「ヒィヒヒヒ……」
暗がりに、十数人の男女が集まっている。
高校生の男子に中学生女子。サラリーマンにOL。壮年の男女。共通点の見い出せない多種多様な人々が、ぼんやりとした瞳で一点を見つめている。
「お前ら、もれいび……っつったっけぇ? いい能力<チカラ>、持ってんじゃねぇか……ヒィヒヒヒ」
彼らの視線の先に、奇妙なものが浮いていた。
二頭身のずんぐりとしたシルエット。蝙蝠羽の生えた、小さな小さな黒山羊。
悪魔が、彼らを見下ろしていた。
「オレさまは
『黒山羊悪魔バッフィー』。いいかぁ? お前らは、オレさまの手下だ。そのチカラを使って、存分に暴れてこい。混乱をバラまいてやるんだぁ……分かったな? ヒィヒヒヒ。ヒヒヒヒ!」
ふんぞり返った悪魔が尊大に言うと、集まった人々は呆けたようにうなずき、一斉に歩き出す。
見えない糸に操られるかのように、うつろな集団は歩を進めていった。
その日、
後木 真央は、天から降るやけに可愛らしい声を聞いた。
『た、大変です! もれいびの皆さん、大変です~!』
「うわっ、びっくりしたのだなにがどうしたのだ!?」
声の主は、
白猫のミラだった。
ミラは慌てた様子で、用件を伝える。
『寝子島に、悪魔が入り込みました!』
「あ、悪魔なのだ?」
『悪魔は一部のもれいびを洗脳して自由に操り、ろっこんを使って、大混乱を起こすつもりです!』
「大混乱なのだ!?」
『はいっ。ここは、
<時の特異点>です! ここで悪魔を止められないと、寝子島のフツウが徐々に崩れ去り、いずれは現実と虚構が入り交じる奇妙な世界へと変わってしまうんです!』
「な、何だか良く分かんないけど大変なのだ~~~!?」
さらにミラが語るところによると、悪魔は洗脳したもれいびを
寝子島シーサイドアウトレットへと送り込んだらしい。
時計が正午を指した瞬間、一斉に彼らは動き出し、ろっこんを発揮して周囲へ混乱を撒き散らすのだ。
『お願いです! 悪魔を倒して、もれいびの皆さんを正気に戻してあげて下さい!』
驚きはしたものの、真央も寝子島に暮らすもれいびである。怪異や不思議現象には何かと縁があった。
「まかせるのだ! 真央ちゃんがさくっとズバッと解決しちゃうのだ~~~!!」
そして、12時の鐘が鳴る。
こんにちは、よろしくお願いします!
後木 真央さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
寝子島に、悪魔が現れました。
悪魔は人間を洗脳して配下にしてしまう能力を持っていて、
今回は一部のもれいびを操り、寝子島に混乱を起こそうと画策しているようです。
悪魔のターゲットは、寝子島シーサイドアウトレット。
休日で客も多い中、騒ぎが起これば、寝子島のフツウが壊れてしまいかねません。
暴走するもれいびを抑え、悪魔を倒し、平和を取り戻してください!
アクション
ご参加のきっかけは、ミラの声を聞いてやってきたり、たまたま居合わせたり、
何でも構いません。自由にご参加ください。
また、PCさんが洗脳されてしまった! というアクションもアリです。
洗脳されたもれいびは、ろっこんを操って攻撃してきます。
昏倒させたり意識を失わせるか、あるいは悪魔を倒すことができれば、事件解決後に目が覚めるようです。
ただし、悪魔の力で身体能力や頑強さが強化されているので、ちょっとやそっとでは気絶しません。
(思いっきり攻撃してOK)
また、シーサイドアウトレットは混雑しているので、人目につかないよう立ち回る必要があるでしょう。
・人のいないところへ誘い込む
・別の場所に人目を引き付け、その隙に戦う
・ショーやイベントを装う
など、工夫してみてください。
なお、ろっこんは自由に使用することができます。
ほしびとは、「星の力(虹)」のみ使用可能です。
敵について
◆黒山羊悪魔バッフィー
二頭身の小さな黒山羊の姿をした悪魔。蝙蝠羽で飛ぶことができる。
ぬいぐるみのように可愛らしいが、非常に狡猾で性格が悪い。
人間が苦しむ様を見るのが大好き。
自分自身が戦う能力には乏しい。
シーサイドアウトレットのどこかに隠れて、事態を見物しているようだ。
◆洗脳されたもれいびたち
老若男女、様々な年代の人が含まれる。人数は十数人ほど。
シーサイドアウトレットの各フロアに散って、一斉に行動を開始する。
それぞれのろっこんは様々な能力でありながら、主に以下のタイプに分かれる。
・近接攻撃用ろっこん(怪力パンチ、風のように走れる、岩のように硬くなるなど)
・遠距離攻撃用ろっこん(石ころを射出、つむじ風を起こして攻撃、炎を起こすなど)
・サポート用ろっこん(味方の身体能力増加、傷の回復など)
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!