ここはシーサイドタウンのオフィス街。
いつもならスーツ姿の男性ばかりが通るそのオフィス街に、今日は何やら大勢の小・中学生達がやってきていました。
というのも、今日は寝子小・寝子中合同の社会科見学in愛光堂が行われる日だったのです。
「ここが愛光堂。思ってたより、デカいな……」
3階建ての社屋を見上げて、
赤羽 勇樹くんが赤い目を見開きます。
「ほんまやなー。いやー、こんな有名な会社に取材できるとか、寝子島で中学生やっててよかったわー」
その隣で好奇心に黄色い瞳を輝かせるのは、
鍋島 奈々美さん。
二人は寝子島中学に通う兄妹みたいな幼馴染で、なるほど並んで建物を見上げる姿はどこか本当の兄妹のようでした。
「なんかまだ正式発売前のギアとテストバトルもできるらしいぞ」
と、うずうずした様子で勇樹くん。
「それにしおりに書いてある謎の教授――プロフェッサーKとはいったい……」
彼の見つめる何やら凝ったしおりに描かれているのは、カプギアの生みの親であるというプロフェッサーKのシルエット。何やらブラウン管テレビでも被ったような四角い頭のシルエットをしている段階で、もうバリバリの胡散臭さです。
(あー。CAPGEAR MEIJINといい、中の人もこの暑いのに大変やなー)
でも、奈々美さんは慣れているので、もう突っ込みません。
「社長のアイコーさんにも突撃取材できるみたいやで。なんやえらい協力的やなー」
むしろ、奈々美さんは社長の取材に興味津々の様子。
そんな感じで、二人はワクワクとした表情で、これから始まる社会見学に想いを馳せます。
その一方で。
「……まさか学校絡みでここに来ることになるとはね」
ぽつり、とクールに呟いたのは
牧 雪人くん。
さっきの二人とは対照的に、あまり愛光堂の大きさに驚いていない様子です。
「……? MAKIYUKI、もしかして、以前に愛光堂に来たことがあるのか?」
そう訊ねたのは、雪人くんからカプセルギアを貰ったことがきっかけでギアマスターになった
鳳城 翔くんでした。
「まだカプギアが表に出回る前に、ね。最近はもうほとんど来てないけど。あ……」
「……どうした、MAKIYUKI?」
目を見開いた雪人くんの視線の先を追う翔くん。
「え……?」
そこで翔くんもまたグラデーションがかった目を瞬かせました。
何故なら、そこにいつもなら家で引きこもっているはずの海堂 洋子ちゃんが、さも自分も寝子小生のような顔をしてそこに立っていたからです。
「……なんで、洋子がここにいるの?」
雪人くんが聞けば、洋子ちゃんはむっと唇を尖らせ、
「……よ、余計なことを言うな。……寝子小と愛光堂のPCをハッキングし、今日の参加者にぼくの名前を紛れこませた。今日、この瞬間だけ、ぼくは正真正銘の寝子小の小学生だ。いいね?」
「……絶対、バレると思うんだケド」
そうは言いましたけれど、青白い顔をして必死に外に出てきた洋子ちゃんに帰れとは言えない雪人くんでした。
何かどうしても参加したい理由があったのでしょう。雪人くんにも、思い当たる節はありましたし。
そうして、子供達が集められたのは大きな会議室。
子供達がうずうず待っていますと、若くてきれいなお姉さんが壇上に登場し、
「はい! 寝子小・寝子中の皆さん、こんにちは! 本日は愛光堂に社会見学に来てくれてどうもありがとう! 私は愛光堂で、広報というカプギアの面白さを皆さんに伝える仕事をしている青山といいます、よろしくね。それじゃあ、今日はカプギアやA.I.C.O.のこと、ほかにも色々なことをたくさん勉強して帰ってくださいね!」
と、ヒーローショーさながらに挨拶すれば、パチパチと子供達の元気な拍手が起こります。
「みんな、ありがとう! それじゃあ早速だけど、今からうちの会社の社長さん――アイコーさんに愛光堂のことについて話してもらうね。社長っていっても、全然フツウのおじさんだから、みんな緊張しないでねー!」
弾けるような笑い声に迎えられて壇上にあがったのは、本当にごくフツウのおじさんでした。
「皆さん、今日は我が愛光堂に来てくれて本当にありがとう」
それでも、ひとたびマイクを握れば、そこはさすが社長さん。
子供達も誰もがしんと静まり返り、その静かな語りに耳を傾け始めます。
その日、愛光堂に集まった小・中学生達はいずれもカプギアに対して並々ならぬ想いを抱いている子供達ばかりでした。
ある子はただ新しいギアに触れたくて、またある子はA.I.C.Oのことが聞きたくて、またある子は悪いオトナ達の手からアソビを守りたくて――。
そんなそれぞれの想いを胸に秘めて、さあ、楽しい社会見学の始まりです。
というわけで、前回に引き続き、カプギアのシナリオをお届けします。MSの水月鏡花です。
今回のガイドには、赤羽 勇樹くん、鍋島 奈々美さん、鳳城 翔くんの3人にご登場頂きました。お三方とも、ありがとうございます。もしも今回のシナリオにご参加頂ける場合は、ガイドにとらわれず、自由にアクションをお書きくださいませ。
なおこのシナリオは、小学生、中学生のPC限定シナリオとなります。
(※ほしびとは、【ひと時の外見年齢が小・中学生以下】のPCのみ参加可能)
申し訳ありませんが、該当しない方のご参加はできませんので、お気をつけください。
『カプセルギア』とは?
