とある日のシーサイドタウン。
喫茶店『猫の宮』では、店主の猫乃宮 ヤマトとその飼い猫のナナがのんびりくつろいでいた。
今日は特段、特別なことがあったりする日ではない。お客さんが来ては、お菓子やお茶を提供して、いつもの日々を繰り返すだけだ。
しかし、お昼を過ぎた頃。ナナが窓の外を眺めてじっと動かなくなってしまった。
外でなにか起きているのかな? とヤマトが見ていると、ナナはびくんと身体を跳ねさせた。
「ん? どうしたんだい、ナナ」
「にゃ……」
「え?」
窓の外をじっと見つめ続け、それでもびっくりする様子で身体を跳ねさせるナナ。
一体何が起きているんだろうと、ヤマトは扉を開けて外に出て……空を見上げた。
――沈黙が、1分。
その後、ヤマトの叫び声が街の中に広がった。
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それから30分後の猫の宮・店内。
「ホントだよ! 見たんだよ!!」
「あーはいはい、お茶とみたらし団子くれ」
ヤマトは客としてやってきた
鷺来 瑞毅に向けて、先ほど見かけた大きな猫――妖怪・おおねこの話を伝えたのだが、妖怪とかオカルト系列が大嫌いな瑞毅は聞き流した。
オカルトなんていない。おおねこなんていない。瑞毅は耳を塞いででもヤマトの話を聞かなかった。
そんな瑞毅に対し、ヤマトはちょっと待っててね!! と声を上げて裏に回り、見たものをそのまま描いたというスケッチブックを持ってきた。
「でっっっっっっか!?」
「そうデカいんだよ!! 僕食べられるかと思った!!」
「いや待て待て待て、こんなんいるはずないだろぉ!?」
「いたんだよ! ホントに! 僕見たもん!!」
子供のように見たもん! を繰り返すヤマト。
いるわけがないだろう! と言い返す瑞毅。
店内の人々は、それはもう2人の言い争いに興味を示していた。
瑞毅を納得させた後、ヤマトはおおねこが現れる理由について考え始めた。
これまでいろんな猫を見てきたヤマト。猫がなにかする時はだいたい自由気ままにやる事が多いが、おおねこはどちらかと言うと何かをするというよりも……。
「……遊んでほしかったとか、かなあ?」
「遊んでほしかった……?」
「うん。こんなに大きかったら、遊べる遊具が少ないから人と遊んでほしかった、とか……」
「あー……それはありそうだな」
ナナがてしてしと瑞毅のコートで遊ぶのを見て、瑞毅も納得。
ヤマトが見たという大きな猫ならば、遊ぶ道具も相当大きなものでなければ遊べない。だから、人間たちの知恵を借りようとしたのかもしれない。
ふむ、と瑞毅は考え込んで……おおねこが街の中で悪さをしてしまう前に、こちらからなんとかしてあげようと立ち上がった。
「最近、妙なことが多いらしいからな。ちょっくら生徒達や知り合いに聞き込みしてみる」
「ありがとう、瑞毅さん。……ええと、追いかけられないでね?」
「はは、まさか。俺がそんなことになるわけない」
そう笑って、彼は店を出た。
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「うにゃあ~~~」
「追いかけてくるなああああ!?」
ものの見事、猫の宮を出て数分でおおねこに追いかけられることになった瑞毅。
そんなことになるわけないと言った矢先、まさかこんなことになろうとは。
これでは調査もままならない!!
「誰かァ!! 助けてェ!!」
道行く人々に助けを求める瑞毅。
動くものを追いかけているだけのおおねこ。
その光景はもはや鬼ごっことなっていた。
これから始まるのは、妖怪・おおねことの鬼ごっこ。
捕まってしまったら何が起こるか、まったくわからない。
そもそもおおねこの目的がなんなのか、おおねこが何故現れたのかは全くの謎である。
この状況をどうにかすることが出来るのは、そう、あなた達の知恵や行動や何やら。
おおねこと遊ぶか、おおねこを導くか、それは自由なのだから……。
お世話になっております、御影イズミです。
このシナリオのテーマについて、Twitterアンケートを行った結果、おおねこが第1位となりましたので、妖怪・おおねこ編という形でのガイドをお送りいたします。
アンケートにお答え頂いた皆様、ありがとうございました。
この場を借りて感謝のお礼を申し上げます。
説明
リアクションはおおねこに追いかけられた瑞毅を発見するところからのスタートになります。
皆さんはあやかしの存在を知り、妖怪の存在も知っているため、おおねこの存在がなんなのかだいたい見当がついています。
しかし、おおねこが何がしたいのかはまったくわからないのが現状。
「動くものを追いかける」というおおねこが遊んでほしいのか、ただ追いかけたいだけなのかはわかっておりません。
そのため必ず「おおねこに向けてやりたいこと」をアクションに記入お願いします。
出来ることを下に記しておりますが、それ以外にも出来そうな事はだいたい出来ます。
出来ること
・話を聞いてみる
・ちょっと捕まって一緒に遊んでみる
・仲良くなる。
→この辺りのアクションがあれば、おおねこが大喜びで突進してきます。痛いです。
HPがあったら10は減る・霊界へ還す方法を考える
・逃げ続ける
→意地でも捕まえてやるー! とおおねこが移動速度上げてきます。顔が怖い。
・驚かせてみる
・大きな音を出してみる
→びっくりして固まった後、この行動を行った方を「なんだこいつ」とジロジロ見つめてきます。
・その他
上記以外、自由な発想があれば。