――鏡開き。
正月のさい、神様に捧げられていた鏡餅をさげ、無病息災を願って
食べる儀式のことである。
寝子島でもその日を迎え、いろんな家で鏡餅を切ったり割ったりして、
美味しく食べようとしていた。
――その時、ふしぎな事が起こった――!
もちが勝手に柔らかくなったかと思うと、『ぷにょん』、と音を立てて勝手に千切れる。そしてひとりでにピンポン玉ぐらいにちぎれるとふよふよ飛んで行ってしまった。準備に夢中になっている人々はそれに気付かない。だが飛んでいった餅は、ぷにょん、ぷにょんと虚空で増えていくのだった。
* * * * *
(早くお餅を食べたいわねぇ……)
白沢 絢子は買い物の途中、売り出されているお餅を見てなんとなく思った。ところが、気がつくと目の前をふよふよとお餅っぽい物が飛んでいる。
「あら? これは何かしら……」
不思議そうに見つめていると、あちこちに同じような物が浮いている事に気がつく。だが、手を伸ばそうとすると、逃げてしまう。これは何だろうと思っていると、先ほどまでいたスーパーマーケットではなく、どこかの屋敷の広間っぽい場所だった。
『……なぁ、お前ら。餅って好きか?』
異世界に飛ばされたもれいびたちの耳に、テオの声が聞こえる。テオは至極面倒だといわんばかりの口ぶりで言葉を続けた。
『餅に神魂が入り込んで、勝手に増殖しちまった。放って置くと寝子島じゅうが餅まみれになっちまう。食い尽くさねぇと終わらないぞ』
テオはそれだけいうと、後は任せた、と一方的に話しを終わらせた。
目の前には浮かぶ餅。
果たして、食べきる事が出来るのだろうか?
はい、菊華です。
鏡開きの日に、こんな神魂トラブル発生です。
皆、【覚悟完了】しているかーっ!!
※コメディエアのお陰で命の危機にはなりません。
正しドクターストップ判定はあります。
概要
寝子島の色んな家にあった鏡餅に神魂が混入し、増殖しました。
大きさにしてピンポン玉程度の大きさのお餅が自分でふよふよと動き、
宙を飛んでいます。
皆さんは切り分けられたこの世界で思う存分お餅を食べてください。
正し、満腹で食べられない状態になった場合、ドクターストップ判定となります。
判定を食らった方は自動的に異世界から抜け出しますのでご注意ください。
餅について
ピンポン玉ほどの大きさで、つきたてほやほやのお餅になっています。
捕まえようとすると、逃げます。
餅取り粉をまぶした手などで捕まえましょう。
配布物とその場所にある物
みなさんには異世界についた時点で
・餅取り粉入りタッパー
・お皿
・箸
・お茶入りペットボトル(500ml)
が配布されております。
また、異世界には以下の物が用意されております。
・調理器具および、材料(きなこ、海苔の他野菜など)
・調味料各種(砂糖や醤油など)
・食器
・システムキッチン
・テーブルと椅子(参加者全員が余裕を持って座れます)
・七輪(数個)
そのほか、喉にもちが詰まった場合は的確な処置ができるよう掃除機などが
用意されているだけでなくお医者さんが何処からとも無くやってくるかも?
今回の【覚悟完了】
上記のタグをアクション冒頭に入れておくと、飛んできたもちにまみれる
可能性があります。(反撃を受けたって具合に)
「それでもいい!」「OK!」って方のみ添付してください。
登場NPC
・白沢 絢子
お餅が食べたい、と思っていたらこの世界に来ました。
異世界に来たとか認識はなく、何かの手品だと思い込んでいるようです。
・南波 太陽
宿題に疲れて休憩していたらこの世界に来ました。
こっちは夢だと思っている模様です。
それでは、皆様よろしくお願いします。