――第十一階層――
雪と共に生きる遊牧民達の間には、こんな言い伝えがある。
まだこの星幽塔ができたばかりのころ。
一人のほしびとが、錬金術とやらで作った黄金の林檎をこの地に植えた。
そして、それは瞬く間に芽吹きやがて一本の木になった。
だが、その林檎の木はなかなか芽吹かなかった。
それがようやく1つの黄金の林檎を実らせたのは芽吹いてから100年後。
それから、100年に1度黄金の林檎を1つだけ実らせた。
「言い伝えがほんとかどうかは、分かんないっすけどね~……ともかく、その黄金の林檎が実るのが、今年っす」
そう言ったのはふたご座のアステリズム、
ジェリコ・神威。彼は集まった冒険者達にいつも通り楽し気な調子で言った。
「これは、遊牧民の皆からのお誘いでもあるっす。100年に一度、1つだけ実る金のリンゴめがけて走っていき、一番に村へ持って帰ってきた人が優勝っす! 単純明快なルールっしょ?」
と人差し指をたててにっ、と笑うが、大雑把すぎるルール説明に、集まった冒険者たちの中には「本当にそれだけか?」と戸惑う者もいるようだ。
スタート地点から、まず金のリンゴが実った木(事前に村人が調査し、目印に白い旗を結び付けている)まで走り、どのような方法でもいいのでリンゴを収穫する。
黄金のリンゴを村に持ち帰れば、その後100年は村の豊穣が約束されるのだという。
話はここからである。
収穫した金のリンゴを手にして持ち帰った者と、見事な走りを見せた者には、村から特別な報奨が出されるのだ。
リンゴは100年間決して腐ることなく、潤沢に内包する星の力を、周囲の物品に分け与え続ける性質がある。
前回に収穫された黄金のリンゴもまた、多くの品々とともに長く保管されていた。
リンゴを手にした者は、それらの物品の中から好きなものを選び、譲り受けることができるのだ。
リンゴの星の力を浴びて育まれた報奨品の中には、素晴らしい切れ味の名剣もあるだろう。驚くべき堅牢さを誇る盾や鎧もあるだろう。他にない不思議なアイテムだってあるかもしれない。
集まった冒険者たちの目的は、それなのだ。
「なーる。分かったぜ! 金のリンゴを奪ったり、奪われないように守りながら、ゴールの村まで走ればいいってわけだ。つまりこいつは、レースだな!」
楢木 春彦の言葉に、全員の眼が光った。
幼い頃からモトクロスに親しんできたからか、競争と聞いて俄然盛り上がる春彦。
「ま、100年に一度のお祭りみたいなものっすね。
興味がある人は参加してみてはどーっすかね? 参加するだけでもメテオカリブーのスープをごちそうしてもらえるみたいだし、お得感ありげっぽいし?」
神威はそれだけいうと、「会場で待ってるっす」と言い残し村へ向かうのだった。
――金のリンゴを見事村へと持ち帰り、希少な報酬を得るのは、果たして誰だろうか?
「やってやるぜー!!」
菊華です。
今回は雪の世界で黄金……の林檎の奪い合い!!
めでたい金のリンゴをゲットして、賞品もゲットしちゃいましょう!
楢木 春彦さん、ガイドへの出演ありがとうございます。
概要
星幽塔第十一階層の奥には100年に一度「黄金の林檎」が実る木があります。
それもたった1つだけ。
黄金の林檎を手にした村は、その後100年は豊穣を約束されるのだとか。
故に、これを村へ持ち帰ったものは『幸を運んだ英雄』と言われています。
そこから派生し、今ではちょっとしたイベントに!
あなたも、金のリンゴ争奪戦に参加してみませんか?
アクション
>黄金の林檎
100年に1度、1つだけ実る謎のリンゴです。
村のそばに広がる森の中に一本だけ、黄金の林檎がなるリンゴの木があります。
大きさは普通のリンゴより2回りほど大きく、甘い香りがします。
100年間かけて、周囲の品にじっくりと星の力を分け与えて、
強力なアイテムに育てる力を持っているようです。
実を採った直後は皮が硬く食べられませんが、100年経つとようやく熟成し、
食べられるようになります。味は得も言われぬ絶品なのだとか。
新しいリンゴを採ってきたら、前回のリンゴは切り分けて、
村の人々と参加者たちでひと口ずつ食べるのがならわしです。
>競技のルール説明
・村から目印のついた木まで行き、金のリンゴをとる。
リンゴを取る方法は自由。
・リンゴを収穫後、村へ戻る。
ただし、持っている者から奪い取ってもよい。
妨害行為もアリだが、武器や星の力による直接的な攻撃は禁止。
・村にいる動物を借りたり、カリブーや橇に乗ってはいけない。
ただし騎士の光で呼び出した生き物や森で調教したモンスターに騎乗し参加するのはOK。
この三つになります。
>報酬について
黄金の林檎が育んだアイテムを選び、ゲットすることができます。
見事黄金のリンゴを持ち帰ることができた者は二つ、
着順が上位で力走を見せた者は一つ、アイテムを選べます。
アクションには、欲しい報酬アイテムのジャンルを、第二希望までお書きください。
例)第一希望:剣
第二希望:盾
武器や防具以外にも、雑貨品などでも構いません。
どんなアイテムがあるか、どんなアイテムがもらえるかは、分かりません。
特にジャンルの指定がない場合は、マスターがランダムで決定します。
なお参加者は、メテオカリブーのスープを無償でいただけます。
>>コースについて
村から金のリンゴまでは北へおよそ5キロ。しかもなだらかな上り坂になっています。
村から2キロ進んだあたりから森の入り口となっており、少し薄暗くなっています。
村周辺は雪が踏み固められているためやや滑りやすい程度ですが、
金のリンゴが実っている木の周辺は大人のひざ下5センチぐらいまで雪が積もっています。
森には雪や氷にまつわるモンスター(獣、鳥、小型竜、氷の精霊など)が棲んでおり、
侵入者には攻撃をしかけてきます。やっつけたり無効化するなりで突破してください。
空を飛んでも構いませんが、森の入り口付近は木が邪魔で飛びづらい状態ですのでお気をつけて。
NPCについて
以下のNPCと交流可能です。
★ジェリコ・神威
争奪戦には参加しません。
みんなにメテオカリブーのスープを振る舞ったり、報酬を渡してくれたりします。
★ルーク・ポーラスター
★フォルカ・ヴィクスン
争奪戦に参加します。
気合十分。黄金の林檎をゲットする気まんまんです。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
それでは、お待ちしております。