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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
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●すれ違い・めぐり逢い
ここに、バレンタインを楽しみにしていた1組の男女がある。
初めての高校でのバレンタイン。恋人同士のバレンタイン。これで楽しまなければ豆腐の角に頭をぶつけて……いや、やめておこう。片割れがろっこんを発動してしまう。
兎にも角にも楽しみしかないバレンタインで、彼らはやらかした。
ほら、ドラマや映画でもあるでしょう。すれ違いまくる男女のお話。
どうして気付かないかなと画面に叫びたくなるあの歯痒さ―――彼らは見事にリアルでそれをやってのけたのである。
【すれ違い】
<朝・HR前>
西野町 かなえ
のチョコが楽しみで夜寝られなかったのだろうか、本日
雨崎 荒太郎
は寝坊をしてしまった。慌てて起きて支度し、荒太郎は猫鳴館を飛び出した―――携帯を自室に置き忘れて。
それに気が付いた時にはもう正門前。ここで荒太郎はミスをした。
(かなたんのクラスは隣の隣だし、そのうち会えるから今日はもういいか~)
安易にそう考え、そのまま学校に入ってしまったのである。
1年3組の教室に滑り込んだのはぎりぎりの時間だった。冬なのにうっすら汗をかきながら1限目はなんだっけ……と思いクラスメイトに訊いて仰天した。
「って、1限と2限が教室移動って、マジ~?!」
ああ、かなたんのチョコを拝むのが遅くなると、荒太郎は肩を落とす。今かなえのクラスに行こうにも周囲は皆教室移動を始めており、その時間はない。そして恐らく1、2限は教室も抜けられないだろう。
(しょうがない。4限までに何とかかなたんに会いに行こう)
荒太郎は授業の準備をすると自分も慌てて教室を出た。
(バレンタインや!)
朝からざわつく廊下で1人、チョコの入った鞄を大事に抱えてかなえは元気に拳を握った。
昨日遅くまで頑張って作った手作りチョコ。荒太郎は喜んでくれるだろうか。
かなえはちょっとドキドキしながら1年3組の教室を覗き込む。朝の教室でざわめく3組の生徒達の中に、荒太郎の姿はなかった。
(あれ?)
かなえは首を捻る。時計を見ればもういい時間で、HRもそろそろ始まってしまう。
どうしたのかな……と思い自分の携帯を見たが、連絡は入っていない。何か用事があって今は席を外しているのだろう。
(もう朝わたすのは無理やね。またあとで来てわたそー♪)
ひらりとスカートを翻し、かなえは自分の教室に戻った。
<1限後休み時間>
こーたーん♪ あれ……誰もおらんね、移動教室やろか?
<2限後休み時間>
こーたーん♪ って人少なっ! ……実験が終わらんグループが多い? やっぱ移動教室やったんね。
<3限後休み時間>
うわあ、久保田先生の荷物持ち頼まれちゃったよ。かなたーん!
こーたーん? まだおらん……電話も通じないし。
でも鞄あるから学校には来てるんやよね?
<HR後>
(む-……結局休み時間にはこーたんに会えなかったで! でも、こんどこそ会えるはずや)
帰りのHRが終わるとすぐ、かなえは力強く席を立った。しかしそこでぽっと顔を赤らめると、いそいそと教室を出て行く。
(……そのまえにちょっとトイレ)
お花摘みですね、かなえさん。しかし、これが罠だった。女子の花園には恋バナに飢えた女の子がたくさん。そして本日はバレンタイン。彼氏持ちのかなえが行けばどうなるか……そう、かなえは話を聞こうとする女子達に取り囲まれ、文字通り『雪隠詰め』となってしまったのである。
「……お昼こそ、ぜったい、かなたんと過ごす!」
HRが終わるとこちらもぐうっと拳を握って荒太郎は席を立った。そしていつもの3倍は人が湧き、そしてうるさい廊下を何とか通り抜け、5組の教室に辿り着く。ひょいと中を覗き込むと、声がかかった。
「あ、荒太郎君だ!」
手を振るのは
七夜 あおい
である。彼女は
野々 ののこ
と何やら荷物を机に広げて話をしているようだ。荒太郎は彼女達の傍に行き、教室をきょろきょろ見回しかなえの姿を探す。するとににししとののこが言った。
「ねえねえ荒太郎君! 私達チョコ作ったんだよー、いる?」
ののこの言葉にあおいも嬉しそうに可愛らしい包みを荒太郎に差し出した。
「友チョコだよ。これから配りに行こうと思うんだ。味見してくれる?」
「へ~、友チョコ作ったんだ」
肝が据わってるのかあおいの実力を知らないのか、荒太郎は何の躊躇もなくあおいが差し出した袋からチョコを1粒つまんだ。サッ! と5組全体に緊張が走る。ゴクリと周囲が唾を呑む中、荒太郎はもぎゅもぎゅとあおいのチョコを味わう。そして顔を上げ、にっこりと言った。
「お、美味し……」
フフフ―――パタリ。
「やっぱり!」
「おい! 雨崎が倒れたぞ! 保健室!」
「ロシアンルーレットに手を出すとは男だな!」
大騒ぎの中、荒太郎は保健室へと担ぎ込まれていった。
【めぐり逢い】
何も知らないかなえはしばらく女子達に捕まっていたが、何とか包囲網をくぐり抜けると教室に帰った。本日はバレンタインのせいか、室内に残っている生徒は少ない。みんなチョコを渡しに色々なクラスに行ってしまったのだろう。かなえの胸にほんのすこし不安が広がり始める。彼女は小さく首を振ると、荷物を掴んで教室を出た。
「こーたん帰ろ! ……また、おらん……」
本日何度目かの3組の教室を覗き、かなえは目を伏せた。広がり始めた不安が墨汁のように真っ黒に己の心を覆っていく。たまらずかなえは駆け出し、手当たり次第に周囲の人に聞き始めた。
「ねえ、こーた……雨崎くんどこに行ったか知らへん?」
誰に聞いても、どこで聞いても、皆は首を振るばかりだ。北校舎、南校舎、もしかしたら体育館かもとかなえは校内を駆けずり回り、そしてとぼとぼと1年の下駄箱の前に来た。下駄箱から荒太郎の靴を探し、彼の物がある事を確認する。
「下駄箱には靴があるし、まだ帰ってないんやよね……」
かなえは震えそうになる唇を、ぐっと噛んだ。
「もう、みんな帰っちゃったのに、こーたんどこにおるん……」
人混みで、必死に彼女を探す夢を見ていた。
たくさんのすれ違う知らない顔。彼女の笑顔はどこにもない。
ここはどこだ? 会いたいのに。
おれはここだよ、かなたん……かなたん!
