「いやー、今日も暑いねぇ」
ぎらぎらと降りそそぐ直射日光に、汗だくの
桜庭 円は思わずぼやいた。肩の上で、子猫のにゃーくんもぐったりしている。
今年は特に暑い日が続く、夏の寝子島でのことだった。
暑いし退屈だし、何か面白いことはないかと思って、外へ出かけた円。
猫又川にかかる橋を渡っていたところで、妙なものを見かけた。
「……なにあれ。
人魚?」
人魚だった。上半身が人間、下半身がサカナのアレだ。
数人の人魚たちが川で水浴びをしていた。男の人魚は筋骨隆々な胸板をさらし、女の人魚は古式ゆかしい貝殻ブラなど身に着けている。
うん、また神魂だね。円はすぐにも悟ったことだろう。
突然現れたファンタジーな光景に、円がぽかんと口を開けて眺めていたら、そんな人魚たちと目が合った。
「去れ、人間! この川はもはや我らのものだ!」
怒られてしまった。
「いやー、でも誰かに見られたら厄介だし、フツウが壊れちゃうしなー。海にでも帰ってもらうわけにいかないかな?」
「立ち去らぬというか! ならば、我が槍にて一突きに貫き、魚のエサにするまでよ!」
鋭い三又槍を突きつけて、大変お怒りだ。
猫又川は間違っても彼らのものではないはずだが、すっかり居座ってしまい、退くつもりはなさそうだ。
幸い今は円の他に目撃者はいないようだが、人通りがないわけでもなし、いずれは誰かに見つかり、騒ぎになってしまうかもしれない。
「うーん。しかたないなー」
寝子島の平穏な日常が壊れてしまうことは、もちろん円だって望まないことだろう。
人魚たちが聞く耳を持つ様子はない。少しばかり、手荒い手段を講じる必要がありそうだ。
「痛い目見てもしらないよー?」
水際の攻防が始まった。
そして……人魚だけではない。今日の寝子島ではどうやら、あちこちで奇妙な生き物が目撃されているらしい。
ねこったーを見れば、複数の噂がタイムラインを駆け巡っているのが分かる。
寝子温泉では、お湯がいわゆる
スライムのように動き出し、利用客を襲っているという。
今朝方に寝子ヶ浜海岸へ上陸したのは、鯨のように大きな
ワニだそうだ。
もちろんこの事態を収拾すべく、立ち上がる者たちもいることだろう。
彼らは無事、我らが寝子島のフツウを守り切ることができるだろうか?
こんにちは、よろしくお願いします!
桜庭 円さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
あつーい夏のとある日。
神魂がまたしても、不思議な生物たちを寝子島へと呼び寄せてしまいました。
ガイドに登場した人魚だけでなく、主に水場へ、奇妙なものが出現しているようです。
不思議生物が一般人の目に触れれば、あっという間に話題になり、フツウが壊れてしまうことでしょう。
適度にボコって強制的にお帰りいただくもよし。
完膚なきまでにやっつけてしまうもよし。
とにかく、なんとかしてください!
アクション
以下のA~Cのうち、戦いたい相手を一つだけ選んでください。
【A】猫又川:人魚
文字通りの人魚。海からやってきたようです。
男女数名が、猫又川で水浴びをしています。
人が近づくと威嚇し、水に踏み込もうとすれば襲いかかってきます。
男の人魚は三又槍を持ち、女の人魚は催眠効果のある歌で眠らせてきます
彼らはいずれも頑固な性格で、いきなりの説得は難しいと思ってください。
なお、場所はJ-7付近になります。
【B】寝子温泉:温泉スライム
温泉のお湯がゼリー状に固まったような、高さ二メートル程度のスライム。
攻撃を加えると、一体が二体に、二体が四体にと分裂して増えていきますが、
分裂のたびにどんどん小さくなっていき、いずれは消えてしまうでしょう。
粘性のどろどろした液体を吐きかけてきます。
液体を浴びると、身に着けているものが溶けてしまいます。
【C】寝子ヶ浜海岸:ウミゲーター
海からやってきた、鯨ほどの大きさの巨大ワニ。
とにかく大きく、鈍く、強固な身体を持ち、じりじりと寝子島へ上陸してきます。
あまり進む速度は速くないものの、装甲版のような鱗の下へダメージを与えるのは至難のワザです。
ちょっとやそっとの攻撃では無視されるか、丸のみにされるか、尻尾で薙ぎ払われてしまうでしょう。
備考
どなたでも参加できます。
バトルが苦手のPCも、武闘派じゃないとしても、工夫次第で活躍することができます。
ろっこんは自由に使用することができます。
ほしびとは、今回に限り、寝子島へ星幽塔の装備を持ち込むことができます。
また、星の力は『星の力(虹)』のみ使用することができますが、
いずれも人に見られないよう注意したほうが良いでしょう。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!