「だから、ほんとに見たんだってば~!」
「ええ~? どうせ虫かなんかでしょ?」
「違うって、本物の妖精だったんだから!」
寝子島高校。
屋敷野 梢が廊下を歩いていると、何やら言い争う声が聞こえた。
「……妖精?」
女子二名の片割れは、学校内で
『妖精』を見たのだと主張している。
もう一人は当然のように信じていないようだが、梢はふむ、と考える。
散々異変やら怪異やらを目にしてきた彼女だし、今さら寝子島やこの学校内であっても、妙な事件が起きても不思議はない。それこそ目の前に妖精とやらが飛んでいたとしても、少し驚きこそすれ取り乱すほどではないのだ。
「ふぅん。妖精ですかー」
そのまま校内を歩くついでに、窓の外や通りすぎる教室内、天井の隅などへ目を向けてみる。
と。
「……おお! ほんとにいるじゃないですかー」
いた。
身長は12~3cm程度だろうか。いかにも気が強そうな釣り目の女の子で、人間でいえば中学生くらいに見える。薄くラメのようにきらめくワンピースを着て、背中には緑に透きとおる虫羽が生えていた。羽ばたくたび、きらきらと光の粒子が小さく弾ける。
まさに、
妖精というほかない。
妖精は、見える人と見えない人がいるようだ。梢にはくっきりとその姿が見えているが、通り過ぎていく多くの生徒や教師は目もくれない。
観察していると、妖精はしししと笑い、見定めた生徒へそろそろと近づいていく。
その表情から察するに、どうやら何か、ちょっとしたイタズラでも敢行するつもりだろうか。
「ふふー。何だか面白そうですねー!」
子どもめいたイタズラなら笑って済ませればいいし、イタズラされた生徒が困ってしまうような状況になるなら、もれいびとしてちょっと介入してやればいい。
こっそりと覗きながら、梢はししし、と笑った。
こんにちは、よろしくお願いします!
屋敷野 梢さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
舞台は寝子高周辺となっていますが、高校生以外にも、小中学生、大学生や社会人、ほしびとも参加可能です。
どなたもお気軽にご参加ください!
概要
寝子島高校、およびその周辺地域にて、たくさんの『妖精』が出現しているようです。
妖精は見える人と見えない人がいるようで、その基準は不明です。
ひと・もれいびを問わず、見えたり見えなかったりします。
妖精たちはイタズラが大好きで、生徒や教師、学校近くを通りがかる人へ、
様々なイタズラをしかけます。
ちょっとしたイタズラもあれば、不思議な力を使って物を動かしたり、
人の感情や気持ちに作用するイタズラもあるようです。
<妖精のイタズラ>
・持ち物を隠す。別の場所に移動させる。
・風を吹かせてスカートめくり。
・下着だけを抜き取ってしまう。
・水を撒いてびしょ濡れに。
・バナナの皮ですってんころりん。
・甘いジュースを辛い飲み物や苦い飲み物に変えてしまう。
・動く人体模型、窓に血の色の手の跡、奇怪な声など恐怖系イタズラ。
・人の『好き』の想いを増幅する。告白したくなる。
・人の『嫌い』の想いを増幅する。特定の食べ物や生き物などが苦手になる。
・猛烈に人肌恋しくなる。誰かにくっついていたくなる。
など。
ほかにも、妖精らしい可愛らしいイタズラ、怖いイタズラなど、自由に指定しても構いません。
皆さんは、妖精が見えていても、見えていなくても、どちらでも構いません。
妖精のイタズラにわけもわからず振り回されたり。イタズラ妖精へ、逆に報復して懲らしめたり。
妖精と何らかのコミュニケーションを試みるのも良いでしょう。
妖精は人の言葉を話しませんが、身振り手振り、絵や映像を示すなどで、意思の疎通は可能です。
素直に言うことを聞いてくれるとは限りませんが。
妖精たちは、ある程度イタズラを楽しめば、寝子島から去っていくでしょう。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
NPCたちは概ね、妖精は見えていません。
いっしょに妖精のイタズラに翻弄されたり、イタズラからNPCを守ったり、自由に交流してみてください。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!