――月華世界・雲の国
「どうもこうも、厄介事になるとはな」
雷の国の王、ライメイが頭を掻きながらぼやく。その傍らで雲の国の女王、藍紗がため息をついていた。
「新たな街を作ろうとした矢先、このような遺跡を発見したのですがどうやら藍音が女王を務めたころの物だと思われます」
彼女はそう言いながら1つの巻物を広げる。そこには、藍音の生きていた時代について色々と書かれていた。
曰く「雲の国初の女王が藍音であった事」
曰く「女王誕生を喜ばない者も数多くいた事」
曰く「女王を引きずり下ろす算段があったが、阻止された事」
「そして……その為の資金がこのどこかに隠されていること……」
サキリ・デイジーカッターの言葉に、ライメイは1つ頷いた。
巻物を読んだところ、その額はサキリたちが暮らす日本円換算でざっくりと5億円ほど。そして、その埋蔵金をライメイと藍紗としては呪いの犠牲となった者たちの為に使いたい、と考えているようだ。
理不尽なとばっちりを受けた被害者に救われてほしい、と考えるサキリとしては、その提案はいいんじゃないかな、と思った。
「そこで、君たちには遺跡調査に付き合ってもらいたい。そして、このどこかにある埋蔵金を探し出してほしいんだ。ただ、罠があったりする可能性がある。どうか気をつけて行って欲しい」
サキリをはじめとする冒険者たちは、遺跡に入る。と……、目の前に一人の男性が現れた。彼は水干のようなものを纏い、右目を白い仮面で覆っていた。
《我は、名もなき神官。女王、藍音を玉座から降ろそうとしたもの》
彼は静かに冒険者たちを見渡し、すっ、と彼らの脳裏に染み渡るよう、ゆっくり言った。
《我らが宝が欲しくば、来るがよい。ただし、心に巣食う【影】を超えられればだが》
神官は何処からともなく取り出した札をまき散らすと、冒険者たちの姿が消えた。
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次の瞬間、貴方たちはそれぞれいろんな場所にいた。
ある者は寝子高に、ある者は家の中に。またある者は星幽塔に……。
不思議に思っていると、目の前になにかがいる。
それは人であったり、動物であったり……あるいは化け物かもしれない。
《目の前にいる存在。それが、汝の
【影】……簡単にいうなれば
負の感情やトラウマや後悔の念などが具現化したものだ。それとどう対峙する?》
神官の問いかけに、貴方は……。
どうも、菊華です。
そしてサキリ・デイジーカッターさんはガイドに登場してくださりありがとうございます。参加する際はガイドに関係なく自由にアクションを考えてご参加ください。
概要
雲の国で発見された遺跡を舞台に、埋蔵金を探し出してもらいます!
ですが……なにやらおかしな方向に。
地図をダウンジングしたところ、遺跡の奥にあるようですが……。
その他、遺跡には不思議な力が働いているようです。
なお、以前のシナリオは読まなくともご参加いただけます。
どなたでもお気軽にご参加くださいませ。
アクション
<遺跡に入ると……?>
貴方は、謎の神官の力により、不思議空間に飛ばされました。
そこで貴方は貴方の【影】(ここでは負の感情が具現化した姿)と対峙しなくてはなりません。
アクションには
・【影】の姿
・【影】の正体
すなわち、負の感情やトラウマ、後悔している事の内容
・【影】と対峙する場所
・【影】との接し方
を書いてもらう事になります。
影がどんなふうに語り掛けてくるかも書いていただけると助かりますが思いつかない場合こちらで考えます。ちょいと意地悪なかんじになるかもしれません(その場合、アドリブ度はSにしてくださるともっと助かります)。
基本、PCさんと影の一対一でのやり取りになります。
【GA】を使う事で友達や恋人と一緒にそれぞれの【影】と対峙する事も可能です。
また、【影】とどのように接するかは皆さんにお任せします。戦うもよし、交流を試みるもよし、とにかくアプローチしてみてください。
この試練を乗り越えられたら、埋蔵金をくれるとの事……。
<神官からの問いかけ>
今回は、PCさんへ神官からの問いかけが。
こちらを必ずアクションに記入して下さい(次回以降のシナリオに関係します)
「汝、失恋と白虹の死より自刎し、世界を脅かす呪皇・愛憐となった藍音を許すか?」
・藍音について
元々は雲の国の女王でした。
彼女は当時、英雄であった白虎族の若者・白虹に想いを寄せていましたがすれ違い、失恋してしまいました。その後政治的な荒波で精神的に披露していた上、白虹も死亡した事が原因で自刎しました。
その際、さまざまな儀式で生贄になっていた【贄姫】たちの未練が藍音の魂に入り込み、呪皇・愛憐となって世界に「失恋した場合死亡する呪い」「失恋で死んだ者を魔物にする呪い」をかけました。
藍音は浄化され、今は己の罪を償うべく神々の元で働いている、という事です。
それでは、よろしくお願いします。