3月の寝子島高校。
学年末テストも終了し、生徒たちもほっとひと息。校内にはまったり休息ムードが流れている……かと思いきや、生徒たちはそうでもなかったりした。
「やべえ。期末テスト、数学やらかした……赤点だ……」
「俺は現文……」
「あたし英語……」
「このままじゃ……」
「「「留年だ……!!」」」
各生徒に通知される成績は、テストのみならず平常点によっても考慮される。教師たちもいたずらに留年者を出したくはないし、テストの結果が多少振るわなくとも、よほどの不良生徒でなければお目こぼしをもらえるものだ。
しかしながら、それにだって限度というものがある。教師もかばい切れないほどの赤点を取ってしまえば、静かに留年するのみである。
とはいえ、救いが無いわけではない。
テストが振るわなかった生徒たちが最後の望みを賭ける、
補習授業と追試だ。
「というわけで、補習授業を始めまーす!」
「きゅうっ」
現代文の補習授業担当は、今日も元気な
久保田 美和先生だ。
「テストがダメだった? 大丈夫大丈夫、そうカンタンに留年なんてしないから!」
「きゅう~」
「ちゃーんとマジメに補習を受けて、ばっちり苦手分野を克服すれば、追試だって楽勝ラクショウ♪ 先生も協力するから、頑張ろうねみんな」
「きゅうっ」
美和ちゃん先生の明るさが、留年におびえる生徒たちを力づけてくれる。
教師たちも追試でむやみにイジワル問題など出しては来るまい。最後の救済措置である補習授業をきっちりと受けてさえいれば、いかに勉強が苦手な生徒とて、そうそう留年してしまうこともないだろう。
「きゅう~?」
……例えば神魂の影響で、妙な生き物が教室中にあふれていたりしなければ、だが。
「きゅう、きゅう」
「きゅっきゅっきゅ」
「きゅうう~~~」
「あれ、どしたのみんな、ヘンな顔して? ほらほら、授業に集中してね!」
目の前の机の上にもちょこんと居座る、小さな生き物……仮に
『コマンボウくん』とでも名付けようか。
彼らは数え切れないほどの数だが、その姿はどうやら先生には見えておらず、生徒の中にも見える者と見えない者がいるようだ。
コマンボウくんたちには特に授業を邪魔するつもりはないようだが、丸くて平たい身体は、広げたノートやテキストの一部を隠してしまう程度には邪魔くさかった。
それにそこらじゅうをとてとてと歩き回る。転ぶ。転んだ拍子にきゅうっと気絶する。机から落ちそうになり、恐怖で気絶する。机から落ちたペンの音に驚いて気絶する。つぶらな瞳で見上げてくる。無視していたら寂しさで気絶する。
き、気になる~~~!
はたして生徒たちは、こんな状況でもきっちり補習授業を受けることができるだろうか……?
こんにちは、星織遥です。
よろしくお願いいたします!
概要
今回は『補習授業』を描くシナリオです。
主に学期末テストが振るわなかった人、このままでは留年してしまう人が対象ですが、
それ以外の人も、寝子高生なら誰でも補習を受けることができます。
あるいは、気づいたら授業を受けていた……なんてこともあるようです。
<教科と担当教師>
◇国語 : 久保田 美和
◇数学 : 桐島 義弘
◇理科 : 五十嵐 尚輝
◇社会 : 大橋 尚
◇英語 : ウォルター・ブラックウッド
◇美術 : 若林 沙穂
◇音楽 : 樋口 弥生
◇体育 : 吉田 熊吉
◇家庭 : 白沢 絢子
学年問わずの合同授業です。
赤点を取ってしまった科目だけ受けても良いですし、もちろん全部受けてもOK。
このシナリオで補習を頑張れば、後日公開予定の『追試』シナリオでも、
点数アップにつながるかもしれません。
<コマンボウくんについて>
神魂の影響で出現した、マンボウくんに似た謎の生き物。
補習授業が行われている間、教室中にたくさん出現します。
大きさはテニスボールくらい。体重は吹けば飛ぶくらい軽いです。
特になにか害があるわけではないものの、
・とてとてお散歩
・ノートの上でちょっと休憩
・何もないところで転ぶ
・ちょっとしたショックで気絶する
・かまってほしくてじっと見上げてくる
など、どうしても視界に入ってしまいます。気になる~~~!
無視して授業に集中するもよし。適度に構ってあげるもよし。
がっつり遊んであげて留年に近づくもよし、です。
もちろん、神魂現象には気付かず、普通に補習を受けることもできます。
自由にアクションをおかけください。
NPCについて
登録済みのNPCのうち、寝子島高校の教員については、上記のキャラクターのみ登場可能です。
生徒のNPCは、特定のマスターが扱うキャラクターを除けば誰でも登場可能ですが、
補習授業を受けるのは1、2年生のみです。
それでは、皆さまのご参加お待ちしております。