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猫鳴館、笑うべからず黒猫の狂嵐
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我々は、何故黒猫に追いかけられながら猫鳴館内を逃げているのか。
説明しよう。それは三月頭のある日のこと。
卒業を前にした海原 茂元自治会長が、「三年生が寮を引き払うのを前に大掃除をするから手の空いている寮生は手伝うように」と言ったのがはじまりだった。ヒマを持て余していた寮生の幾人かが、呼びかけに応じて掃除を手伝いはじめたが、結局そこは猫鳴館。次から次へと奇人変人の先輩たちの残した遺産が見つかるわ、へんな通路は見つかるわ、海原先輩の愛読書「おちこぼれ姫」シリーズは見つかるわ……。
「うひょーこれはすごいのだもっと探すのだ！」
「面白すぎるぜぎゃっはっは！」
――つまり、である。
うっかり漫画を読み始めたり、うっかり掃除より楽しいことを見つけちゃったり、という、大掃除あるあるな罠に、ほとんどの寮生が落ちてしまったのである。
「お・ま・え・た・ち……」
茂は静かに眼鏡の蔦を押し上げると、次の瞬間、オーディンのように声を轟かせ激怒した。
「しっかり掃除しろ！ 掃除が終わるまで笑うべからず！
さぼったり笑ったりしているヤツは黒猫サンがお仕置きだ！」
誰も笑わなければ、粛々と掃除が済むと思ったのだろうか。否、海原先輩もわかっていたはずだ。
そんなお仕置きがあるからと言って殊勝に掃除に勤しむような猫鳴館生では……
「ないのである、マル」
「士ちゃん誰に向かって解説してるのだ？」
「ん、気にするな。あと、言っとくが、後木が話しかけてるのは俺の本体じゃない」
喋りながら廊下を疾走しているのは前自治会長の邪衣 士と、猫鳴館に褌を広めた張本人、後木 真央。
後ろから追いかけてくるのは猫鳴館のモチーフでもあるいかれた黒猫サンの着ぐるみ。
中の人が誰かは不明だが、えらく楽しそうに巨大なハリセンを振り上げている。
「後木、あそこに雑巾が落ちている！ 拾って窓を拭くふりをするんだ！ 絶対笑うな！」
「ラジャーなのだ！」
ふたりはひとつの雑巾を二人で拾い上げると、いっしょに窓を拭くふりをした。
近づいてきた黒猫サンは二人がボロを出さないかと、廊下を行ったり来たりする。
『掃除をしているヤツは襲わない。笑ってないヤツは襲わない。それが黒猫サンのルールだ』
黒猫サンは親切に説明してくれる。
『だが、さぼったり笑ったりしてるヤツを見かけたら容赦しない。楽しい罰が待ってるぜ！？』
「俺たちはちゃんと掃除をしている。さっさと他のターゲットを見つけるんだな」
士に追い払われ、黒猫サンは残念そうにその場を立ち去った。
「ぷはー……行ったのだ？」
「行ったな」
「笑っちゃいけないと言われると笑いたくなるのだ。それに掃除してると歴代の先輩が残したヘンなものがいっぱい出てきて気になっちゃうのだ」
そのとき、去ったはずの黒猫さんがひょいっと角から顔を出した。
「まだいた！？」
真央はぎゅっと笑いを堪えてせっせと手を動かす。
誰も笑わないしさぼってもいないので、黒猫さんは『ち』と舌打ちして姿を消す。
「うん……大掃除って、なんだろう？」
「気にするななのだここは猫鳴館なのだ！」
説明しよう。それは三月頭のある日のこと。
卒業を前にした海原 茂元自治会長が、「三年生が寮を引き払うのを前に大掃除をするから手の空いている寮生は手伝うように」と言ったのがはじまりだった。ヒマを持て余していた寮生の幾人かが、呼びかけに応じて掃除を手伝いはじめたが、結局そこは猫鳴館。次から次へと奇人変人の先輩たちの残した遺産が見つかるわ、へんな通路は見つかるわ、海原先輩の愛読書「おちこぼれ姫」シリーズは見つかるわ……。
「うひょーこれはすごいのだもっと探すのだ！」
「面白すぎるぜぎゃっはっは！」
――つまり、である。
うっかり漫画を読み始めたり、うっかり掃除より楽しいことを見つけちゃったり、という、大掃除あるあるな罠に、ほとんどの寮生が落ちてしまったのである。
「お・ま・え・た・ち……」
茂は静かに眼鏡の蔦を押し上げると、次の瞬間、オーディンのように声を轟かせ激怒した。
さぼったり笑ったりしているヤツは黒猫サンがお仕置きだ！」
誰も笑わなければ、粛々と掃除が済むと思ったのだろうか。否、海原先輩もわかっていたはずだ。
そんなお仕置きがあるからと言って殊勝に掃除に勤しむような猫鳴館生では……
「ないのである、マル」
「士ちゃん誰に向かって解説してるのだ？」
