――シーサイドタウン:
久保田 美和の家
「これはまた……」
「うぅ、恥ずかしいけれどこれが私の家です」
12月のある日。
中野 空也は同じ寝子高の教師である美和の家に来ていた。というのも、大掃除をするためである。
寝子祭実行委員会の担当顧問など仕事での多忙さなどから部屋を片付けられず、美和は泣く泣く空也に手伝いを頼んだ訳だが……、前からごみ屋敷の話を聞いていた空也は予想以上の荒れ放題に「ふむ」と眼鏡を正した。
「ともかく、まずは換気をしてゴミの分別から行いましょう。何人か助っ人も呼んでいますから、そろそろ来るでしょう」
「すいません、ご迷惑おかけします」
どこかわくわくした様子の空也に対し、美和は恐縮した様子で頭を下げる。2人はとりあえず荷物でごった返した廊下を抜けたのだが……その時、チカッ、と何かが光ったかと思うと……2人は目を瞑った。
* * * * *
その日、貴方は空也から『久保田家』の大掃除の手伝いを頼まれていた。
もしくは、知人からその話を聞いて手伝いに来ていたかもしれない。
全く関係なく近所にいたのかもしれない。
だが、貴方は今、いろんなゴミと埃にまみれた場所にいる。
否、一度美和の家を掃除した事がある者が見たならば解るだろう。
今いる場所は、美和の部屋をかなり大きくしてしまった場所である、と。
ともかく、そこに呆れたような声が響き渡る。
『あるゴミ屋敷に神魂が宿っちまってダンジョン化しちまった。
ここを掃除しない限り、寝子島は新年がこねぇぞ……。
掃除をして、巻き込まれた奴らを救出しないことには今日から大晦日まで
をループし続ける事になる』
テオドロス・バルツァはふん、と鼻を鳴らしてそういった。
なんでも、ゴミと埃がモンスターになって襲い掛かってくると言う。そいつらを倒せば自然と分別されるそうだ。そして、ダンジョンの奥深くではキングゴミ怪獣に囚われた美和と空也がいるとのことだった。
詳しい話を聞いた貴方は、掃除道具を手に、モンスターと化したゴミ、埃へと立ち向かう。全ては新年を迎えるために。
菊華です。
今回は年の瀬の大掃除! 久保田先生と中野先生を助けるべく掃除用具を手にがんばりましょう!
難易度:★★★
(判定が少し厳しめです。成功を目指すなら気を引き締めてください)
※難易度について、くわしくはマスターページをご覧ください。
◆概要
久保田先生の部屋(例によってゴミ屋敷化)に神魂が宿ったために広大な場所になっています。
故にテオによって異世界に切り分けられました。
みなさんは
・空也から手助けを頼まれた
・友達に誘われて手助けに来た
・偶然美和の家の近くを歩いていた
など様々な理由でこの場所に来ています。
◆敵について
ゴミ屋敷のゴミたちなどがモンスターになっています。
ゴミ怪獣
小学生低学年の子供ほどの大きさもあるゴミ怪獣です。見た目新聞紙などで出来ているように思われます。口からゴミの塊を吐いて攻撃してきます。
ホコリヒツジ
黒い顔をした、埃の毛をもつヒツジです。通常のヒツジとさほど変わらない大きさをしています。毛を叩くと埃が舞い、視界を邪魔します。その上喉と鼻に小さなゴミが入って咳やくしゃみに悩まされます。
洗濯物おばけ
たたまれなかった洗濯物や洗い忘れて放置された洗濯物です。ふよふよ飛んでは顔面にダイブして窒息させようとしたり、手足を縛ろうとします。
キングゴミ怪獣
部屋の最深部にいるゴミ怪獣です。久保田先生ほどの大きさがあります。ゴミの塊を吐くだけではなく、ゴキブリの幻影を操ってくるようです。
※今回はキングゴミ怪獣を倒すと元の久保田先生の家に戻るようで、先生がたも助ける事が出来ます。
※彼らには普通の武器の攻撃がききません。
ゴミ怪獣(キング含む)とホコリヒツジには掃除用具で攻撃しましょう!
倒されたゴミ怪獣とホコリヒツジは自動的に分別される模様です。
また、洗濯物おばけはある場所に誘導すれば自然と分別され、おとなしくなるようです。
※因みにですが、あくまでもここは『久保田先生の家』です。
とある物を使うと危険度が上がり、クリアしづらくなります。
※また、今回は場所が場所なので、マスクの準備をお勧めします。
※タイトルではダンジョン化とか言っていますが、脱出などは念頭に置かず、
モンスター化したゴミと戦う事に集中してもなんら不利にはなりません。
(ただし、負傷判定は軽めですが行いますのでご注意ください)
※こちらのシナリオ「オーブラジャー! 久保田美和、人生2回目のピンチ」の結果次第では、
久保田先生の扱いが変わる可能性があります。
それでは、よろしくお願いします。
寝子島が年を越せるか否かは皆さんにかかっています!