「いらっしゃい!」
花屋のおじさんの陽気な声に、客として来た大学生の佐野 杏子(さの きょうこ)の口許も自然と緩んだ。
この花屋はシーサイドタウンにある花屋で、おじさんと杏子は幼い頃から知っている親しい仲だ。
「おじさん、チューリップフェアって?」
そういって杏子が指差したのは、店先にたててある一枚の看板だった。
「ん? あぁ、チューリップフェアね。一本チューリップを買うと、猫型の便箋がついてくるんだよ」
「便箋、ですか?」
不思議そうに首を傾げる杏子に、おじさんは優しく笑んだ。
「大切な人への想いをこの便箋に綴って、チューリップを添えて渡すと良いよ」
「大切な人……」
杏子の脳裏にある一人の男性の面影が閃いた。
そんな杏子の表情を見つめながら、おじさんはニヤリと笑った。
「杏子ちゃんにも良い人がいるんじゃないのかい?」
「えっ!? い、いませんよ!!」
頬を赤く染めつつ、杏子は図星を指されたことに大いに動揺した。
……とはいえ、何だかんだ言いつつも黄色いチューリップを購入する杏子。
(大切な人、か……)
杏子は便箋に綴るメッセージに頭を悩ませながら、心地良い暖かさのなか帰路へと歩を進めたのであった。
シーサイドタウンにある小さな花屋でチューリップフェアが開催されます!
・チューリップの色は赤、白、黄、ピンク、紫、黒から選べます。
・猫柄の便箋は茶トラ、きじトラ、白、白黒、三毛から選べます。
恋人や親友はもちろん、クラスメイトや同僚や家族など誰にでも、普段言えない気持ちを添えてチューリップを渡しましょう!
なお、メッセージは実際に渡せなくてもOKです。どんな形であれチューリップフェアに関わればOKです。
NPCについて
佐野 杏子、嶺 新太
木天蓼大学文学部の二年生。幼馴染。両思いだがお互い片想いだと思い込んでいる。
希望があればリアクションにも登場します。