「まずは寄ってみて! 食べてみてよ! ぜったい損はさせないから!」
「いや、しかし……」
参道商店街。
鷹取 洋二は困惑していた。
彼の袖をがっちりつかんで離さないのは、すぐそこにある寿司屋の主人である。壮年にも入ろうかという白髪頭の親父だが、洋二を店へ連れ込もうと、めっちゃぐいぐい来るのだ。
「自慢じゃないが、僕の懐は寂しいぞ。寿司などとてもとても」
「だぁーいじょうぶ、だいじょうぶ! ウチはそこんとこ、大丈夫だから! 安価で腹いっぱい食べられる、それがウチのモットーだから!」
結局洋二は押し切られるまま、のれんをくぐってしまった。
店内は何の変哲もない、いわゆるひとつの回らない寿司屋……と思いきや、寿司屋ではちょっとお目にかかれない、妙なものが目に入った。
「なんだこれは」
「ガチャガチャだよぉ、お客さん! うちはね、
『ガチャガチャ寿司』でやらせてもらってんのよ!」
聞いたこともない。
確かにそれは、100円入れてハンドル回せばガチャガチャっとおもちゃが出てくるアレだ。オモチャ屋さんの前とかに置いてあるやつだ。
しかしながら、ここは寿司屋である。しかもそいつは、カウンターの上に堂々と鎮座していた。一人に一つガチャガチャがあるのだ。
「ほらお客さん、100円! 100円入れてガチャガチャっと」
「ううむ。なんだか怪しさをとおり越して、逆に興味が沸いてきたぞ」
洋二は席へ着くと、100円をスリットへ入れ、ハンドルを回す。
ガチャガチャ、ガチャコン。
出てきたカプセルを開けると、小さな紙片が入っており、こう書かれていた。
『Sレア マグロ』
「おっ、なかなかいいのを引いたね! ほい、マグロ一丁!」
洋二の前に置かれた小皿には、脂ののったマグロが一貫。
さあどうぞ! といい笑顔で勧められ、洋二は震える手でマグロを口に運ぶ。
「う……美味い!!」
つまり、1回100円のガチャを回し、出てきたネタをいただくことができるようだ。
ネタはもちろん、ピンキリである。100円で釣りが来るものもあれば、とうてい100円では食べられないものも含まれる。
まごうことなき、これはガチャである。
「どうだい? 今なら、1000円で11連ガチャも回せるよお客さん~」
「…………」
洋二は葛藤の末、なけなしの千円札を取り出すのだった。
こんにちは、よろしくお願いします!
概要
参道商店街に軒を構える老舗寿司屋、『猫楽』。
最近は売り上げが落ち込んでおり、このままでは閉店も止む無し、というところまで追い込まれた店主が、
起死回生の策として打ち出したのが、『ガチャガチャ寿司』です。
100円でガチャを回し、カプセルに入っている紙片に書かれているネタを、
安価・高価の別なくいただくことができます。
本来は100円もしないカッパ巻きも、およそ100円では食べられないトロの握りも、100円です。
ただし、ネタにはガチャらしく『レアリティ』が設定されており、
安価で低レアリティなネタは出やすく、高価で高レアリティは出にくくなっています。
『ガチャガチャ寿司』はねこったーなどを中心に、ちょっとだけ話題になっていて、
皆さんも目にしたり聞いたりすることでしょう。
また、店の外を通りがかると、ちょっと強引な店主が入店を促してきます。
興味本位で来店してみるも良し、流されるまま入ってしまうも良しです。
また、今日は神魂の影響で、潮の香りをより濃く含んだ風が島中に吹いており、
この風に吹かれると、「お寿司が食べたいな」な気分になってしまうようです。
運が良ければ、高級寿司ネタをお腹いっぱいに食べられるでしょう。運が良ければ。
お寿司の新境地、『ガチャガチャ寿司』をお楽しみください。
アクション
コメントページで、【ガチャを回す】【ガチャる】などと発言してください。
サイコロの目によって、食べられるネタのレアリティが決まります。
レアリティ内のネタはどれでも指定して構いません。
(PC目線では、出てきた紙にネタも書かれています)
コメントは何度発言してもOK。その都度PCさんが100円を払ってガチャを回し、お寿司を食べます。
アクションには、出た目と、下記のネタのどれをいただくかをお書きください。
食べる順番は好きに指定して構いません。指定しなくてもOK。
「コメントで発言するのがめんどくさい」という方は、マスターのおまかせで、
「○回回すよ」と指定していただくのも可です。マスターがランダムでネタをチョイスします。
<寿司ネタ一覧>(サイドメニューも含む)
◆サイコロの右の目が、【1】【2】【3】:ノーマル
・カッパ巻き ・ツナマヨ ・とびっこ
・納豆巻き ・玉子 ・カニカマ
・アサリの味噌汁
・コーヒー ・紅茶 ・各種ソフトドリンク(選べます)
◆サイコロの右の目が、【4】【5】:レア
・サーモン ・いか ・たこ
・いわし ・甘エビ ・えんがわ
・タラのアラ汁
・大学芋 ・ところてん
・カレーうどん
・タピオカミルクティー
◆サイコロの右の目が、【6】:Sレア
・マグロ ・はまち ・ほたて
・タイ ・アナゴ ・ボタンエビ
・イクラ ・カニの味噌汁
・高級フルーツサンド
◆サイコロの左右の目が、【6】かつ【ゾロ目】:SSレア
・大トロ ・ウニ ・アワビ
・カニ ・しまあじ ・車エビ
・メロン(2分の1カット)
ちなみに、ドリンクやサイドメニューはなぜか、見た目も所作も完璧な執事さんが提供してくれます。
店主になぜ? と尋ねてみると、「それを聞くのは野暮ってなもんよ」だそうです。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
「お寿司が食べたくなる」風に吹かれてご来店。店の前でばったり出会い、せっかくならいっしょに入る?
といった流れになるでしょう。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!