それはよく晴れた日。
前夜の雨の名残りは、木々に光る雫と足元の水たまり。
いつも通り、もしくは気分で、道行く先にあった水たまりの一つを避けること無く、靴底と水面を密着させ体重をかけた。
太陽光を反射した水の下に覗くアスファルトの地面が、すぐに感触として訪れる……はずだった。
とっぷん!
突如体のバランスを失い、水たまりの中へ成す術なく落ちて行く。
そうして次に訪れたのは不思議な浮遊感。
どこかに着地する感覚は無く咄嗟に閉じた瞳を恐る恐る開けば、視界に映るは先程の水たまりの裏側と思える水面で。
他は真っ暗闇が広がっている周囲に気付くと、目の前に唯一、ぽっかりと光が浮かんだようなその水面に自然と視線は集中していった。
視線を注いだ時、水面が揺れる。
向こう側の澄んだ青空を見上げる形となっていたのが、青に次々違う色が混ざっていったと思うと、人の姿を映し出した。
それは見覚えのある人物。否、知らないはずは無い人物。
そう、『自分』だった。
葉利沢 倫理子は、まじまじと水面の向こうの自信の姿を追う。
これが私……? そんなはずはない。
何故なら彼女は、はつらつとした表情と笑顔を浮かべていたから。
友人と思われる人たちに囲まれて、楽しそうにおしゃべりをし、授業を受け、積極的に質問をしている。
これは……『あの日』が訪れなかったもしもの世界だろうか……
それとも、全ての闇を取り払い乗り越えた未来の姿なのだろうか……。
それこそあり得ない事だと、倫理子は眩しい物に蓋をするかのように、瞼を閉じた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「これ、俺……か?」
きょとんとアイスブルーの瞳を丸くし、
双葉 由貴は水に映る自身を眺める。
確かに自分の姿だとは思う。思うけれど……
なんだか少し背が伸びているような。
隣りを歩く彼女より、大分……理想的な身長差なような。
遊びに行く先を決め、スマートに手を繋ぎ、そんな自分の隣りにいるあのコは絶えず笑顔で。
いつだって、あんなふうに大人びて、格好良くありたいと願っていたまるで理想像な自分。
―― 新学年になった自分の、あと数か月先の出来事ならいいのに……。
水面はただただ揺れる。まるで儚く消える夢の姿のように。
時が過ぎれば、再び水たまりに吸い込まれ地に足をつけていることだろう。
いくらでも寝れて、いくらでも執筆する時間あって、
寝子島のような楽しく時にシビアな日常且つファンタジーな所で充実して生きたい!!
願望というか欲望というか煩悩まみれな、お世話になっております蒼色クレヨンです☆
ご拝読ありがとうございますっ。
ガイドにご登場頂いた葉利沢 倫理子様、双葉 由貴様におかれましては、もしもご参加頂ける場合
本文華麗にスルーしてどうぞお好きにアクションを練って下さいませ。
◆映るは意識の奥底で望んだ事のある姿
常に『こうありたい』と理想としている姿に始まり、
一瞬でも『ああだったら……』と無意識的に思ってしまった姿や
こうなっては駄目だと思うのに、いっそこうなってしまえたら楽……、と葛藤する姿など
心の奥で一度でも望んだ事のある自身の姿が客観的に映ります。
取り巻く環境も、願望の自分に合わされているので、現実の関係と違っている部分もあるかもしれません。
◆見つめ思う事は……
ただ見ているしか出来ない状況で、何を思うでしょうか。
・具体的に視覚で捉えたことで、今以上に目標の自分として奮起する糧にするか
・あんな自分が羨ましい……妬ましい……絶対不可能なのに……、と心の闇への更なる誘いになるか
・違うあれは自分じゃないああはならない! と反面教師にし葛藤するか
全ては貴方次第の、幾重にも連なった未来への道、ほんの一つの可能性の姿 ――
◆アクションにおいて
不思議水たまりにはまる瞬間から練って頂いても、
すでに水たまりの中からスタートしても、どちらでも構いません。
願望としてどんな自分の姿・環境が映るか。それを見てどう思うか等をお書き下さい。
ちなみに水たまりから現実に戻ってきた場合、はまった場所に着地するような形になり
全 身 グ ッ シ ョ リ に な っ て い ま す 。
おいおいそこはセオリーとして
『あら不思議っ、水の中に落ちたようなのに体は濡れてない!☆』が普通じゃないのか!?
なんと残念な現象でしょう酷い水たまりデスネ。
なので、自分の姿を見るに堪えなくてとっとと抜け出た方は、がっくりな濡れっぷりに重点をおいて練って頂いても勿論可。
(※ただし、多くの事に重点を置くと1つ1つの行動描写が薄くなる可能性がございますので、
その点はご注意&ご了承下さい)
<ご注意>
・GA以外は、完全個別描写となります。
・ご自身のアクションの中で、既存のキャラ様が環境の中にご登場される場合、
そしてそれがGAで無い場合は、その中でのご自身以外のキャラ様はぼかされて曖昧に描写となります。
(ただし、お名前を書いておいて頂ければ描写する際の特徴などは参考に致します。
また、NPCは願望姿に登場する場合のみ、確定・希望アクションに沿って描写可)
・GAを組まれた場合、同じ水たまりに落ちる形となり、願望姿を共に落ちた人間と共有して見ることが可能。
OK例1:3人で同じ水たまりにはまる ⇒ 内1人の理想姿を3人で見る ⇒ 見られてるオレ羞恥プレイじゃね!?
OK例2:3人で同じ水たまりにはまる ⇒ モテない同盟組んでいた3人が、学校のモテ王子3人衆化して女子に囲まれている ⇒ 3人で大喜び(後現実に戻りがっくり)
NG例:3人で同じ水たまりにはまる ⇒ 各自バラバラな環境の理想姿が、一人ずつ順番に映って全員分のを見る
※水たまり1つにつき=一場面、という扱いの為。
お人によって、シリアスにもほんわかにもコメディにも転がると思われます。
どうぞキャラ様らしく、新学年や新生活における新たな変化の切っ掛けにでもして頂ければ幸いです。
それでは、お会い出来るのを楽しみにお待ちしております☆ 蒼色クレヨンでした♪