「
虹色の桃?」
「そうそう。場所は、確かエノコロ岬の方だった筈だ」
思わず
遠藤 健は問い返すが友人はそうだと頷き返す。
健の目の前にいる同学年の友人が言うには、何でもエノコロ岬の方で謎の桃をつける虹色に輝く木が発見されたのだとか。
「何でもその木は常に同じところにあるわけでなく、一定の時間で位置が変わってるとかなんとか」
「そんな事何で解ったんだ?」
「見つけたのはいいけど高いところにその虹色の桃があって、とてもじゃないけど取れないから目印をして道具を取り行って戻ってきたらその木が丸ごと消えていたらしい」
「なるほど……」
虹色の桃だけがなくなったならば誰かに先に取られたという事になるが、木自体がなくなったというなら少なくとも誰かに取られたという線は消えるだろう。
だが、誰かの仕込みであるとかそういう可能性も消えたわけではない。だけど、健には何となくではあるがこれはガセネタではないような、そんな気がしていた。
「この話自体、広まってるってわけでもないから探してる奴はそんなにいないみたいだけど、中には虹色の桃が手に入ったら金運が得られるかもしれないとか、足が速くなるかもしれないとか、結婚や恋愛運が得られるかもとかで探してる奇特な奴もいるらしいぜ」
虹色の桃とそれらは直接的に関係はなさそうな気もするが、要は自分が欲しいものという事だろうか?
不思議な桃というと桃源郷にあるという不老不死の仙果があるが、それとは全く違う効果だしなぁと健は思った。
「ふーん。ちょっと面白そうだなぁ」
まだ友人はその事について色々言っているが、好奇心がそれなりに強い健はどうやら興味を引かれたようですっかり行く気になっているようだ。
どうするか考えながらも友人の話に相槌を打って健はその場を離れていく。
そして、実の話を一人の女生徒が聞いていたりする。食べることが大好きな、
巫部 紫苑だ。
「虹色の桃……」
紫苑は健ほど好奇心を刺激されたというわけではないだろうが、話を聞いて少しだけ気になっていたりするのかもしれない。
虹色の桃と聞いて、一応は頭の中でどういうものか想像は出来る。だけど、実際どうなのかが気になったりするといった感じだろうか。
もしかしたら本当に何かしらの運が得られるという事もあるかもしれない。それに、虹色の桃はどんな味がするのだろうか?
ただ、聞いていたとは行っても向こうから気づかれない程度には離れていた為に話を全部聞けたわけではない。
なので、ちゃんとした事を知ろうと思えば、自力で調べるかもしくは今の二人のどちらかに話を聞きに行くしかないだろう。
幸いな事に紫苑はちゃんとは知らないものの健の事は見覚えがあった。以前、自らのクラスメイトと話をしているのを見た事があった気がする。
だから、その話をしていたクラスメイトに尋ねれば健の事を聞く事ができるかもしれない。
「うーん。どうしましょうか?」
こうして先程の健同様に紫苑もまた考えながらその場を離れて行くのであった。
こんにちは、昂祈です。
まずは、巫部 紫苑さん。
ガイドに登場して頂きありがとうございました!
もし、参加して頂けるようでしたら、アクションについてはご自由に考えて頂いて大丈夫です!
概要
今回のシナリオは突然出現するようになった虹色の桃を探して採るというシナリオになります。
噂では、この桃を手に入れれば何らかの運がアップするらしい、と言われています。
因みにこの桃についての噂を見聞きした時、神魂の影響によりこの桃を手に入れて食べたみたいと自然と思うようになります。
出現する場所はエノコロ岬周辺の森です。
虹色の桃について
見た目は完全に虹色の桃です。
一体どういう桃なのかさっぱり解りませんが虹色に輝いており、普通に食べる事が出来ます。この桃はとても新鮮で瑞々しく、味も絶品です。
食べても特に何かが起こるわけではなく、暫くの間ちょっとだけ運が上がってるかもしれないという程度です。
捜索について
大体こっちの方にある、という目印のようなものはありませんが虹色の桃をつけている木は桃同様に虹色に輝いている為、結構目立ちます。
その為、高いところから見たりすればもしかしたら案外遠くからでも見つける事が出来るかもしれません。
但し、だからと言ってそう簡単に採る事が出来るかといえばそうはいかないようです。
何故かと言えば、実は虹色の桃を探そうとすると何かしらの妨害が入るからです。
その妨害は怪我をしたり命の危険があったりするようなものではなく、例えば食欲を唆る美味しそうな食べ物で気を引いたり、世にも珍しい動物を見せたり、上から木の葉が大量に降ってきたり、落とし穴があったり、木の根で転ばせようとしたりといった悪戯に近い側面のあるものです。
ただ、時には風の方向が何故かスカートをめくるような方向になったり、服が透けるように水をかけたり、スライムっぽい何かが降ってきたり、妙な蔦で絡め取ろうとするような、センシティブな妨害をされる事があるようです。
因みにこのセンシティブ方向の妨害は女性だけとは限らず、男性相手でも起る事があるようです。
これらの妨害は強力というわけではないので、スライムっぽいものや蔦みたいなものもどうにかしようと思えば素手で簡単にどうにかできます。
ですが、時間をかけてしまえば例え、虹色の桃を発見していてもどこかに行ってしまうでしょう。
果たして、妨害を潜り抜けて手に入れる事は出来るでしょうか。
因みに妨害に負けてもただ、虹色の桃を手に入れる事が出来なかったというだけでデメリットはありません。
その為、妨害に負けて動物を追いかけていく、美味しいものをお腹一杯食べながらピクニックをし始めたりしても問題はありません。
NPCについて
遠藤 健。
高校二年生。
同行のご希望があれば、一緒に参加します。
基本的に皆様のアクションに沿った行動をとります。
また遠藤以外のNPCの方でも、特定のマスターさんのキャラでなければ誰でもご指定して頂く事ができます。
気になるNPCさんがおられればどうぞご一緒にご参加ください。