きっかけは
八神 修が勉強に励む中、休憩中に掛かってきた一本の着信だった。
「もしもし?」
サイレントモードにしていた携帯が、ちょうど手の中で光るのを目にして着信を受ける。
それは修が星ヶ丘に来てから懇意となった、近所の老夫婦によるものだった。
それからしばらく――勉強を一時中断すると、修はその夫妻の元に顔を出し、要件と共に軽い雑談を交えてから、自分の寮の家に戻って来た。
通常ならば、修は残された勉強時間を最後まで終えてから、次の諸用へと向かうことの方がずっと多い。しかし、日頃からその夫妻は人柄も良く、いつも何かとこちらを気に掛けてくれている存在だ。勉強の時間は何よりも大事だが、今回はそのような人を待たせる方が、おそらく勉強に身が入らないであろうと判断した結果とも言えた。
「さて……。
『北海道に、満天の星とオーロラを……』か――」
話の中で渡されたものは『北海道でオーロラが見られるかも知れない奇跡! 一泊二日で美しい満天の星を堪能!』というチラシだった。
話によると、これは老夫妻たちが所属する星ヶ丘近隣住民主催の旅行サークル『星ヶ丘☆ツアーズ』によって企画された『オーロラ観察をメインとした団体ツアー』であるらしい。
今回のツアーは、老夫妻が中心となって『自分たちの若かりし頃を思い出し』、サークル側でいくつかのコテージを貸し切った旅行として、かなりの熱を入れて企画されたものだった。
しかし今回は事情により、どうしても夫婦二人での参加が出来なくなってしまったのだという。
『ペアのうち1人が星ヶ丘に住んでれば参加できるの。
もしも、好きな女性がいたら、私たちの代わりに是非誘ってあげて。私たちはオーロラまでは見られなかったけれども、あそこは星がとても綺麗なのよ』
「……」
家に帰った修は思案を巡らす。
だが、それは無意識においては、思案を巡らせている『ふり』であったのかも知れない。
老婦人の言葉を聞いたときから、修の中で思いついた人物は一人しかいなかったのだから。
SNSで予定確認のメッセージを送り、それから相手に通話で連絡を取る。
いつも、一緒に何かを見たり、一緒に行動を共にする。それは常に愛しく、そして至福だ。
だが、修はそこにいつもとは少し違う、自分らしくないほんの僅かな胸の高揚が心をくすぐっているのを感じ取っていた。
「良かったら、一緒に星とオーロラを見に行かないか? ――あおい」
それを受けた
七夜 あおいの言葉は、修にとっていつも以上に心に染み入る、まるで福音のような響きを持っていた――
お久し振りでございます。冬眠と申します。
この度は、八神修様へのプライベートシナリオをお届けにあがりました。ご指名をいただき誠に有難うございます。
それでは、さっそく以下より状況内容を説明させていただきます。
状況と、できること
【状況】
○星ヶ丘にお住まいの老夫婦が、所属する星ヶ丘の旅行サークルに、今回昔を懐かしみながら提案企画した『北海道コテージをいくつか貸し切ってオーロラが見られる星空の綺麗な豪華旅行』に事情により参加出来なくなってしまい、その代わりに八神様へと一泊二日の旅が譲り受けられることになりました。
【できること】
○北海道のコテージを中心とした行動であれば、ご自由に行動していただけます。
・『星ヶ丘☆ツアーズ』のチラシには『北海道のオーロラは赤色を主軸にしたもので、運が良ければ見られる』との記載があります。
確認される時間は、夜も更けて静かになった真夜中過ぎに起こる事が多く、リアクション当日には気をつけていれば確認できるものと思われます。
・近くには心地良い森林と湖があり、昼間でしたらこちらでも、心地良い空間に美しい景色を見ることが可能です。
・コテージには飲食物の他に、調理材料などの持ち込みも可能です。お手製の夕食などもお楽しみいただけます。
・コテージには 椅子とテーブルが用意された屋外共有スペースがあります。朝から夜まで時間を問わず、ずっと解放されているスペースのため、空を見ながらお茶を楽しんでのお話などもしながらお過ごしいただけます。根気によっては完徹をして、そのまま朝焼けも見ることも可能です。
・屋内で就寝する際は、家族以外は男女別となってますのでお気をつけいただければと思います。
【NPC】
○NPCと致しまして、七夜あおいが登場します。こちらは、ご自由にアクションをお掛けいただければ幸いです。
【その他】
○NPCとのご関係について、事前にMSに知っておいて欲しいエピソードなどがございましたら、『そのリアクションの該当ページURL』をアクション内にてご記載いただきますと、大変嬉しく思われます。
それでは、八神様にとって大切なお時間が過ごせますよう、精一杯執筆させていただきます。
ご自由にアクションを戴ければ幸いです。素敵なアクションを心よりお待ち申し上げております。