月が煌々と夜空を照らし、なんだか寝付けない夜だった。
鴻上 彰尋は部屋の片付けでもしようと、ようやく温まったばかりの布団から抜け出し、ひんやりと冷たい部屋に向かう。
薄暗い部屋で躓くことなく照明を付けると、ふと見覚えのない一冊の本が視界に飛び込んでくる。
(いったいなんだろう……?)
もしかすると、図書館に返し忘れた本だろうか?
彰尋は中身を確認するために、パラパラとページをめくる。
わずかに視線を動かせばMのほっそりした華奢な肩が、歩くスピードにあわせて上下しているのが見える。
襟元からのぞく白い素肌となめらかな首筋がどうにも艶かしく、俺はみっともなくも生唾を飲んだ。
どうやら恋愛小説のようだ。いったいどうしてここにこの本があるのだろうという元々の疑問も忘れて、彰尋は本を読み耽る。
夢中になって読み進めていくうちに、とうとう主人公がMに告白するシーンとなった。
彰尋は期待に胸を高めてページをめくる。
しかしそのページは――
『I LOVE YOU』
訳:
と、中央に書かれている以外、真っ白なのだ。
不思議に思って次のページ、次のページとめくっていっても、続きが書かれている様子もない。
どういうことだろうかと首を傾げると、彰尋の脳裏に直接言葉が浮かび上がった。
あなたは、この告白をどう訳しますか?
まずはガイドに登場してくださいました鴻上 彰尋様、ありがとうございました。
イラストもお借りしております。この場を借りて、御礼申し上げます。
『わずかに視線を動かせばMのほっそりした華奢な肩が、歩くスピードにあわせて上下しているのが見える。
襟元からのぞく白い素肌となめらかな首筋がどうにも艶かしく、俺はみっともなくも生唾を飲んだ。』
という文章はイメージとなります。
次に本を開いた時には別の文章に変わっているという不思議なことが起こっても構いませんので、
ご参加いただいた場合に、この文章を元にアクションをご用意して頂くのも、
まったく違うシチュエーションを考えて頂くのも、
鴻上さんのご自由にどうぞ。
さて、今回のシナリオは『あなただけの告白』がキーワードです。
かの著名な文豪・夏目漱石は「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳したといいます。
二葉亭四迷はロシア文学を翻訳した際、女性が「Ваша=あなたに委ねます」と囁いたシーンを「死んでもいいわ」と訳したそうです。
好きです、私もですと返事をするにも、個性や感じ方が色々ありますよね。
今回はそこに焦点を当てたシナリオをお届けしたいと存じます。
あなただけの『告白』を考えてみてください。
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【概要】
あなたの手元には<覚えのない恋愛小説>があります。
その小説は<告白のシーン>以降は、<空白>となっています。
<あなたの言葉>で<告白シーンを完成>させて、
<物語を完結させてください>。
どうか、あなたなりの<告白>を教えてください。
▽できること
●I LOVE YOUの翻訳:
この単語をあなたの言葉で翻訳する。
この場合は、
・小説を手にしたPCの場面
・翻訳位置の前後の文
・翻訳の内容
をアクションで書ける範囲で設定することができます。
●I LOVE YOUに答える:【GA推奨】
告白に対する返事をします。
GA相手と設定の共有をお願いします。
もちろん2人で一緒に物語設定を作り上げて頂いても構いません。
●その他:
このシチュエーションで起こりうることならばなんでも構いません。
物(この場合は本)と会話したりするろっこんを使ってアプローチすることも可能です。
▽補足
・今回のリアクションは、キャラクターの反応+キャラクターが設定したシーンの描写をすることになります。
・受け取ったキャラクターによって、全体の物語もまったく違うものと考えて頂いて構いません。告白シーンさえあればなんでもOKです。
例:ののこが『I LOVE YOUを言い』あおいちゃんが『I LOVE YOUに答える』シーンに見えたり、現実とゴチャゴチャになることもあり得ます。
『わずかに視線を動かせばMのほっそりした華奢な肩が、歩くスピードにあわせて上下しているのが見える。
襟元からのぞく白い素肌となめらかな首筋がどうにも艶かしく、俺はみっともなくも生唾を飲んだ。』
というのは上記にも書きましたがイメージ文章です。
こちらを元に考えて頂いても、まったく違う物語設定をご用意いただいても構いませんので、
皆さんにとってオンリーワンの『I LOVE YOU』を見つけていただければと思います。
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【その他】
・GAなしでご参加の場合、他のキャラクターと絡むことがあります。
→絡みたくない方はその旨を明記してください。
→絡みたいな!という方は『I LOVE YOUの翻訳』と『I LOVE YOUの返答』の両方を書くことをおすすめします。マスターが調整しながら、絡ませちゃいます!