はっと目が覚める。荒太郎の目に白い天井が飛び込んできた。
軽く頭を押さえながら起き上がる。保健室には誰もいず、彼1人だった。
時計を見れば4限が終わってから1時間以上経っている。そんなに長く気絶していたのかと思い、ハタと気が付いた。
「かなたん!」
血の気が引く。自分の携帯がないせいで連絡も出来ないでいる彼女。どれだけ不安に思ってるだろうか。
荒太郎は勢いよく掛け布団を剥ぎ慌ててベッドを下りる。上着を引っ掴むとそのままバタバタと保健室を飛び出した。
「かなたん……呆れてもう帰っただろうなぁ……」
それでも、少しでも可能性があるのなら。
荒太郎は走る。
かなたん、おれは君に会いたい。
誰もいなくなった3組の教室に、かなえの姿があった。
ゆっくりと荒太郎の机に近付き、そっとその白い指で触れる。
「まだ、鞄あるしここで待ってたら会える……よね」
静かに荒太郎の席に座る。そこに彼のぬくもりはなかった。
朝は晴れていたのに雲が多くなってきた空。この分だと夕方には雨が降るかもしれない。
かなえは教室の大きな窓から外を見ながらぼんやりと考える。もう時計を見る事はやめていた。かなえはぽてっと机に頭を載せ……ポロリと涙を零した。
「うう……ぐす……」
決壊してしまったかなえの心の堤防から、不安と悲しみと行き場のない怒りが涙とともに流れ出した。
「こーたんうちのチョコいらないんやろ……こんなものー!」
ガバッとかなえは体を起こすと、自分の鞄から荒太郎のために作ったチョコの包みを取り出す。それを乱暴に開けると、バクバクと食べ始めた。
甘いか美味しいかももう分からない。荒太郎への想いは、ものの1分で無くなってしまった。
「ふん、うちを待たせた罰や。もうこーたんにチョコあげないもん……」
空き箱を無造作に隅に押しやり、かなえはまた机に顔を預ける。
「ふんだ、ふんだ、ふーんだ……」
目を閉じて口を尖らせるかなえ。その呼吸はいつしか緩やかになり、微かな寝息が聞こえ始める。その閉じた瞳の端から涙が1粒、流れ落ちた。
教室に戻った荒太郎は、自分の席に人影を見た。
「―――!」
怒っているのだろうか。かなえは背中を見せている。荒太郎は急いで駆け寄り、気が付いた。
彼女は、眠っていた。
「……まさか、ずっとおれを?」
申し訳なさでいっぱいになる。寝てる彼女の背にセーターをかけようとして、荒太郎は彼女の口元に何かが付いている事に気が付いた。
「チョコ……?」
机の上には包装紙と空き箱。荒太郎はかなえの前の席に座ると、しばらくかなえの寝顔を眺めていたが、そっと彼女の唇を自分の親指で拭った。
「ん……美味い」
甘くて、ちょっぴりほろ苦いチョコの味。これを彼女はどんな気持ちで食べたのだろう。
その時、かなえが動く気配がした。
「んー……」
目をこすりながら体を起こしたかなえに、荒太郎は申し訳なさそうに眉を寄せながら、優しく微笑んだ。
「おはよ……かなたん」
かなえはしばらく目をパチパチしていたが、はっとその瞳を大きくした。
「こーたん?!」
荒太郎は頭を下げた。
「ん……怒ってるよね。ほんとごめん。今日ケータイ忘れちゃってて」
かなえは突然の事に言葉が出ない。荒太郎は悲しそうに微笑んだ。
「本命チョコ……もうないよね?」
その時だった。荒太郎の首がぐっと引っ張られる。かなえの両腕が荒太郎の首に回されていた。
「もう、もう、もう……!」
荒太郎の首に縋りながらそう言うと、かなえはキッと顔を上げた。
「勝手にどっかいっちゃわないように、今日はずっとこのままや!」
怒っているかなえの顔。それなのに荒太郎は嬉しくてしょうがない。やっと、君に会えた。君が、おれの目の前にいる。
荒太郎はそっとかなえの腕をほどくと、彼女の顔を両手で挟む。そしてチョコの残る彼女の口元へそっと囁いた。
「こっち残ってれば、いいや……」
近付く、顔。かなえがそっと瞳を閉じた。2人の唇が優しく重なる。その口づけは、いつもよりちょっとだけ長くて。
バレンタイン。
荒太郎がもらったチョコは、甘くて愛しい味だった。
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1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
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