「えっと。あれ? ここ、どこ?」
「おやおや。本日のお客様は随分と可愛らしいお客様ですな」
仙藤 蒼は気付くと見知らぬ場所にいた。どうにも奇妙な場所だ。何と言うか曖昧な感じがするのだ。
目の前には旅館の人みたいな恰好をしたお爺さんがいたが、蒼からするとどうにもどことなく胡散臭く感じられる。
「幾つか説明をしておきましょうかな。まず、ここはあなたの夢の中です」
「……夢? あっ」
目の前の老人の言葉により蒼は自らが眠りに付いた事を思い出した。そして、ここが曖昧に感じるのは夢の中だからかと気付く。
「どうやら納得して頂けたようですな。それで私は、そうですな。神の使いといったところですかな」
「神様の使い……。その神様の使いが私に何の用で?」
「神達は娯楽という物に飢えておりましてな。仙藤さんは何でも大のゲーム好きだとか? その腕を見込んでこちらが用意したゲームをプレイして頂きたい。その様子を神達に娯楽として提供するという事ですな」
「ゲーム!?」
ゲームという単語が出て来たとたんに蒼の様子は一変する。相手から感じる不審さが消えたわけではないのだが、ゲーマーとしての血が疼いてしまうのかもしれない。
爛々と輝くその瞳に、説明をしている老人は思った通りとばかりに笑みを浮かべた。
「ゲームと言えども、あなた方の世界にあるテレビゲームでしたかな? あの手の物とは少し違いますぞ」
「どういう風に違うの?」
「そうですなぁ。我々がご用意したのは、言わば仮想現実型のゲームと言えば良いですかな?」
仮想現実型。つまりそれは所謂バーチャルリアリティゲームという事だろうか?
その説明に蒼が首を傾げていると、説明が続けられる。
「例えば、銃を携え敵を撃つガンシューティングというジャンル。普段プレイされているもので使われているのはあくまでも銃を模したコントローラーで、画面の中の敵を撃っておられるでしょうが、こちらでは実際に銃弾が出る銃を握って敵と対峙して頂くことになりますな」
「仮想現実……。そうか、もしかしてここが夢だからって事?」
「その通り。現実ではあなたは本物の銃など扱った事はないでしょうが、今回のゲーム内では歴戦のガンマンのように扱う事が出来るようになっておりますぞ。勿論、命中するかどうかはあなた次第ですがな」
「ふーん。面白そうじゃない!」
「ほっほっほっ。では、こちらの襖の中へどうぞ。ゲームは幾つか用意してあるので、その中からご自由にお選び下され」
老人がそう言って手で指し示した方にはいつの間にか襖が現れていた。
空間に襖だけが存在しているのは中々に奇妙な光景だが、蒼は気にする事もなくそれを開けた。彼女の頭の中は既にゲームの事で一杯なのであろう。
「それではごゆるりとお楽しみを」
こんにちは、昂祈です。
まずは、仙藤 蒼さん。
ガイドに登場して頂きありがとうございました!
もし、参加して頂けるようでしたら、アクションについてはご自由に考えて頂いて大丈夫です!
○概要
今回は夢の中を舞台にしたシナリオになります。
夢の中で何をするかと言えばゲームです!
ゲームと言っても、何とかステーションとか某スイッチだとかを使ったものではありませんし、ゲームセンター的なものでもありません。
夢の中という事を利用した仮想現実風ゲームになります。
どのゲームも個人プレイの他にグループアクションによる協力プレイと対戦プレイが選べます。
個人プレイはゲームを一人でプレイするモード、協力プレイはゲームの内容は変わりませんが複数人でプレイするモード、対戦プレイは同じシステムとステージを使ったプレイヤー同士の対決になり、敵やNPCは出て来ません。
知り合いやお友達と対決したい場合はこちらがお勧めです。
ガイドに書かれている襖の中でゲームとモードの選択する事になるわけですが、そこでゲームによって必要なポイントの割り振り作業や武器の選択等も出来ます。
その作業が終わって準備が出来たら、ゲームスタートと口にしたり念じたりすればゲームがスタートします。
○ゲームの内容
こちらに書かれている内容は個人プレイ、協力プレイの内容になります。
<ゾンビマーチ>
対ゾンビのガンシューティング。
銀の弾丸を装填した銃で、襲い来るゾンビを倒せ!
