男は苦悩し、煩悶していた。
目の前へ広がる果てしなき宇宙に惑い、翻弄されていた。
星々はまばゆく輝き、巡り、確固たる星系を形づくっていた。
ハンモンなどといささか大仰な言葉も用いてみたが、周囲を眺めればそこは午後6時のスーパーマーケットである。
さらに述べれば惣菜コーナーだ。
しかし悩む男には一大事なのであった。
よれよれスーツのサラリーマンである。おそらく未婚であろう。惣菜につまみと缶ビールなど買って帰り、テレビのお笑い番組を流し、スマホをすいすいとやりながら、いつものコンビニ弁当よりもちょっとだけ贅沢なディナーでささやかな幸福をかみしめるのだろう。たぶん。
ふっくらとしていかにもジューシーなからあげ。巨大コロッケはビーフ・ポテト・カニクリームと種類も豊富。とんかつにアジフライ、海老天とり天盛り合わせだと? にくいぜ。いずれも先にカゴへ放り込んだ『カトウの白飯』に合うだろう。
サバの塩焼き。ほっけの煮付け。ブリ大根。インゲンとひじきのごま和えに、ゴボウのサラダ。茄子の揚げびたし。キノコの炒め物。副菜も充実している。切り干し大根の煮物。母ちゃん……。
手羽先の照り焼き、だしまき卵、カキフライ、オクラと海草のサラダ、茄子の肉味噌いため、かきあげ、竜田揚げ、のり天ゲソ天ちくわ天、チキン南蛮アスパラお浸しさんま塩焼き焼き鳥おでんもつ鍋肉団子揚げ出し豆腐ふろふき大根アボカドサラダ、おお……ミートボール!
あまりにも多彩かつ値引きシールもついて格安なメニューの数々が、男の脳内で煌々と輝く天の川銀河となり、その壮大な回転運動が臨界に近しい空腹とないまぜになって、理性的な思考のことごとくを吹き飛ばさんとしていた。
決められない。
こんなにも腹が減っているというのに。
「くっ……俺の晩メシは宇宙かッ……!」
思わずとび出たのだろうひと言を、
巫部 紫苑が聞いていた。
(分かりますよ~)
日々を戦うサラリーマンの哀愁漂う背中を胸の内にこっそり応援しつつ、あっさり特売の山盛りコロッケコーナーに興味を移す紫苑だった。
つまりこうだ。
今晩、何食べる?
こんにちは。網です。お腹が減りました。どうぞよろしくお願いします。
巫部 紫苑さん、ご登場いただきありがとうございます。
ご参加の際はガイドのイメージによらず、自由にアクションをお書きください。
あなたの晩ごはんを教えてください。というお話です。
いつものメニューでも、特別な日の特別なごちそうでもOK。
ひとりでじっくり味わうもよし。家族の夕飯の風景もよし。恋人同士のディナーよし。です。
メニューは事細かに詳しくビッチリ書いていただいても、全部まるっとおまかせしていただいても構いません。
あなたが食べてそうなメニューをお出しいたします。
不自然なシチュエーションを除き、NPCとのシーンも描写可能です。
寝子高教師さんと晩ごはんをご一緒したい、なんて場合はそれらしい自然な状況をお考えください。
また、Xイラストのキャラクターも描写することができます。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
またXキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
それでは、ご参加お待ちしています。