ある晴れた休日のことだった。
「あら? 四十九院先生なのだわ!」
シーサイドタウンにて、
海月 珊瑚は
四十九院 鸞先生を見かけた。
今日も黒ずくめの格好で、優雅に街を歩いてゆく。
社交的な珊瑚はさっそく、声をかけようと先生へ近づいた。
が、
「四十九院せんせ……あらっ!?」
すってーーーん!
脈絡もなく、何につまずくわけでもなく、珊瑚は派手に転んでしまった。それも頭から、けっこうな勢いがついた危険な転倒だ。
「いたたた。って、痛くないのだわ?」
しかし、珊瑚は無傷だった。痛みはないし、たんこぶの一つだってできていない。
「??? あっ、四十九院先生が行ってしまうのだわ!」
ケガが無いのなら問題ないとばかり、珊瑚は手早く服についたほこりを払い、先生を追いかける。
「四十九院せんせ、ああっ!?」
すってーーーん!
またしても転んでしまった。
「いたたた、ってやっぱり痛くない! あっ、四十九院先生! 先生ーーー!」
すってーん!
すってーん!
すてすってーん!
「な、なぜか先生に近づくと、転んでしまうのだわ……!?」
よくよく見ると、転んでいるのは珊瑚だけではない。
四十九院先生が歩くと、通りすがりのサラリーマンが
すってーん! 寝子高生が
すってーん! 幼稚園児が、主婦が、野良猫が、
すってんてーん!
『……やれやれ。あいつめ、また苦労かけやがって……』
「あっ、
テオ?」
不機嫌そうな声に、珊瑚ははっとする。
「もしかして、神魂の影響……なのかしら?」
『そのようだ。あいつの身に着けてる
イチゴグッズ、あれだな。
あれを全て外してやらないと、あいつはずっとあのままだ』
「ずっとあのまま……」
そうこうするうちにも四十九院先生は歩みを進め、周囲は
すってーん! すってーん! となっている。
そしらぬそぶりの先生も、気づいていたなら助け起こすなりするだろう。先生は何だか浮かれがちなようで、まだ気づいていないようだ。
『まあ、周りも迷惑だろうしな。なんとかしてやってくれ……』
「なんとか、って言われても……」
どうしたものか。困ってしまう珊瑚なのだった。
こんにちは、よろしくお願いします!
海月 珊瑚さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
四十九院 鸞先生が身に着けているイチゴグッズに、
神魂の影響で不思議なパワーが宿りました。
先生がこれを身に着けている限り、先生の周囲、一定範囲にいる人や生き物は、
すってーん! と転んでしまいます。
現象の影響か、転んでもまったく痛くないものの、範囲はかなり広く、
一度転ぶと起き上がろうとしてもまた転んでしまうので、近づくのはなかなか難しそうです。
また、何らかの飛び道具も、転んで(=軌道がぶれて)正確に狙うのは難しいでしょう。
先生は、星ヶ丘の自宅から、旧市街にある『和菓子屋「萩屋」』さんへ向かって、
ゆっくりと歩いていきます。
何だかうきうきとして見えるのは、休日の楽しみに、和菓子屋さんでイチゴ大福を食べるつもりだからです。
そのためなのか、頭の中がイチゴ大福でいっぱいで上の空な先生には、声をかけても届きにくいようです。
まったく気づく様子のないこのうきうき具合は、これも神魂の影響なのかもしれません。
今回のミッションは、四十九院先生のイチゴグッズを全て外すことです。
目標となるイチゴグッズは、全部で三つ。
・胸元のイチゴのブローチ
・左手首のイチゴの腕時計
・首のイチゴのネックレス(服に隠れている)
何らかの手段で強引に外す、あるいは先生を正常に戻して外してもらう必要があるでしょう。
また、無事に解決することができたら、和菓子屋さんで先生といっしょにお菓子をいただくのも良いでしょう。
たまたま先生や現象を目撃したり、ねこったーなどで情報を得て駆けつけたり、
気づいたら転んでいたり、きっかけは自由にどうぞ。
ただ先生といっしょにお菓子を食べたい、といったアクションもOKです。
NPCについて
・四十九院 鸞
星ヶ丘まで旧市街まで、イチゴ大福に思いを馳せながらゆっくりと歩いています。
ちなみに、多くの一般人は転んでしまっても、四十九院先生が原因だとは考えないので、
先生が嫌われ者になってしまうことはなさそうです。安心。
その他、登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!