日曜日の昼下がり、寝子島シーサイドタウン駅の周辺は人々で賑わっていた。
ドレッドヘアの路上ミュージシャンがギターを奏でる。移動販売のワゴン車は路肩に停まってサンドイッチを売っていた。
噴水の近くに陣取ったのは銀髪の青年、油屋銀であった。白地の半被の背中には黒い丸で囲まれた銀の一文字が記されていた。
銀はディレクターズチェアに座り、両腕を大袈裟に広げる。行き交う人々に向かって良く通る声で口上を切り出した。
「皆様の前にふらりと現れ、お値打ち価格の商品をさらりと売り捌く。さすらう販売人、油屋銀でございます」
幾つかの目が声に反応した。銀は手前の風呂敷に置かれた紙箱をひょいと掴み上げた。
「今回の商品はアロマキャンドルになります。ただの香り高いロウソクではありません」
言葉を区切って周囲の反応を窺う。若い男女のカップルが足を止めた。他には疲れた表情の女性がそれとなく聞き耳を立てていた。
「安眠が約束された上に夢まで見られるという優れ物」
「それ、本当なの?」
横手からの声であった。パンツルックの女性が半笑いの状態でしゃがみ込む。ずらりと並べられた紙箱に疑いの目を向けた。
「もちろんです。効果が無ければ返金にも応じますよ。電話番号は紙箱をご覧ください」
「ふーん、あるみたいね」
女性は紙箱を手に取って確かめる。遠巻きに見ていた人々が商品の前に集まってきた。
「夢には悪夢も入っているんだけど、どんな感じの夢が見れるのかな」
「お客様の運によって決まります。運試しにお一つ、いかがですか。お代はたったのワンコイン、五百円とお求め安くなっています」
「惜しむ値段じゃないし、一つ貰うわ」
持っていた紙箱を銀に差し出した。それが呼び水となって人々がアロマキャンドルを買い求めた。
「お買い上げ、ありがとうございます」
最後の一人を見送ると銀は糸目になって微笑んだ。
「狐につままれた気分を楽しめますよ」
今回は不思議なアロマキャンドルの話になります。
安眠保証の他に夢までセットで付いてくる、まさに夢のような商品になります!
まあ、その中には悪夢も含まれているので安心はできません。PCさんの強運でグイッと引き寄せてください。
運と言えば定番のダイスですよね。早速ですが詳しい説明に入りたいと思います。
@@ 今回の判定 @@
・コメントページの最初の書き込みで出た左右のダイス目で判断する。
左のダイス目(夢の内容)
1:夢の内容を自由に決められる(食べ放題、ゲーム三昧、豪遊の旅など)。
2:延々と戦う夢を見る(受験戦争、素手による喧嘩、星幽塔の戦いなど)。
3:苦手なことをさせられる(料理作り、マラソン、山登りや沢登りなど)。
4:慣れないバイトに勤しむ(工事現場、ビラ配り、店での楽器演奏など)。
5:異性に好かれる(蠱惑的な女性に迫られる、男性から熱烈な告白など)。
6:のんびりとできる(温泉を楽しむ、自宅で過ごす、思い出に浸るなど)。
※1が出た場合、右のダイス目の判定を無視できる。
右のダイス目(度合い)
1~6:数字の大きさによって影響力が強まる。
@@ NPC @@
妖術に長けた狐。人前では人間の男性に化けている。
銀色の髪に細い目が特徴。見た目は若く、十代後半から二十代前半程度。
細身の身体で身長は百八十に近い。油屋 銀(あぶらや ぎん)を名乗っている。
説明は以上になります。
銀さんは通算で三回目の登場となりました。
人間と悪戯をこよなく愛する好人物(?)です。
過去のシナリオは財布が落ちている!?と小さな夢を抱いての二作になります。
銀さんは記憶力が良い方なので、出会った人達のことを覚えています。
商売そっちのけで話が弾むこともあるかもしれません(アクションに書いてあればですが)。
人好きなので新しい出会いも求めています。いつでもカモーン状態です。
あとは皆さんの運次第。銀さんが喜びそうなダイス目が出るでしょうか。
夢のアロマキャンドル、あなたもお一ついかがですか(ご参加、お待ちしています)。