春休み中の校舎内は、常よりは幾らもひっそりとしている。
だから、
五十嵐 尚輝のぼそぼそと不明瞭な声も、今日は確かにあなたの耳に届いた。
「星を、見に行きませんか? 場所は……九夜山がいいでしょうか」
はっきりと聞き取ること叶ってなお聞き返したくなるような、唐突な誘い。
相手の戸惑いには気付かない様子で、五十嵐はぽつぽつと続ける。
「僕は、星には明るくないので本当に見に行くだけなんですが……」
持参してもらうのは構わないが、望遠鏡の類もないという。
目的は、ただ、星を眺めること。
「……ああ、たき火くらいは起こすつもりです」
星空の下、コーヒーやココアで身体を温めたり、マシュマロを炙ったり。
或いは、野外でカップ麺を食べるというのも中々面白いものだと五十嵐は言った。
「学生時代の知り合いの受け売りですけど。あとは……」
怪談、オカルト、ファンタジー。
現代の科学では証明できない類の不思議な話も、星空の下では真実めいて聞こえた。
そんな具合のことを独り言らしく呟き、五十嵐はひとり得心したように顎に手を宛がう。
ややあって五十嵐は、ほんの少しだけ口元を和らげた。
「まあ、つまりは、懐かしくなったんです。必要な物は、僕の方で準備しますので」
だからよければと、見ようによっては面映ゆそうに、五十嵐は僅かに首を傾ける。
――もし気乗りしたならば、防寒具ととっておきの不思議な話を携えて、ひと時の星見へ。
お世話になっております、巴めろと申します。
このページを開いてくださってありがとうございます!
『せんせいといっしょ』シリーズの五十嵐先生編を担当させていただきます。
五十嵐先生と縁があっても、なくっても、寝子高生でも、そうでなくても。
九夜山で星見、いかがでしょうか。
以下、シナリオの詳細でございます。
このシナリオの概要
五十嵐先生(プロフィールはこちら!)と一緒に、夜の九夜山で星見を楽しみましょう。
五十嵐先生は星に詳しくなく、ただぼんやりと星空を眺めるつもりのようですが、
道具を持ち込んで本格的な天体観測! などのアクションも勿論OKです。
また、五十嵐先生がたき火の許可を取ってくれている他、
コーヒー、ココア、マシュマロ、各種カップ麺と、それらを飲食する為に必要な道具も準備済みなので、
星を見ながら、上述の食べ物・飲み物を存分に楽しむこともできます。
また、基本的には持ち込みも大丈夫です。集まれ食いしんぼう!
なお、必須ではありませんが、不思議な話(どんな不思議でも構いません。何でもどうぞ)の持ち寄りも歓迎です。
・春休みの学校を訪れて五十嵐先生に声を掛けられた
・偶然九夜山で出会って、行動を共に
などなど、お好みのシチュエーションでご参加くださいませ。
それでは、ご縁がありましたら、何卒よろしくお願いいたします!