<月華>あらすじ
七つの大国と、いくつもの小さな国に六つの種族が住まう月華という世界がある。
長い間、月華世界の人々は呪皇・愛憐によって齎された「失恋によって死に、魔物になる」呪いにより苦しめられていた。
しかし縁で結ばれた寝子島の住人達とほしびとたちは次々と現れた呪皇・愛憐に与する『影の貴人』たちの作戦を食い止め、やがて戦争を経て愛憐と対峙。愛憐の想いを浄化し、呪いを終わらせることに成功した。
――月華世界は、呪いから解き放たれたのだ。
――*:*:*:*:*――
戦いが終わった後、月華世界はとても慌ただしかった。
月華世界の脅威であった呪いは解かれた物の、それと同時に呪皇の正体が明らかになった。
――呪皇・愛憐は、神々へと捧げられた贄姫たちの集合体だった。
その真実が、月華世界の人々を混乱させた。
多くの神官たちが息を飲み、住人達もかなり驚いた。故に、各国の王たちは話し合い、二度と贄姫を出さない事を信仰対象である神々や祖霊、そして全ての人々に宣言した。それと同時に過去にささげられた姫君たちへの祈りもより丁寧になったという。
それだけではない。
今まで呪いによって亡くなった後魔物になっていた者たちが、一部ではあるが蘇っていた。どうやら愛憐に施した儀式の副効果のようで、星華が蘇ったのもその影響らしい。
すべての者が蘇ったわけではないし、蘇った者とそうでない物の違いも不明だが、月華世界の人々は、彼らを受け入れた。
魔物によって荒らされた場所の復興も慌ただしく始まり、人々は活気づき、それ故に月華世界は混沌とした熱気に包まれていた。
――*:*:*:*:*――
鈴の音が鳴り響く中、月華世界の主要たる国の皇が全員揃い、神殿で舞う。これは、天で見守る神の頂点、天帝への捧げものであると同時に二度とどんな種類の生贄をも捧げないという決意の舞でもあった。
「とてもきれいな舞ですねっ!」
「すごいな……」
「ふふ、お兄様たちは激務の合間に練習していたのですよ」
「……相当頑張っていたんだろうね」
舞を見ながら感嘆の息を漏らす
椿 美咲紀と
ルーク・ポーラスターに対し、『晴の国』の姫、華夜(かや)が誇らしげに答える。練習する姿を見ていた分、本番の感動も深まっているようで、少しうれし泣きしているようだった。
「これは、どういう意味合いがあるのですか?」
「月華世界の信仰対象である天帝への、捧げものですわ。古来から私たちは供物の他に音楽や舞を奉納していたのです」
美咲紀が興味深そうに訊ねれば、華夜はそういって祭壇を見せる。そこには料理や果物、お菓子や花が並んでいる。
「私たちは、300年前までは荒ぶる神や祖霊を鎮めるべく生贄を捧げていました。けれど、二度と生贄を捧げないと決めたのです」
その決意を神々に伝えるための舞なのだ、と語る華夜の意志は固い。
「へへっ、神さまとか祖霊とかはよく分からないけれど、困ったことがあれば俺は戦うぞ」
「私も、寝子島や星幽塔のみんなも手伝います!」
ルークと美咲紀の言葉に、華夜はそっと、「ありがとう」と伝えるのだった。
今日は、特別なお祭り。
呪いの終わりと戦いの終わりを祝し、寝子島と星幽塔からきた英雄たちへの感謝を表す祭り
『天祝祭』である。
招待された寝子島の住人たちも、ほしびとたちも、月華世界の住人達も、楽しい音楽に合わせて踊る。とても楽しいお祭りだ。
縁日ではおいしそうなご馳走が並ぶだけではなく、民や商人が出す市も並んでいる。食べ物に関しては王族からの振る舞いとなっているのでお金を心配せず楽しめるらしい。
その他にも楽団の演奏会やお芝居もあるようだ。
そんな中、一人荷物をまとめる者がいた。白虎族の少女、星華である。
「旅に、でるのか?」