『携帯戦記カプセルギア』とは、頭や腕、足などを組み替えてカスタマイズできる、
全高10cm程度の小さなロボットのこと!
スマートフォンにインストールした専用アプリで、ラジコンのように自由に動かすことができます。
詳しくは下記の「カプセルギアの遊び方」をご覧ください。
概要
今回の舞台はシーサイドタウンのオフィス街にある愛光堂本社。
三階建ての社屋では、少年少女のような瞳をした大人達が、
日夜楽しいおもちゃづくりのための研究を重ねています。
皆さんはごく普通の小中学生らしく社会見学を楽しんでもいいですし、
ギアマスターとして日頃気になっているあんなことやこんなことを調査してみても構いません。
下記の社会見学のしおり(アクションの書き方)を参考にしつつ、
楽しい社会見学のアクションを執筆してみてください。
なお、今回は社会見学ということで、子供達に人気のあの人も駆けつけてくれるそうですよ。
それでは楽しい社会見学の時間です。
社会見学のしおり(アクションの書き方)
【アクションについて】
今回の社会見学は、寝子小・寝子中の合同で行われるようです。
寝子小生・寝子中生であれば、希望者は学年を問わず誰でも参加できます。
また、見た目が小・中学生のほしびとさんもどさくさに紛れて参加可能です。
見学には、参加者全員で行う見学と、グループに別れて行う見学の二つの見学があります。
アクションには、後述の見学のしおりをご参照のうえ、
【A】【B】【C】のいずれに参加するかを明記して頂くようにお願いします。
(1人のPCが複数のグループ別見学に参加することは不可です)
(別のグループでも、交流する機会は多少あります。が、同じグループの方が交流はしやすいです)
【その他見学の詳細について】
基本的に小学生は小学生、中学生は中学生でグループを組むことになります。
とはいえ、見学場所は同じなので、小・中学生間の交流も充分に可能です。
またギアやスマホの持ち込みも可能です。今回は学校行事ですが、特別に私服参加も可です。
スマホを持っていない子には会社で簡易端末の貸し出しも可能です。
【見学のしおり】
■全体向け
・大会議場(オリエンテーション)
社長のアイコーさんから、会社の創設からカプギアの開発に至るまでのあれやこれ、
会社のこだわりや、求める社員像などが語られます。
これは社会見学の参加者全員が参加します。
さらに映像で各部署の紹介動画が流れた後、グループに別れて、より専門的な見学に参加できます。
■グループ別
【A】オフィス見学
会社の様々な事務を行うオープンなオフィスです。
カプギアやその他の玩具の広告・経営戦略について話が聞けます。
最近、カプセルギアが危険な玩具なのではないかという風評被害に、
広報の青山さんは対応に追われているようです。
社長のアイコーさんや、広報の青山さんから直接話が聞けます。
ユグドラシルの現状について何か話が聞けるかもしれません。
【B】テストバトル場見学
できたてのほやほやの完成したギアのテストバトルを行う場所です。
これまでに見たことのないような新しいギアと戦うことができるかもしれません。
雪人くんは、何か事情があるようで、こちらに強制参加させられるようです。
オリエンテーションで流れた紹介映像では、ノーマルパーツによく似たマスクの端っこが映っていましたが。
【C】ラボ見学
専用のコンピューターを使って、ARエフェクトや特殊効果の計算の判定をしている場所です。
奥にはA.I.C.O.'s ROOMとだけ書かれた部屋があり、A.I.C.O.に関する部屋のようです。
一部の社員のみが持つ専用のカードキーがなければ、A.I.C.O.'s ROOMには入れないようですが……。
A.I.C.O.に関して、何か新しい情報が手に入るかもしれません。
ラボには洋子ちゃんが向かうとのことです。
NPC
・社長
本名は愛光秀光。愛称はアイコーさん。
ほんわかとしたおじさんで、カプギアをとても愛しています。
オリエンテーションで、「カプセルギアは『もうひとりの友達』なんです」と熱い話を聞かせてくれます。
まるで少年のようで、50代とは思えない溌溂さを持っています。
・プロフェッサーK
シルエットでしか姿を知られていない謎の博士。
A.I.C.O.の誕生に深く関わった人物らしいですが、その詳細はまさしく謎に包まれています。
・青山
今年入ったばかりの広報の女性。
最近、ユグドラシルのせいで、カプギアの評判が落ちていて、
対応に追われたりで、苦労しているようです。
ヒーローショーのお姉さんのようなノリで社会見学を盛り上げます。
・雪人
なにやら以前から愛光堂に来たことがある様子。
何らかの理由で、テストバトル場グループに強制的に振り分けられてしまったようです。
・洋子
A.I.C.O.の秘密を知るために、ついに自宅を自力で飛び出した洋子ちゃん。
最初は顔面蒼白で冷や汗だらだらでしたが、お友達と一緒にいるうちに普段の調子を取り戻していきます。
成長しましたね。
ヒーローショーのノリはガン無視でしたが、ラボやプロフェッサーKに関する説明や動画は、
真剣に見聞きしていました。
・CAPGEARE MEIJIN
世界でただ一人のプロのギアバトラー?
最新の愛機、メイジンダー△X(トライエックス)を駆り、
今日もどこかで熱いギアバトルを繰り広げているとのこと。
オリエンテーションからして、ヒーローショーなノリなので、もしかしたらもしかするかもしれません。
皆さんのご参加をお待ちしております。