月の美しい、ある夜のこと。
天満 七星はいつの間にやら、見知らぬ庭へ迷い込んでしまった。
「まあっ、綺麗♪」
庭は広く、中央には大きな池がある。
月を映し込むその池の周りには、無数の蛍が宙を泳いでいた。
夜空をバックに、数え切れないほどの蛍が煌めきながら、気ままに飛び交う。
それを眺めて微笑んだ七星の胸にあたたかいものが満ちた時、不思議なことが起こった。
「蛍が……色とりどりに輝いて……!」
七星の感情に反応し、それを絵に表すかのように。
蛍たちは赤、青、緑に黄色、紫など、鮮やかな光を灯しながら、ふわりとハートを形作って見せた。まるで電光掲示板のようだ。
「素晴らしいですわ……!」
蛍は次々に色と形を変え、七星を楽しませてくれる。
「いらっしゃい。お気に召していただけたかしら?」
そんなふうに蛍を眺めていたら、軽やかで品の良い声が耳に届いた。
颯爽と和装を纏う初老の女性は、どうやらこの庭の主らしい。
「去年から、うちの庭にやってくる蛍たちが、こんなふうに不思議な光を見せてくれるようになったの。素敵でしょう? せっかくだからお庭を開放して、皆さんに楽しんでもらっているのよ」
おそらく、神魂の影響だろう。
女性は現象に驚きながらもこれを受け入れ、素直に楽しむことにしたようだ。
見れば同じようにここへと迷い込んだか、あるいは招待された人々が、蛍の見せる妙技に感嘆の声を上げている。
あなたもゆっくりしていってね、と言ってくれた女性へ、七星はこくりとうなずき微笑みを返した。
途端、蛍たちが目の前で、音符の形を作る。
「せっかくですもの、楽しまなくっちゃ! ですわ♪」
蛍は接する人の感情、想像するものなどを写し取り、形にするらしい。
今夜はゆったりと、月と蛍の彩る庭を堪能するのも良いだろう。
こんにちは、よろしくお願いします!
天満 七星さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
とある月の綺麗な夜。
気付くとあなたは、いつの間にやら知らない庭にいます。
ここは星ヶ丘のとある邸宅の日本庭園で、ご近所からは「月蛍苑(げっけいえん)」と呼ばれているようです。
この庭の中央には大きな池があり、月がぽっかりと映りこんでいるのが風流です。
庭には蛍がいて、不思議なことに、あなたの感情や頭の中で想像した形に反応し、
鮮やかに光の色を変化させながら、電光掲示板やドットアートのように文字や形を表す、
という習性を持っています。
庭と邸宅の主である初老の女性は、庭を一般開放してくれています。
夏の風物詩、蛍を眺めながら、友だちや恋人とゆったり過ごしたり。
蛍とふれあい、夜空をキャンバスに光のアートを描くもよし。
隠しておきたい想いが、蛍によってうっかりバレてしまいそうになり、慌てたり。隠そうとしたり。
蛍で文字を描き、片思いのあの子にラブレターを贈る、なんていうのもいいですね。
思い思いに楽しんでください。
アクション
広い庭には池と、周囲にベンチや、ちょっとしたテラスなどがあります。
少し奥まったところまでいくと、人目の無いところでゆっくり過ごせます。
蛍と接する場合、蛍たちがあなたのどんな感情を反映するか、
あるいは任意の形を表現してもらいたいなら、どんな形が良いか、等お書きください。
庭の主の趣向で、お酒やソフトドリンクが無料で提供されています。
遠慮なくいただきましょう。
GAを組めば複数で訪れることも可能です。
また、庭には以下のNPCも訪れているようです。
自由に絡んでください。
・桜栄 あずさ:月と蛍を眺めながら、優雅に日本酒を嗜んでいます。
・野菜原 ユウ:音楽を聞きながらノリノリ。彼の周りには「♪」がいっぱいです。
・久保田 美和:またフラれたそうです。ヤケ酒をあおっています。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!