ちりりん、と鳴る鈴の音を聞いたことがきっかけだっただろうか。
「これは……何事ですか?」
気づけば
吉住 志桜里は、剣呑な戦場へと放り込まれていた。
あたりには、志桜里と同様にここへ送り込まれたらしい、狐につままれたような顔の人々の姿もある。
周囲を見渡すと、刀に槍、弓を携えた侍たちが、決死の形相で武器を振り回しているのが目に入る。
そして彼らが相手取っている何者かは、一見して人ではなかった。
「……鬼?」
志桜里は目を見張る。
それらは確かに、鬼だった。
人の子ども程度の小鬼に始まり、身の丈を越える中型鬼、ビルのごとくにそびえる巨大な鬼。中には人型ではない、蜘蛛や蛇、鳥のような姿をした異形の鬼もいる。
いずれの頭にも、鋭く突き出た角があった。
「っ」
ぎい、とくぐもった鳴き声を背後に聞き、志桜里は身をかわす。武道で培った技術と経験が活きた。
こちらをめがけて飛びかかってくる小鬼を前に、志桜里の目がすうと細められる。
「どうやらまた、奇妙な現象に巻き込まれてしまったようですね」
言うが早いか、手近に転がっていた、主を失くした一振りの刀を手に取りながら体を交わす。
無数の侍と鬼たちがぶつかりあう合戦場にあって、志桜里の闘争心や意志の強さが今、彼女を一人の侍へと変えていた。
「! これは」
気の持ちようだけではない。
よくよく見れば、学生服姿であったはずの彼女がいつの間にやら、和の趣き溢れる侍衣装を身にまとっているではないか。
静かに、冷静に。
「お望みとあらば、お相手いたします」
突然に訪れた奇怪な状況に臆するどころか、志桜里は刀を正眼に構え、微笑みすら浮かべて見せる。
侍たちは、劣勢だ。ある者は引き裂かれ、ある者は叩きのめされ、陣形は総崩れとなり逃げ出す者すら現れている。
ここへ呼ばれたということは、志桜里らにも何らかの役割があるのだろう。どのみち全てが終わるまで、寝子島へ帰れはすまい。
異邦人の介入は、鬼との合戦に勝利を呼び込むことができるだろうか。
こんにちは、高城ヒトです。よろしくお願いします!
吉住 志桜里さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
寝子島でふと鈴の音を聞いた瞬間に、あなたは突然、異世界へと呼び出されてしまいました。
そこは、人と鬼が激しい戦を繰り広げている世界。あなたは侍となって、鬼との決戦に臨むことになります。
この世界に呼び出されると、あなたの衣装や持ち物は、文字通りの「侍」に変わります。
甲冑、着流し、忍者装束など、和風であればどんな姿になるかは自由です。
武器も日本刀、槍、弓矢、手裏剣など、自由に選べます。
これらは、扱う技術がなくとも達人のように使うことができます。
舞台は鬼たちがはびこる、とある島。
三日月型をしていて、北端に人間の前線基地があり、たくさんの船が停泊しています。
侍たちは健闘しているものの劣勢で、敗北は時間の問題というところです。
島の南端付近には鬼たちの城があり、鬼の大将が居座っています。
大将を討ち取ることができれば、勝利は確実となるでしょう。
どうやら勝負が決するまで、寝子島に戻ることはできないようです。
覚悟を決めて、鬼退治に臨んでください!
鬼について
◆小鬼
無数にいる、子どもほどの大きさの小さな鬼。
俊敏に動き回り、牙や爪で攻撃してきます。
一匹一匹はあまり強くないものの、とにかく数が多いのが厄介です。
◆中鬼
身長2~3メートルはある大きな鬼。
屈強な肉体と、巨大な金棒や薙刀などの武器を扱う程度の知性も持ちます。
周囲の小鬼の群れを統率しており、倒せば敵の連携を乱すことができます。
◆大鬼
小さな山かビルほどの大きさを持つ、規格外の鬼。
とにかく巨大かつタフで、とてつもない破壊力を持ちますが、動きは非常に鈍重です。
島の中~南端付近に数体が確認されています。
◆異形鬼
狛犬のような四つ足の鬼や、大蜘蛛のような鬼、
あるいは翼を持ち空から襲いかかる鳥型の鬼など、獣の特徴を備えた特殊な鬼です。
他にも様々なタイプがいるようです。
◆鬼大将
派手に着飾った、鬼たちを統べる親玉です。
形としては中鬼でありながら、他の鬼たちの数段上の強さを誇ります。
頭も切れる上、口から炎を吐き出す、雷を落とすといった超常能力も持つ難敵です。
アクション
侍となったあなたの衣装、装備について指定してください。
和風であればどんなものでも構いません。
皆さんは侍たちとも共闘しながら、島の北端から進攻し、南端を目指します。
北端付近は小鬼が多く、南端へ近づくにつれて強力な鬼が増えていきます。
小鬼をひたすら斬り捨てる、巨大な鬼に的を絞るなど、戦い方や攻め方を教えてください。
特殊で強力な鬼と一騎打ちを演じる、といったアクションもOK。
ちなみに、あなたが鬼となって、人間たちの前に立ちはだかるというアクションも可能です。
自由に楽しんでください。
備考
ろっこんは自由に使用することができます。
ほしびとは、今回のシナリオに限り、星幽塔での姿・装備そのままで登場することができます。
ただし装備や服装は、なんとなく和風テイストにアレンジされます。
星の力は、「星の力(虹)」のみ使用可能です。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!