ここは寝子島某所にある某飲食店。客は少なく、店主は退屈そうに食器を磨いている。
「さてさて、今回の『ぶらり、マタ旅!』いかがだったでしょうか。いやー、今週は――」
店内に設置された、つけっぱなしになっているテレビから、そんな声が聞こえた。
木天蓼市で人気のご当地タレントが、同市出身の人気女性アナウンサーと軽快なエンディングトークをしている。
『ぶらり、マタ旅!』とは、寝子島ケーブルテレビ、テレビねここのオリジナル紀行バラエティ番組だ。
俗に言う街ブラ番組であり、先の二人がレポーターを務めている。
旅の範囲は木天蓼市周辺を中心とした神奈川県内。
製作とネタの都合上、新作のリリース頻度は月に二回の隔週放送。そしてそれを何度か再放送する。
そんないかにもなローカルケーブルテレビ局の低予算番組であるにも関わらず、レポーター人気のおかげか、はたまた何度も再放送が行われるためか、なかなかに人気はあるらしい。
「今、寝子島がアツい!!」
「何なんですか、藪から棒に。でも確かに、寝子島は人気スポットだしイベントも多いし、なんていうかパワーがありますよね。来年には木天蓼大学の新キャンパスも出来て、ますます盛り上がりそう」
「そうそう。それにね、テレビねここは寝子島にあるわけでしょ? それなのにこの番組ではあまり寝子島を扱って来なかったじゃないですか。いやー、勿体ない! 実に勿体ない! 寝子島最高! ということで、ハイどうぞ!」
「雑です! フリが雑です! えー……というわけで、次回の『ぶらり、マタ旅!』は寝子島からお送りします! あなたの所にも突撃しちゃうかも!? 皆さん、お楽しみにー!!」
「お楽しみにー!!」
二人のレポーターが手を振り、エンドロールが流れ終わる。
そのまますぐにCMに移るかと思いきや、女性アナウンサーの声と共にこんなテロップが現れた。
『ぶらり、マタ旅!』に出演してみませんか?
店主は、まず閑散とした店内を眺め、それからぴかぴかに磨き上げてしまった食器に目をやった。
明日もこうして、既に隙がないほど磨かれている食器を、更に擦り上げる作業に没頭しなければならないのだろうか。
食器を磨くたびに擦り減る布巾と、じわじわと減っていく貯金。その二つをリンクさせ、店主は身震いした。
あの番組は、こんなどうしようもない状況から脱却するチャンスを与えてくれたのかもしれない。
そう考えた店主は、受話器を手に取り、先程画面に映っていた番号に電話をかけた。
街ブラ番組が寝子島にやって来るそうです。
◆シナリオ概要
さっくり言うと、コミュニティの宣伝なんていかがですか、といった感じのシナリオです。
コミュニティはまだ作ってないけど、こんなとこにこんなお店があるよ!こんなことする予定があるよ!というのも良いでしょうし、
もちろんコミュニティ関係なく個人での参加も大歓迎です。客として、通行人として、その他諸々。
その場合も、何か宣伝・主張したいことがあったら、ご自由にどうぞ。
ただしローカルとは言え放送にのっかるものですので、よろしくない言動はもちろんのこと、ろっこんを使用しても映像にノイズがかかってしまい、放送ではその部分はカットされてしまうでしょう。
リアクションではその部分も描写されるとは思いますが、宣伝効果は薄くなってしまうかもしれません。
ガイドでは出演者募集をかけていましたが、突撃取材も行なっておりますし、飛び入り参加もOKです。
いずれか好きな形でご参加下さい。
◆お願い
宣伝目的で参加する場合、アクションの一行目にコミュニティ名及び店名、イベント名等の記載をお願いします。
コミュニティとして存在しない場合は、名前の他に、所在地も一緒に記載して下さい。
個人として参加する場合は、コミュニティ名等は必要ありませんが、撮影班一行と遭遇したい場所があれば指定して下さい。
◆場所・時間
寝子島全域。
休日の朝から丸一日かけて撮影しています。
◆ぶらり、マタ旅!
テレビねここのオリジナル紀行バラエティ番組。
旅の範囲は木天蓼市周辺を中心とした神奈川県内。本放送は月に二回。
レポーターは木天蓼市のご当地タレントと同市出身の女性フリーアナウンサー。
その他に撮影スタッフが若干名同行します。
「マタ旅を見た」と言うと、本放送の翌日にサービスしてくれるお店もあるとかないとか。
◆登場NPC
縦山 四々郎(たてやま よんしろう):木天蓼市出身のご当地タレント。41歳。
横谷 このみ(よこたに このみ):木天蓼市出身の女性フリーアナウンサー。32歳。
その他名無しスタッフ一同
全然関係ありませんが、私がかつて住んでいた場所周辺も●●街で取り上げられたことがありました。
しかし「●●街を見た」が何もない回だったので、「●●街を見た」って言えないじゃん!!と、とってもしょんぼりした記憶があります。
そんなこんなで、皆様のご参加お待ちしております。