寝子島も2月になった。
2月といえばまずは節分だが、それよりなにより鬼も逃げ出す寒さがこたえる。
(ううむ。寒い。こんな日は家でゴロゴロしていたいところだが……)
重度のスマホゲーム中毒患者である
千歳飴 楓子は、ゲームマネーの補充のために部屋を出た。
ゲーム内での節分イベントに間に合わせるためならやむを得ない。
イベントにあわせて登場したゲーム内の鬼をポコポコと退治して、やっぱり寒い寒すぎると空を見上げた。
神魂の影響でいささか不思議なものを見てきた今日この頃。
(なんなら本物の鬼がやって来たりして……)
なんて道の真ん中でぼんやりしていると――
どんっ。
歩きスマホしてる人にぶつかられてしまった。
楓子も特に気にせずに道を譲りながら……固まった。
振り向いた歩きスマホ君もまた、楓子の顔を見て固まった。
「すみませ……ん?」
両者の間で時間が止まる。
寒風が楓子の頬を撫でて、少しずつ目の前の光景が理解できてきた。
歩きスマホ君は真っ赤な、というのは表現としてではなく、もう本当に真っ赤な顔をしている。
チリチリパーマの髪の毛の隙間からチラッと見えるのは、2本のツノ。
ていうか、上半身裸で虎柄のホットパンツ!
(鬼?)
彼は一体、何者なのか。本当に鬼なのか……?
実は、寝子島では「最近、鬼のコスプレした変な人がいる」と話題になっている。
しかし、楓子はそれ以上のことに気がついた……気がする。
(本物の鬼?)
その頃、この赤鬼の他に、青鬼、黄鬼、緑鬼、ピンク鬼が発見されている。
赤鬼はスマホゲームが大好きで、歩きスマホして島内をうろうろ。
青鬼はストレートパーマをかけてスーツを着て、寒いのにオープンカーに乗っている。ナンパ好き。
黄鬼は太っちょで、いつもカレーライスを食べている。寝子高の制服を着ている。
緑鬼は島内をサイクリングして、海や池で釣りを楽しんでいる。釣りはキャッチアンドリリースが基本。
桃鬼は女性のようで、プチ整形で二重まぶたにして、エステや岩盤浴を漫喫。スイーツの食べ歩きも。
神魂の影響で現代の寝子島に来てしまった鬼たち、実は結構前からいたらしく、すっかり現代の文化に馴染んでしまっているようだ。
そろそろ、お帰りいただいた方がよさそうだ……!
ごきげんよう。水月 鏡花です。
本格的な節分シナリオが来る前に、寝子島らしい鬼との交流の日々を楽しんでみませんか?
千歳飴 楓子さん、ガイドへの登場ありがとうございます。
参加いただいた場合は、ガイドはあくまでもイメージとしてご自由にどうぞ。
◆鬼について
鬼であることに気づいてもいいし、気づかなくてもいいです。
話しかければ普通に答えてくれます。ここで生活してるようです。
自分が鬼であることは自覚してたり忘れてたり、いろいろです。
その他、アクションに応じてなんとなく楽しげな方向で決まる予感があります。
黄鬼は寝子高生ですが、神魂の影響でいつの間にか1年10組に転校してきたことになってるようです。
退治されれば、またいつの間にか転校していったことになることでしょう。
◆鬼の退治
退治してもいいし、退治しなくてもいいです。
退治の仕方は簡単です。(PL情報です)
豆を投げてあてたり、豆を食べさせたりすると、自然と消えて元に戻るっぽいです。
では、鬼のいる寝子島でお目にかかりましょう。