持っている銃はオートマチックで、リロードの際には腰にあるポーチからマガジンを取り出して換装する。
換装後、ポーチ内のマガジンは自動で補填されているので弾切れの心配はない。
ステージは街中。
敵であるゾンビはそう速くないスピードで真っすぐ向かって来るだけなので落ち着いて対処しよう。
物陰などを上手く使う事も重要だ。
ある程度の敵を倒したら、最後に少し大きいゾンビが出て来るので倒したらクリアだ。
動きそのものは他のゾンビと変わらないが大きいゾンビは力が強いので万が一にも捕まらないようにするのが重要である。
<アタックレーシング>
岩があったり凹凸の激しかったりする砂漠でのレースゲーム。使う車両は4WDタイプ。
1位でゴールに辿り着くのが目的だが、ライバルの車を体当たりして邪魔したりまたは大破させたりする事が出来る。
最初にポイントが20ポイント配布される。
そのポイントをスピード、バランス、ディフェンス、アタックの四項目に自由に割り振ろう。
各項目の意味はスピードは最高速、バランスは凹凸のあるところを走った時や何かにぶつかった時等のバランスや減速具合に影響、ディフェンスは相手に体当たりをされた時に受ける影響の減少、アタックは相手に体当たりをした時に相手に与える影響の増強。
※このゲームでの協力プレイは複数で出来るだけ高い順位を目指す事になりますが、ライバルのNPC達も同じように結託したりするようになります。
<ザ・ブレイド>
剣や槍と言った武器を使った無双アクションゲーム。
最初に剣、槍、斧といった武器の中から使用する武器を選択。
選択する武器は剣、槍、斧といった物から逸脱しない武器であればどのような武器でも選択可能。
例えば刀や青龍偃月刀も選べるし、ハルバードやポールアックス等も選べる。
ステージはだだっ広い草原。
そこで周囲から沢山の黒いマネキンのような敵が襲って来るので撃退しよう!
マネキンの攻撃は近寄ってからのパンチと指からのみである。こいつら1体1体は強くないので、ひたすら薙ぎ倒していこう!
最後は3メートルくらいの石で出来たゴーレムが出現する。
マネキンに比べればかなり硬く、手の平から時折岩を飛ばしてくるので気を付けよう。
動きそのものはマネキンよりも遅いので慎重に立ち回り、攻撃を積み重ねるのだ!
※このゲームではお色気要素の追加が可能です。プレイヤーさんの選択によってマネキンの指から水が出たり、指の尖ってるところで良い感じに服を切り裂いたりしてくるようになります。
<モンスターダンジョン>
魔法使いになって様々な危険のある迷宮を探索するゲーム。
ダンジョン内には様々な罠があったり、モンスターがいたりするのでそれをどうにかして先に進みお宝をゲットしよう!
使える魔法は火、水、風、土の攻撃の魔法、火、水、土、風の防御の魔法、地図の魔法、空を飛ぶ魔法、鍵開錠の魔法となる。
攻撃の魔法は各属性の弾を撃ち出す魔法で、一度の使用で一発撃つ事が可能で、防御の魔法は一度の使用で10秒持続する障壁を張る事が出来る。
地図の魔法はダンジョンの地図を描き出せるが、罠のある場所やモンスターがいる場所を知る事は出来ない。
空を飛ぶ魔法は一度の使用で1分間飛ぶことが出来る。
鍵開錠の魔法は宝箱や扉の鍵を開ける事が出来るが、罠の解除までは出来ない。
これらの魔法は一度使用した後は、1分間再使用する事が出来ないので注意されたし。
因みに攻撃と防御の属性に関しては火→土→風→水→火という相性になっている。例えば土には火が相性良いという事だ。
道中には落とし穴の罠、釣り天井の罠、宝箱の罠が存在する。
これらの罠に対して時間をかけて探索する事で罠が仕掛けられている事を察知する事が出来る。
但し、時間をかければモンスターに襲われる回数が増えるので注意が必要だ。
罠を察知する時間と先に進む優先度。それらのバランスを上手く取る必要があるだろう。
道中で出てくるモンスターはスライム、土蜘蛛、鬼火、ウインドバード(緑色をした1Mくらいの鳥)の四種類。
スライムは水鉄砲と体当たり、土蜘蛛は毒の吐息、鬼火は火の弾、ウインドバードは風の刃で攻撃してくる。
これらのモンスターにはそれぞれ有効な属性があるので、それがどれか見極める事が重要だ。
一度に複数のモンスターが出てくる事はないので、そこは安心してほしい。
※このゲームの対戦モードでは魔法の攻撃と防御を使っての対戦となります。
※このゲームではお色気要素の追加が可能です。プレイヤーさんの選択によって服しか解けない謎の液体を出すスライムとか、女性を狙って縛ろうとする蜘蛛とか、何故か小さい竜巻でパンチラを狙う大鳥が出現します。