコラセットとは心の中でお別れをするしかない。

「奇遇ッスね。俺も……こういうのには、ちょっと、興味が」
「良かったぁ！　結構力仕事って聞いたから、１人じゃ不安だったんです」
「そうッスね、チョコって意外と…………え？」

　聞き間違いだろうか。
　けれど静は、間違いなくこう言ったのだ。

　――早速、カカオの木を見に行きましょう！　と。

運営部より

サロネコのシナリオは、３つ（＋１つ）公開されます。

以下の３つは、本企画のプランナーである浅野悠希マスターによるシナリオガイドです。
それぞれ定員や参加のルールが少しずつ異なります。

　　◆ショコラーデ・コレクション：２月１４日公開
　　　リアクション担当：網透介マスター／シルバーシナリオ（あとからイラストあり）／定員１０名
　　　ガイド登場ＰＣ：佐藤英二さま

　　◆真心伝える基本のチョコレート作り体験：２月１８日公開　　※このシナリオです
　　　リアクション担当：天村花海マスター／ブロンズシナリオ／定員１０名
　　　ガイド登場ＰＣ：京極花音さま

　　◆waに染まる猪口齢糖と伝統技術の饗宴：２月１９日公開予定
　　　リアクション担当：菊華伴マスター／シルバーシナリオ（あとからイラスト・１人で２人ルールあり）／定員３０名
　　　ガイド登場ＰＣ：光村日向さま、光村千恵さま

★ＮＰＣからのお誘いメッセージ（キャラメ）が届くことがあります。（２月１４日送信）
　誘われた「サロネコシナリオ」に参加すると、リアクションでもしっかり一緒に描かれます。
★他のサロネコシナリオへの参加も大歓迎です。３つ全部どうぞ。
　そこでもＮＰＣとからむことはできますが、一緒にいられる時間などは控えめになります。
★メッセージが届く対象は、「ＮＰＣとのツーショットイラストを２枚以上持っているＰＣさん」です。
　その他にも細かな条件があります。（対象外のみなさん、今回はごめんなさい）
★メッセージが届いても、誘われたシナリオへの参加が「確定」するわけではありません。
　わずかに当選率があがりますが、基本的には他の参加ＰＣさんと変わりありません。

※くわしくは、こちらのおしらせをご確認ください。
※その他は、通常のルールの範囲内でご参加ください。（ＰＬ単位の参加制限などはありません）

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

天村花海／浅野悠希

マスターコメント

こんにちは、天村です。
浅野マスターに素敵なガイドを提供していただきました！
皆様のご期待に応えられるよう、頑張りたいと思います。

京極花音さん、ガイド登場ありがとうございます。
もしご参加いただける際は、ご自由にアクションをおかけください。

チョコレートを手作りしましょう！　というシナリオです。

　概要

　　■星ヶ丘植物園『ねこの庭』
　　　マップＣ-８辺りにある植物園です。
　　　温室カフェも併設されており、多種多様の植物に囲まれてのんびり過ごすことが出来ます。

　　■チョコレート作り体験
　　【Ａ】“基本の”手作りチョコレート
　　どんなチョコレート菓子を作るにもベースとなる、“基本”から学べるオススメコース。
　　カカオ豆を焙煎して好みの香りに調整し、殻を剥いたら次はすり鉢で砕きます。
　　根気よく砕くのに心が折れたら、フードプロセッサーで粉砕するのも良いかもしれません。
　　あとは、砂糖を加えながら練り上げ、ドライフルーツなどを飾って冷やし固めるだけ！

　　【Ｂ】ちょっとオシャレにチョコマカロン
　　豆を砕くより手軽に、華やかなお菓子へ挑戦したいならこちら。
　　大丈夫です、ちょっと卵白をしっかり泡立ててメレンゲを作れたなら完成は間近！
　　素敵な腕力を見せつけて、甘い時間を手に入れましょう。

　　【Ｃ】ゆったりとろ～りフォンダンショコラ
　　体力に自信はないけど、手作りチョコには挑戦したい……叶えましょう！
　　まったりゆったり作って頂けるレシピもご用意しました。工程はほとんど混ぜるだけ。
　　但し、オーブンの設定温度だけにはご注意を。爆発してしまうこともあるとかないとか。

　　【Ｄ】展示ブース
　　植物園には、今回のイベントのために取り寄せられたカカオの木が展示されています。
　　チョコレートの歴史や、チョコレート作りの工程なんかも学べそうです。
　　お料理が壊滅的にちょっと心配な方は、展示を見てカフェで過ごすのも良さそうです。

　マスターはお菓子作りに詳しいわけではないので、作業工程などは調べつつなんとなくの描写になるかと
　思いますが、雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。

　ＮＰＣとＸキャラ

　登録済みのＮＰＣなら、特定のマスターが個人で扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
　※このシナリオへの「お誘いメッセージ」が来てないＮＰＣとのシーンは、控えめになります。
　　ずっと一緒に行動するようなアクションはご遠慮ください。

　Ｘイラストのキャラクターを描写する場合、
　ＰＣとＸキャラの２人あわせて「１人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。

　※Ｘキャラだけを１人分の描写とすることも可能です。
　　その場合は、ＰＣ自身の描写がなく、Ｘキャラだけが描写されます。
　　Ｘキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。

　※Ｘキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
　　Ｘキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのＵＲＬだけ書いていただければ大丈夫です。
　　不足している情報は、アクション内に書き足しをお願いします。

　それでは、ご参加お待ちしております♪

サンプルアクション（1）