舞を終え、舞台から降りた白鋼(しろがね)が星華に問う。彼女は白鋼に一礼し、穏やかに言った。
「私は、星幽塔で暮らそうと思います。私は元々30年前に死んだ身。既に親も親類もおりませんから。それに、星幽塔で自分がどれだけやれるか、試してみたいのです」
星華はそういうと、にっこり笑った。
「彼の塔へ行けば、種族の力は使えぬ。その代わりと言っては何だが、星の力を使う事になる。ほしびとという存在になるが故に」
白鋼が過去の書物から得た知識を伝えると、星華は知っていたようで、小さな声で「心得ております」と頷いた。そして、どんな力を使えるようになるのか楽しみだ、とも言った。
祭の後、星華をはじめとする数十名の復活者が星幽塔へと渡る。その際、案内役として冒険者たちの手を借りたい、という依頼も出されたのであった。
菊華です。
この度は椿 美咲紀さんにガイドへ出演して頂きました。
ご参加の際はガイドに関係なく好きなアクションでお楽しみ下さい。
<月華>のエピローグを考えているうちにやりたいことが増え、このように。
シリーズ名は<天穹>です。
フラグが立つとシナリオが派生する可能性がありますので、ぜひ色々試してください。
月華シリーズや星幽塔をご存じでない方も、過去のシナリオを読まなくても大丈夫ですので、
どなたでもお気軽にご参加ください!
概要
今回は、月華世界の復興を祈り呪いと戦争の終わりを祝う『天祝祭』とその後の引っ越しがメインとなります。参加を希望する方は、どちらか1つを選びアクションを書いてください(2つ選ぶと描写が減ります。ご容赦ください)。
1:月華世界のお祭りに参加する
復興祈願と、呪いから解放されたお祝いを兼ねたお祭りです。
縁日や、楽団の演奏会、王族の舞などがあります。
皆で楽しみましょう!
また、星幽塔や寝子島の住人達について月華世界の人々は興味津々なようです。
色々教えてあげるのもいいでしょう。
2:星幽塔へ星華を送り届け……家探し?
お祭りの後、星華をはじめとする星幽塔への移住者を案内します。
月華世界からの門は星幽塔の第一階層に繋がっており、そこから向かいます。
星華たちは新天地にどきどきしています。
可能な範囲で住処を探す手伝いもしていただけると幸いです。
>月華世界について
異世界にある月の世界で、七つの大国と沢山の小国からなります。
そこに暮らすのは以下の種族です。
月華世界の住人
白虎族
戦闘能力に優れた種族。白い虎にもなる事ができます。
白虎の耳と尻尾を生やすか否かはご自由に。
朱雀族
赤い翼で飛ぶことができ、熱や炎を操ることができます。
背中に赤い翼が生えます。
青龍族
雷や重力を操ることができ、角を持ちます。
龍に変化できません。あしからず。
玄武族
結界や水を操ることができ、見た目より頑丈です。
刃物で刺せません。分身たる亀(若しくは鼈)を1体召還できます。
麒麟族
治癒能力を持ち、人によっては運を無意識に操ります。俊足です。
髪が長くなりやすく、角を持つ人もいます。
天狼族
浄化の光を放つことができます。狼にもなる事ができます。
狼の耳と尻尾が生えます。
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>登場NPC
白鋼
神酒の国の王。外見的に20代後半ほど。
白虎族で、今回の儀式の取りまとめ役。
華夜
晴の国の姫。利発的で少しお茶目。
朱雀族で、案内役などを務める。
星華
元影の貴人で、白虎族に戻った。
星幽塔で暮らすことに決め、新天地にわくわくしている。
ルーク・ポーラスター
招待客の一人で、お祭を楽しんでいる。
それでは、皆様のご参加お待ちしております。