「さあ、追試を始めるよ。みんな頑張ってね」
試験監督の
黒崎 俊介がそう言ったのを合図に、教室へ集った生徒たちは一斉にペンを走らせ始める。
学期末テストの追試は、留年回避を賭けた大一番だ。
さっそく問題に取り組む生徒たちの表情も真剣そのもの。なにしろ彼らにとっては、これが文字どおりに最後のチャンスなのだ。
やらかしてしまえば、今の学年をもう一度、年下のクラスメートたちと学ぶことになる。なんたる屈辱か。
そんなわけで生徒たちは無駄口も叩かず目の前の問題へ立ち向かうわけだが……ここに一つ、大きな障害があった。
「全軍突撃~! 奴らに目にもの見せてくれるのだー!」
「なんの、負けるな! 勝利はワレにあり~!」
教室内では、神魂によって現れた
小アイハラ軍と
小キリシマ軍が今まさにぶつかりあい、天下分け目の大決戦を演じているさなかであった。
身長は10cm程度だろうか。無数の小っちゃな
相原 まゆ先生たちと、数え切れないほどの小っちゃな
桐島 義弘先生たちが、なぜだか戦争中なのである。
小アイハラ軍はドラゴンやグリフォン、ユニコーンにペガサスといった幻想生物に騎乗し、剣や弓矢を装備し魔法を放つ、さながらファンタジー世界のような布陣。
対する
小キリシマ軍は、近未来的な戦車や航空機に巨大ロボットを駆り、銃火器やドローン兵器で武装したSFチックな部隊編成となっている。
両軍ともに激しくぶつかり合い、ドラゴンのブレスが宙を奔り大魔法が竜巻を呼び、戦車砲が熱線を放ちドローン部隊が敵陣を空爆する。
実に迫力ある戦いで、ついつい見入ってしまいそうだ……今が追試の真っ最中でなければ。
「いけいけ、やっつけろー!」
「ひるむなー、押し返せー!」
「あれ? みんな、どうかしたかい? 何だか集中できてないみたいだけど」
どうやら黒崎先生には見えていないようだが、今や生徒たちの机も足元の床も、教壇の上までも、教室内のあらゆる場所が戦場だ。
果たして留年の危機に立たされた生徒たちは、こんな状況の中で、無事に追試を終えることができるだろうか……君は生き残ることができるか!?
こんにちは、高城ヒトです。
よろしくお願いいたします!
概要
今回は、寝子島高校の学期末テストの『追試』を描くシナリオです。
テストで赤点を取ってしまった人は、補習授業とも合わせて受けることで、
留年回避に望みを繋ぎましょう。
なお、成績に問題のない人も、1年間の復習の総仕上げや今の自分の学力を測るためなど、
いっしょにテストを受けることができます。
◆小アイハラ軍VS小キリシマ軍
生徒たちが真剣に追試へと臨むかたわら、教室内には神魂の影響によって、
小さな相原 まゆ先生と小さな桐島 義弘先生が無数に出現して、バトルに明け暮れています。
なぜこの二人なのかは、よく分かりません。特に仲が悪いわけでもないので、きっとたまたまです。
それはそれは見どころたっぷりな戦いですが、何しろ追試の真っ最中ですので、
見とれているわけにもいきません。
でも、気になる~~~!
<小アイハラ軍の戦力>
・剣士アイハラ
・弓手アイハラ
・魔法使いアイハラ
・ドラゴン(飛行・歩行)
・ユニコーン、ペガサス
・グリフォン
・ケルベロス
・歩く巨大樹
など
<小キリシマ軍の戦力>
・未来兵士キリシマ
・未来パイロットキリシマ
・未来戦車
・未来戦闘機
・未来ヘリ
・狙撃ドローン
・爆撃ドローン
・自爆ドローン
・キリシマ・ロボ
など
各戦力は、上記以外にも、自由に指定して構いません。
戦争ですが、攻撃されても血が出たりケガをしたりすることはなく、
ただぽんっ! と消えるだけです。
戦いは見える人と見えない人がいるようです。
少なくとも、今回の試験監督の黒崎先生には見えていません。
ド派手な戦闘に気を取られて、テストがピンチになったり。
シャーペンで戦車やドラゴンを押しのけて、気まぐれに加勢してあげたり。
あるいは不思議現象には気づかず普通に追試を受ける、というアクションももちろんOKです。
自由にアクションをおかけください。
それでは、皆さまのご参加お待ちしております。