「まぁ! 今年も
『マタタビック演劇フェスティバル』の季節なのね~♪」
秋の始まり。
恵御納 夏朝の休日を利用した短い帰省は、母の
恵御納 理沙と父である
恵御納 久隆に迎えられた、とても温かなものだった。
理沙の美味しい料理に続いての夜の家族団欒は、夏朝の近況報告を含めて会話に花が咲くような明るい話題で持ちきりだ。
今は丁度、寝子島にて今年で六年目を迎える『マタタビック演劇フェスティバル』の話──
「去年の夏朝ちゃんが演じたライオンちゃん、可愛かったわ~」
「うむ、あれは良い演技だった」
昨年、夏朝は役者として
『オズの魔法使い』でライオン役を演じていた。それを観に来ていた理沙と久隆の二人は、当時を振り返っても色褪せない思い出に、お互いに微笑み合いながら頷いてみせる。
「あ、そ、それでね……!」
夏朝としても、当時も精一杯に演技をして成功を収めた舞台だったが、改めて正面から振り返られるのは、ほんの少し恥ずかしい。
「今年も、舞台に立ちたいと思ってるんだ……
こんな感じのものを考えてはいるんだけど、まだ他の役者さんとか何も決まってなくて」
そう前置きをして、夏朝は理沙と久隆に自分がイメージしている舞台構想を伝え始めた。
それは『少女』と影となる『対』の物語。平穏という名の苦悩から、打開の為の冒険に到り、最後には──
最初は説明するだけのつもりだった、夏朝の語り口は段々と熱くなっていった。聞き手であった理沙と久隆も、シーンごとに感想を伝えながら、その関心を集中させて夏朝に先を促していく。
「……というお話なんだけれども……」
これは夏朝の中で、どうしてもやりたいと願っていたものだった。それには想い続けた願いの形が詰まっている。たとえ一人舞台となってでも、無理を圧しても絶対にやりたいという切なる思いがそこにはあった。
「素敵! それならぜひお手伝いがしたいわ~!」
「え……! 本当に? でも──」
「夏朝、私にも手伝わせてくれないか。
舞台には事前に準備がいるだろう? せっかくの娘の舞台なんだ。出来る事には全て協力をさせて欲しい」
二人の言葉に、一瞬の驚きを見せて。それから夏朝はその瞳を一気に輝かせた。
「……うん! ありがとう……!」
そうして、ふたたび家族は話し始めた。
『マタタビック演劇フェスティバル』に向けて。
ここにはまだいない『いつか来ると強く願う家族』への想いも交えて、それらの情熱を余すこと無く舞台に織り込めるようにと──
こんにちは、冬眠と申します。
マタタビック演劇フェスティバル、プライベートシナリオとなります。
この度は、恵御納 夏朝様、恵御納 理沙様、恵御納 久隆様。
御三名様の演劇企画へのご参加ならびに、さまざまなご発想をいただき、誠に有難うございます。
ガイド・サンプルアクションは一例となります為、ご参加の際にはご自由にアクションを掛けて頂けましたら幸いでございます。
頑張らせていただきますので、どうかなにとぞ宜しくお願い致します。
概要
アクションには演劇本番に限らず、練習風景や事前準備、打ち上げ光景までご自由にお書きいただくことが可能です。
その為、描写の比重などご希望のシーン(演劇シナリオのこのシーンだけは絶対に入れてほしい、こんな事前準備光景は入れてほしい)などのリクエストがございましたら、是非アクションにてご指定ください。可能な限り、全力でご期待に添えるよう頑張らせていただきます。
演劇のあらすじはトピックにて確認させていただいており、舞台はそれを元に進行致しますが、本番のシーンに付随する皆様のご感情や、練習や事前準備などのトピックに詳細が無いものにつきましては、いつも通りアクションにてご記載下さい。
『そこに在る、対の少女の物語』
とある島、あたたかな家族と暮らしている、一人の『少女』がおりました。
平和な日常。しかし、少女はその体に『対』となる、もう一人の自分の心を宿していました。
対は少女の影であり、少女の日常に何の干渉もできません。時折、対が体の主導権を得ても、今度は少女が影となり、どんなに祈り願っても、決して、お互いに触れ合うことは叶いません。
互いの存在を知りながらも、残酷なまでの平穏に、このままでは永久に互いの手が届かないと悲しみに暮れたとき。
いつしか少女と対は、いくつもの不思議な『世界』へと迷い込むようになったのです──
○演劇全体のあらすじはこちらから
【配役】
『少女』メイン:夏朝(シーンにより、シルエットにて表示)
『対』 メイン:夏朝(前半は上記同様、後半は理沙が代役)
『父』 久隆
『母』 理沙(後半は、協力者の皆さん)
『弟』 (現在、配役無し。布でくるんだ縫いぐるみと音声で代用)
『その他』 マタタビック演劇フェスティバル協力者の皆さん
当日の演劇会場
会場は星ヶ丘にある『STARHILL Theater(スターヒル・シアター)』。
近代的な多目的劇場で大衆演劇はもちろん、オペラ、歌舞伎、コンサート、映画を上映することも可能です。
ステージには様々な舞台機構が備え付けられており、工夫次第でありとあらゆる演出を行うことができます。
ステージからせり上がったり、時にワイヤーアクションで宙を舞ったり、
映像と合わせた絢爛豪華な舞台を作り出す等、自由な発想で表現できます。
それでは、皆様の素敵なアクションを、心よりどきどきしながらお待ち申し上げております。