めちゃくちゃ寒かった、凍りつくような冬の日の翌日。
それは雪のように寝子島へとひらひら舞い降りたのでした。
空から降ってくる
それを何と呼べばいいか、だれも知りませんでした。
ただ、
それを目撃した者たちは一様に、口をそろえてこう叫んでいました。
「ふわふわしてそうな丸い球体が、光りながらふよふよ飛んでるーーーー!?」
…………………………。
かわいいじゃないか!!
かわいいはかわいいのですが、それが何であれ、突発的大量発生した物は厄介です。
庭に降る不審物に犬は吠え続け、用心して家から出られない人もいます。
それだけではありません。
突然視界をふさがれて、電柱に激突した車。
レールを占拠され、動けない電車。
このままでは、そんな事態が発生することになるかもしれません。
「うわっ!! なんだこりゃ!!」
開店前の掃き掃除をしようとした
中山 喬も、外へ出て早々に足を下ろす場もないほど地面を埋めた
それに思わず叫んでいました。
人々の日常に面倒を起こしながらも、それはどこ吹く風(?)でふよんふよん宙を漂っています。
人が指先でつんつんつついても無反応。
生き物なのか、そうでないのかもよく分かりません。
そして
それは、寝子島高校グラウンドにも迫っていました。
「なんちゅうこっちゃ……」
鬼河内 巌はカレーを混ぜていた手をとめて、呆然と空を見上げました。
その日、彼は日曜日のグランドを借りて、『究極の大盛りカレー祭り! チビっ子はおかわり自由だよ☆彡』イベントを開催していたのです。
カレーが出来上がるのを待っていた人たちの間でも、ざわめきが広がります。
「ママ、あれ何? ふわふわでやわらかそうー」
「駄目、触っちゃいけません。噛みつくかもしれないわ」
子どもたちは喜んで手を伸ばしていましたが、親たちは眉をひそめ、警戒しています。
「もうおうちに帰りましょうね」
と、子どもを連れてそそくさと帰りだす親子も出始めました。
有り金はたいてようやく開催にこぎつけた、念願のカレーパーティーだというのに。
「こんなわけ分からんモンに邪魔されてたまるかぁーーーーーッ!!」
――バシュンッ!
巌が怒りで繰り出した鉄拳を受けた
それは、あっけなく破裂して消えてしまいました。
同じとき。少し離れた所では。
「ほお。燃えるようだねえ」
牛瀬 巧が燃料の火付けに使った点火くんで、やはり
それを燃やしていました。
「それにしても、これは何だろうね」
「何でもええわ! 何モンであろうと、わしの究極カレーイベントを中止させようとするヤツは許さんッ!!」
ゴゴゴと背中に擬音が見えそうなほど熱く闘志を燃やしている巌を見て、巧もよっこらしょと立ち上がります。
「せっかく子どもたちがぎょうさんごちそう食べれるイベントなんや。それは困るなぁ」
「きっとぎょうさん食えんで困るのは確定的に明らか」
巧に同意するように、カレーづくりに参加していた
屋敷野 幹覚や、お客として並んでいた者たちの一部がふたりの元へ集まってきます。
ふわふわ、ふよふよ。風に乗って漂ってくる
それに、巌は指を突きつけ宣言しました。
「毎年毎年年末大掃除で培った掃除スキルをなめんなよ! おまえらみんな、全部掃除したるわ!!」
こんにちは。またははじめまして。寺岡志乃といいます。
今回のシナリオは、空から降ってきた謎の物体をお掃除しよう、というものです。
場所は寝子高グラウンドに限らずどこでもかまいませんが、一番困っているのはやはりイベントに集まったグラウンドの人たちでしょう。
それが動物なのか植物なのか、どちらでもないのかは不明です。
大半は空に浮かんで漂っていますが、地面に下りている物もいます。
※ガイドではまだ判明していませんが、彼らは熱を出す物に反応して寄ってくるようです。
大きさはさまざまで、野球ボールサイズから大体バスケットボールサイズまでがあちこちで目撃されていますが、これ以外にもレアな形がありそう?
とりあえず、衝撃を与えたら破裂して消えます。燃やすこともできます。
※ただし、大きさによって耐久度が微妙に違ってきます。
また、いちいちそれと書くのも何なので、名前を募集します。
1名さま採用。採用された名前でリアクションに登場させたいと思います。
無事掃除が完了しましたら、グラウンドで開催中の究極のカレーパーティーで「おつカレー」が食べ放題になります。
それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。