「夏ですよ。高杉さん、響さん」
蝉声と入道雲と抜けるような青空の、学校からの帰り道。
才媛であり、
BL同好会主催者でもある
マーガレット・ライカー嬢は、突然振り向き、真顔でこう宣った。
一緒に帰っていた友人、かつ、同好会仲間でもある
高杉 かようと
響 蒼留人はびくっと肩を震わせる。
不吉な気配を感じ取ったからでもある。
「もうすぐ夏のネコミケです。私、
良 い も の が見たいんです」
『良いもの』のところを含みたっぷりに強調して、マーガレットは二人を見た。
「良いものって?」
素で聞き返すかように、マーガレットはこう答える。
「良いものは、良いものです」
にっこり。
上品な笑みを浮かべるマーガレット。
姉のせいで腐女子が苦手だが、同人知識は染みついてしまっている蒼留人はいや~な汗が流れるのを感じる。
「マーガレット、俺は違う」
「違うって、なんです?」
「いや、その……アレだ。アレが、アレで、あーいうのは、違う、っていうか……」
頬を赤らめ、しどろもどろになる蒼留人。
「アレが、アレで、あーいうの、ですね? 探しましょう! 今の私に必要なのはインプットです」
すでにマーガレットの脳内では、かようと蒼留人を包むようにハートマークが見え始めている。
※BL同好会は、ボーイズラブ同好会ではありません。
正式な名称はブリティッシュライフ同好会であり、
イギリスの文化風俗を知ることを目的とするとても真面目で真っ当な同好会です。
マーガレットさんは腐女子でエリザベスのペンネームでBL小説を手掛ける才媛ですが、
ボーイズラブ同好会ではありません。(大事なことなので二度言いました)
マーガレットの声が心の天に届いたのか。
その日、寝子島中に薔薇色の風が吹き荒れた。ほら、あなたにも――。
こんにちは。ゲームマスターを務めさせていただきます笈地 行(おいち あん)です。
BL同好会様、ガイドにご登場いただきありがとうございます。
BL同好会さんはボーイズラブ同好会ではありませんが、
このシナリオは、れっきとしたBL(※ボーイズラブ)大歓迎シナリオです!
舞台は平日、寝子島の中。BL同好会さんや腐女子のみなさんがいろいろ『良いもの』探ししています。
男性諸君は漏れなくBL妄想の餌食にされます。
BL同好会さん以外の方もご参加大歓迎。学校でも浜辺でも帰り道でも、
夏っぽくてBLっぽいシチュエーションならなんでもOKです(雑!)
BLっぽい感じに絡んでみたい男子諸君!
BLっぽいシチュを目撃してハァハァしたい腐女子(&腐男子)諸君!
君たちのパッションを待っている!
また、この日、どういうわけか神魂の影響で、そういう趣味はないはずの人も、
男性は、なぜか勝手にBL的シーンを演じてしまう、なにをやっても傍目にBLっぽく見えてしまう
女性は、やけに男性同士のふれあいがBL的に思えてときめいてしまう
という現象が起こっています。
めっちゃノーマルだぜーってひとも巻き込まれます。ご注意!
ぜんぜんそういう関係じゃないけど、
端から見たら腐女子にきゃっきゃ言われちゃうようなシーンが生まれたら本望です!
エリザベス先生他、夏のネコミケ前修羅場な先生方の薄い本の参考になること間違いなしだ!!
<アクションがあれば次の男性NPCも登場します。
本人と絡んだり、絡んでいるところを目撃したりできます>
●ウォルター・ブラックウッド先生&桐島 義弘先生:寝子高教師。中庭で授業について語り合っています。
放っておくとアヤシイ感じに。個々に絡むのもOKです。
●海原 茂、鷹取 洋二:猫鳴館の先輩・後輩。シーサイドタウン駅前で、久々に会い、話しています。
放っておくとアヤシイ感じに。個々に絡むのもOKです。
●牧 雪人:風の原公園に佇んでいます。本人は全くその気はないが、ショタ枠担当。