「ん、気にするな。あと、言っとくが、後木が話しかけてるのは俺の本体じゃない」
喋りながら廊下を疾走しているのは前自治会長の邪衣 士と、猫鳴館に褌を広めた張本人、後木 真央。
後ろから追いかけてくるのは猫鳴館のモチーフでもあるいかれた黒猫サンの着ぐるみ。
中の人が誰かは不明だが、えらく楽しそうに巨大なハリセンを振り上げている。
「後木、あそこに雑巾が落ちている！ 拾って窓を拭くふりをするんだ！ 絶対笑うな！」
「ラジャーなのだ！」
ふたりはひとつの雑巾を二人で拾い上げると、いっしょに窓を拭くふりをした。
近づいてきた黒猫サンは二人がボロを出さないかと、廊下を行ったり来たりする。
『掃除をしているヤツは襲わない。笑ってないヤツは襲わない。それが黒猫サンのルールだ』
黒猫サンは親切に説明してくれる。
『だが、さぼったり笑ったりしてるヤツを見かけたら容赦しない。楽しい罰が待ってるぜ！？』
「俺たちはちゃんと掃除をしている。さっさと他のターゲットを見つけるんだな」
士に追い払われ、黒猫サンは残念そうにその場を立ち去った。
「ぷはー……行ったのだ？」
「行ったな」
「笑っちゃいけないと言われると笑いたくなるのだ。それに掃除してると歴代の先輩が残したヘンなものがいっぱい出てきて気になっちゃうのだ」
そのとき、去ったはずの黒猫さんがひょいっと角から顔を出した。
「まだいた！？」
真央はぎゅっと笑いを堪えてせっせと手を動かす。
誰も笑わないしさぼってもいないので、黒猫さんは『ち』と舌打ちして姿を消す。
「うん……大掃除って、なんだろう？」
「気にするななのだここは猫鳴館なのだ！」
ゲームマスターより
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年12月26日
- 参加申し込みの期限
-
- 2017年01月02日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年01月02日 11時00分
こんにちは。
ゲームマスターを務めさせていただきます笈地行（おいち あん）です。
年末なので、年末らしい素敵なイラストを元にした猫鳴館シナリオをお届けします！
邪衣士さん、後木真央さん、ガイドへのご登場ありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドの内容に関わらずアクションをかけていただけます。
さて。
みなさんは、猫鳴館を巣立つ三年生の部屋や共用部分を掃除していた……はずでした。
が、みんなすぐに気が散って遊び始めたがために、恐怖の黒猫サンが登場するハメに！
黒猫サンは……
歯を見せて笑う人を見つけると、襲い掛かって来ます。
さぼっている人を見つけると、襲い掛かって来ます。
掃除していても笑ってしまうと、襲い掛かって来ます。
黒猫サンに捕まると罰ゲーム。
ちゃんと掃除をしている姿を見せると去っていきます。
◆猫鳴館住人のみなさんへ
掃除をしたり、エロ本を探したり、ほかの人を笑わせたりご自由にどうぞ。
猫鳴館コミュニティページにある部屋や、自室、隣室等等を探索するアクションを掛けると、
奇妙なものが見つかることもあります。
◆そのほかのみなさんへ
適当な理由をつけて猫鳴館の手伝いに、あるいは邪魔しに来てください。
◆アクションの書き方
１．あなたは基本的に大掃除あるあるの罠に落ちています。
どんな行動をするかを書いてください。
例）
・漫画を読みふける
・掃除しないで廊下を走り回る
・歴代の先輩秘蔵のエロ本を探す 等
２．笑いのツボを１つ以上書いてください。
例）
・変顔
・くすぐられること
・俺のいたずらに誰かがひっかかったら等
笑いのツボにヒットしたときやヘンなものを発見したとき、あなたは運が悪ければ笑ってしまいます。
３．希望の罰ゲーム
例）
・ハリセンでお尻を叩かれる
・女装させられる
・自作ポエムを朗読される 等
４．猫鳴館にありそうな奇妙なものを１つ書いてください。
誰かが見つけるかもしれません。
★ 鬼ごっこの鬼にあたる【黒猫サン】をやってみたい方も募集します。
黒猫サン役希望の方は、アクション冒頭に【黒猫サン】と書いて、
どのように寮生を追いかけるかアクションにお書きください。
※黒猫サンは作中、黒猫着ぐるみを着用します。
※希望者がいなければＮＰＣになります。
先輩の卒業を前に、猫鳴館がピカピカになるのか、なおいっそうボロボロになるのか……
それはみなさんのアクション次第です！
相談したりして、好きにやってください。
ではでは楽しいドタバタ劇と参りましょう～。