とある学生は、お昼にペペロンチーノを食べながら思いました。
(退屈だ……ペペロンチーノを食べていないどこかへ行きたい。いやペペロンチーノは関係ない。俺は学生の今だからこそ! 今だからこそできる何かがやりたい!)
とある桜餅工場のパートは思いました。
(このまま毎日毎日桜餅を作っていても私の未来には絶望しかない。転職よ! 転職をして桜餅から抜け出すのよ!)
とある実家暮らしの大学生は思いました。
(一人暮らししたい……。ねこ飼いたい。デザイナーになりたい)
「一人暮らしですか~。そして猫ですか~」
小鳥カフェ&ホテル『TABE=TYA=DAME』の事務所で、森宮 檎郎の話に、
小鳥遊 風羽はにこにこと言いました。ちなみに、転職の相談ではありません。夢を少しばかり話しただけです。
「すみません! でも俺、猫も好きなんです!」
風羽の笑顔に何か怖いものが見えた気がしたが、檎郎は堂々と宣言しました。
「いいじゃないですか、猫。私も好きなんですよ~」
「へ?」
「うちの子を食べなきゃ可愛いですよ~。実家で、猫を飼うのを反対されているんですか?」
「いえ、特には……」
「じゃあ、これから猫探しに行きましょう~。一人暮らしは難しいですけど、猫なら飼えますよね?」
風羽はそう言うと、席を立ちました。
「あ、あの……」
彼女の肩には、ボタンインコのぼたもちが乗ったままです。
事務所を出ていく風羽を、檎郎はあわてて追いかけます。
――デザイナーの夢については一切触れられなかったことに気づかないまま。
こんにちは。沢樹です。
今回も、タイトル通りのシナリオです。
キャラクターが今、一番やりたいことならなんでもかまいません。
特にやりたいことないなあ……という場合は猫探しにつきあってくださるというのもありですが。
また、自分自身にやりたいことがなくても、友だちのやりたいことを手伝ったりしてもいいですし、
GAを組んで、あえて邪魔してみるというのもOKです。
それでは、よろしくお願いいたします。