『望春。起きてください。望春……』
「うん……?」
頭の中へ響く声に呼ばれて目を覚ますなり、
花厳 望春は驚いた。
目の前に、見たこともない光景が広がっていたからだ。
「……ここどこーーー!?」
『ここは私の作り出した異空間です。私は戦いを司る女神。様々な異世界から屈強な戦士を集めて戦わせるのが私の趣味なのです』
奇怪な状況のはずが、一行で説明されてしまった。
望春の周りには、同じようにこの場へ連れてこられたらしい、状況もよく分かっていないひとやもれいび、ほしびとたちが目をしばたかせている。
望春があたりを見回すと、なるほど。そこはどうやら、コロッセウムのようだ。精緻なレリーフを刻まれた美しい大理石の壁が、ぐるりと周囲を取り囲んでいる。
円形の闘技場は200平方メートル程度の広さがあり、四方に配置された檻の中には、どこかの神話伝承で見たような恐ろしげな怪物たちが閉じ込められている。あれらが対戦相手ということだろうか。
「勘弁してほしいなぁ……」
壁の上は観客席となっていて、多くのギャラリーが闘いの開始を今か今かと待ちわびているが、彼らの中にはおよそ人とは思えない容姿の者たちが混ざりこんでいる。
もっとも高く豪奢な席には、当の女神とやらと思われる人当たりの良さそうな美女が、こちらへにこやかに手を振っていた。
『さて、そろそろ状況はお分かりですね? ネコジマからの挑戦者である皆さんには、この神獣たちと戦っていただきます』
「やっぱり……」
寝子島や星幽塔での様々な冒険のおかげか、望春にもそんな展開は予想の範疇であるものの、あんなものと望んで戦いたくはない。
『神獣とはその名のとおり、神々の下僕。ここにおわす観客たち、即ち神々の騎獣でもあり、皆さんにとっては恐ろしい相手となるでしょう……頑張って戦って、せいぜい私と神々を楽しませてくださいね♪』
軽い口調でハードな要求をしてくれる。女神とはいえなかなかの腹黒さだ。
ラッパの音が高らかに鳴り響き、檻から怪物たちが解き放たれる。
「……やるしかないか!」
やる気はなくとも、痛い目を見たくなければ戦うしかないようだ。
空気まで震わすような咆哮を聞きながら、望春は身構えた。
こんにちは、昂祈です。
まずは花厳 望春さん、ガイドに出演して頂きありがとうございました。
今回は今までとは少し違うジャンルに挑戦をしてみようという事でバトル物になります!
概要
あなたは、異世界の神々が人間と怪物の闘いを観戦して楽しむための、コロッセウムに召喚されてしまいました。
寝子島に戻るためには、神話に語られる恐ろしい怪物を撃退し、観客である神々を満足させなければなりません。
ただ怪物を倒すだけでなく、戦いには華がなければ、神々は満足してはくれません。
以下のような戦いは、神々の機嫌を損ねてしまうかもしれません。
・情けない戦い(ひたすら逃げる、隠れるなど)
・一方的すぎる戦い(手も足も出ない、圧倒的パワーで速攻勝利など)
神々は正々堂々と挑む姿や、かつ拮抗した戦いを好みます。
とはいえ、奇抜な戦いや変わったパフォーマンスなどで興味を惹くこともできるかもしれません。
コロッセウムのあちこちには、神々が鍛えた武器が落ちています。
・神剣:光の刃を放つ
・神槍:投げても戻ってくる
・神弓:どこに撃っても標的に当たる
・神盾:バリアを展開する
これらは誰でも自由に使えます。活用してみるのも良いでしょう。
神々が満足してくれないと、神罰が下って、寝子島がとんでもないことになってしまうかもしれません。
頑張ってください!
神獣
以下の中から、あなたが挑む『神獣』を選んでください。
○A:キマイラ
ライオンの頭、ヤギの胴、毒蛇の尾を持つ怪物。
非常にタフで、口から炎の息を吐く。
○B:ニーズヘグ
翼を持つ巨大な蛇。
短時間ながら空を飛ぶことができ、身体からは常に猛毒の毒液が染み出している。
○C:スキュラ
上半身は美しい女性、下半身は六頭の犬によって構成される怪物。
どこからともなく大津波を呼び起こす。
備考
・ひと、もれいびは武器などを持ち込むこともできます。
・ほしびとのPCは、星幽塔と同じ姿や装備で登場することができます。
星の力は、『星の力(虹)』のみ使うことができます。
それでは皆様、是非ともお気軽にご参加くださいませ!