※ 一部訂正がありますので、お手数ですが
本ページ中央の「運営部より」をご確認ください。
――ねぇ、君は怪人セブンって知ってるかい?
【寝子島高校、朝の風景】
「な、なななななな、なんだこりゃぁ~っ!?」
朝から校内に響く
野々 ののこの声。
両手に高々と掲げているのは、水色の便箋。
差出人は不明。
宛名は「親愛なるののこ様へ」と。
恐る恐る中身を明けて文面を読む。
音読で。
『拝啓 ののこ様
貴女をいつも遠くから見てることしかできないぼくですが、
いつもいつも慕っております。本当です!
しかし、ぼくは恥かしがり屋なので、
手紙で自分の気持ちを伝えます。大好きです。
ルールなんて関係ないですよね?
せっかく理想の人に出会えた訳だし、もう少し欲張っていいですか?
文通も捨てがたいけど、会ってみたいです!
んん、やっぱりダメですよね~?
次の日曜日、寝子ヶ浜海浜公園1●時に待ち合わせしましょう』
つまり、これは。
「ららららららららららららぶれたぁぁぁぁぁ!?」
流石に恋愛に疎いののこでも、ラブレター1つで朝から舞い上がれるのだ。
うむ、フツーとは素晴らしい。これこそが彼女が望んだことなのだから。
が、その背後に忍び寄る長身の人物の姿が。
「ククク……、今時下駄箱に入れて返事を待つとは……! アナログ過ぎて片腹痛いわッ! ファーッハッハッハー!」
「きゃっ!? お、おはよう、修一郎君。……見た?」
手紙をすかさず隠すののこ。顔が赤いぞ顔が。
だが、鈴木の伊達眼鏡から逃れることはできない。
「ああ、しかと見たぞ! というか、むしろ聞いたぞー!」
仰々しい態度で“自称かっこいいポーズ”をののこに披露しながら言い放つ!
「この
鈴木 修一郎、何か力になれることがあったら遠慮なく申し出るがいい。野々! ククク……!」
ののこと同じクラスの鈴木、厨二病を患っているが、とても親切な高校男子である。
ただし、見ての通り残念なベクトルではあるが。
「んー……、大丈夫っ!」
「そうか、大丈夫かククク……、ってなんと!?」
ののこに断られると思っていなかった鈴木、朝からオーバリアクションで仰け反る。
「この手紙を書いた人と、一緒に遊んで友達になってくるだけだよ!」
ニコニコと言ってのけるののこ。
やはりののこには、恋愛が今ひとつピンと来ないらしい。
「でも、インクが滲んで何時か分からないなぁ~? 10時? それとももっと遅いのかな、う~ん……?」
文面とにらめっこしたまま、教室へ向かうののこ。
「まぁ、いっかっ! 近くにアウトレットがあるし、10時に来なかったら1人でいろいろ見て回ろっと! 修一郎君、心配してくれてありがとう!」
上機嫌でののこは教室へ到着。
既に気持ちは日曜日へ飛んでいた。
その後ろを心配げに眺める鈴木。
(野々はああ言うが、最近ニュースで物騒な事件があったからな……)
鈴木の脳裏に、今朝も流れていた『ある事件』のニュースが浮かび上がる。
(それにあの手紙の文面……。不自然な改行や感嘆詞、もしかして、これは……?)
ふと湧き上がる違和感。
鈴木は手紙のある部分だけを読み取ってみた。
そして1つの疑念が浮かび上がる。
(よもやっ……!? 野々が危険なのではっ……!?)
鈴木は手紙に隠された“真のメッセージ”に気が付いたのだった。
さぁ、ぬるい日常はこれっきりにしよう。
難易度:難しい
※難易度については、乾物のマスターページ参照
※この難易度は、乾物のシナリオのみに適用されるものです
<PC情報(鈴木が思い浮かべたニュースの内容はコレです)>
寝子島高校入学式の翌日、都内某所で男女1組の変死体が発見された。
お互いの小指に赤い糸が結ばれており、着衣の下の素肌には、びっしりと数字の「7」が書かれていた。
ただし、男性の遺体には
「Original sin」
と、女性の遺体には、
「1405 1115 1009 1301(192114040125)」【追記】誤りを訂正しました
と赤い油性ペンで、女性の足の裏には
「26=Z」
と青い油性ペンで書かれていた。
警察は、犯人からのメッセージだと断定し、マスコミへ公表。
当然、この事件はセンセーショナルに一斉に報道され、寝子島にももれなく伝わっていった。
――怪人セブン。
いつの間にか、この事件の犯人はそう呼ばれるようになった。
ののこはニュースを見ていなかったため、事件の内容を知りません。
なので、「危ない」と説明してもイマイチ実感が湧きません。
<今回の目的>
『ののこのフツウを死守すること』
「差出人不明のラブレターが怪しいので、当日はののこを自主的に見守ろう」
そんな噂がもれいびの生徒の間でひっそりと校内に広まりました。
(ののこはその噂に気が付いていません)
皆様は『有志で(或いは偶然)シーサイドアウトレットに居合わせた』という設定になります。
手紙の送り主は日曜日に現れます。
時間が来るまでシーサイドアウトレットで買い物や食事を行うことが可能です。
つまり、デートですよ、デート!
ののこと合流してワイワイ騒ぐもよし、別行動でのんびり休日を過ごすもよし!
はたまた気になるあの子へアプローチするもよし!
アウトレット周辺の夜景はキレイだぞ~!
しかし、シナリオジャンルはよく確認しましょう。
――つまり、そういうことです。
覚悟は出来ているか?
乾物は出来ている。
<マスターより>
ようこそ、乾物ダークサイドへ。
いつもより周波数高い電波系ガチシリアスなシナリオをお届けします。
このシナリオは、乾物から皆様への挑戦状です。
謎を解き明かし、腹据えてご参加下さいませ。
未来を変えるのは、いつだって皆様の言動です。
「なんとかなる」ではなんにもなりません。
明確な意思表示、無謀と勇気を履き違えない行動。
きちんと示していただけると信じております。
ただし、暴力は拳銃の弾丸と同じです。
一度放たれたら、二度とあとには戻れません。
それでは、難易度をよくご確認の上、文字数をフルに活用して立ち向かって下さいませ……。