――? ? ?:寝子島高校 1年1組
「おはよう」
「おはようさん」
7月下旬のある日。
志波 高久はクラスメイトである
牛瀬 巧と挨拶を交わし、自分の席へと座った。窓を見れば朝から入道雲がもくもくと立ち上り、太陽は燦々と降り注いでいる。その様子に、巧は「すっかり梅雨明けやねぇ」と溜め息をついた。
「確か、今日は化学の授業があったよな?」
「ピコ先生、遅刻せぇへんならええんやけど」
2人でそんな事を話していると1人の美少女が2人の前に現われた。巧はその顔に見覚えがあった。
「おはよう、2人とも」
そう声を掛ける美少女。巧はのんびりと声を返す。
「白沢さんも、おはようさん。今日も暑いな」
すると、白沢さんと呼ばれた女子生徒……
白沢 絢子はくすっ、と笑った。
「牛瀬くんったら、もう夏バテしたの? そういえば日直じゃなかったかしら?」
そう言われ、慌てて確認する巧。彼は急いで日直の仕事をしにいく。
高久はその背中を見送りながら、小さく苦笑した。
(あかんなー、すっかり忘れとったわ)
溜め息混じりに職員室へ行こうとする巧。だが、そこでふと、我に帰る。
「授業……? それに、ピコ先生……?」
そこで巧は思い出す。自分が今は40代の大人で高校教師である事を。
(これは……夢、なんか?)
ふと、鏡を見る。と、すっかり若返った彼の顔は歳相応の少年で、目つきが普段より若干鋭い気がする。そして、制服もちゃんと寝子高の物で、校章も赤いライン……現在の1年生のものだ。今思えば、自分が出た教室には『1年1組』と記されていたようだった。
(けったいな事も、あるもんやね)
もう一度溜め息を付きつつも、巧は「大した騒ぎでもあらへんし」ととりあえず楽しむ事に決めた。
暫くして、教室に1人の女性が駆け込んできた。動くたびにあほ毛がピコピコゆれ、目立っている。その正体は大人になった
野々 ののこであり、巧たち生徒の脳裏には『1組の担任で化学担当の新米教師』という記憶が浮ぶ。因みに『ピコ先生』というあだ名はあほ毛の動きから付いた。
息を整えたののこの様子を見、日直が号令をかけて挨拶をする。ののこは教壇の前で苦笑した。朝のホームルームの始まりである。
「おはようっ! 先生、また遅刻しそうになっちゃったよー。ごめんねー」
そう言いながらののこは笑顔で言葉を続ける。
「今日は、夏休み前最後の授業だよ。だから、気合いで乗り切ろう」
ウインクと共にそういい、生徒達に「がんばってね」と声援を送った。
彼らと同じように、高校生になった夢を見ている複数の大人たちがいる。さて、彼らはどのような1日を過ごすのだろうか?
こんにちは、菊華です。
今回は大人PCさんが高校生になってしまいますっ!
事務局からの注意書きはよく読んでくださいねっ!!
因みにこのシナリオは『天の川におねがい!』トピックの短冊に志波 高久さんが書かれたお願い事から派生しました。
※注意※
このシナリオは、とある人の夢の中です。
参加したPCさんは例外なく『寝子島高校1年1組の生徒』となります。
問答無用で15歳もしくは16歳の頃の姿に若返っていますのでそこに注意してください(正し性格面やこれが夢である自覚については皆様にお任せします)。
補足
・夢について
注意の項目で告げたとおり、皆さんは高校1年生になっています。
また、ろっこんも使用できません。
・アクションにて出来る事
夏休み前の高校生活を楽しむ事が出来ます。
また、特に描写して欲しいシーンを2つ選ぶ事が出来ます。
(1つに搾ってもかまいません)
授業(2時限目:化学)/授業(4時限目:国語)/昼休み/自習(6時限目:数学)/放課後
・登場NPC
牛瀬 巧(大人の時の記憶あり。のんびり楽しむ所存)
白沢 絢子(内面も16歳に戻っている。優しいクラスのマドンナ的存在)
野々 ののこ(20代の女性になっている。1年1組の担任で新米教師)
それでは、よろしくおねがいします。