旧市街の猫たちのやんちゃっぷりに拍車がかかっている。
ここ最近になって、ひっかかれたような傷や噛まれたような傷をこさえている人が激増していた。中には毎日のように新しい傷を作っている人も。
そのほとんどが猫の仕業だという。
発情期かねえ、と誰かが言った。
そうは言っても規模がおかしい。
旧市街ですれ違う人のほとんどが、ここ最近になって猫にひっかかれたり、噛まれたり、猫パンチをお見舞いされたり。
それに加えて様子もおかしい。
おかしな点は2点ある。
まず一つ、猫たちが乱暴になるのは、平日のおよそ15時から17時までの間が中心であるということ。
そしてもう一つ、その猫たちはまるで酔っ払ってでもいるかのようだったということ。
……つまりはそういうことなのか?
「そうは言ってもこれはちょっと……行き過ぎじゃないか?」
なあ花遊、と
万条 幸次は飼い猫に話しかけた。
自転車のカゴにすっぽりと収まった愛猫は、にゃあ、と気の抜けた返事をする。
道に落ちていた枝を拾い上げると、途端に花遊が反応し、ちょーだいちょーだいとでも言わんばかりに一生懸命手を伸ばした。
それを与えると齧ってみたり舐めてみたり、そわそわしたり、ごろごろしたり……何やら忙しない様子。
やっぱりコレ、マタタビか。
「コレが原因なのか? でもフツウは猫にマタタビをあげても凶暴になるわけじゃないしなー」
自転車を押して歩きながら周囲をよく見てみると、そこいらにぼろぼろと不自然な枝が落ちているのがわかる。誰かがばら撒いているのだろう。
「マタタビのあげ過ぎも良くないって聞くし、こんなにたくさん落ちているようだったら、この辺りの猫たちが危ないかもしれない」
それに旧市街のみんなも……、と向けた目線の先にはごろごろすりすりとあざとく身悶えしている猫と、でれでれしながら不用意に近付く寝子島高校の男子生徒。
数秒後、彼がどうなったのかはお察しの通りである。
「うわー……お気の毒に」
猫に拒絶されたが故のしょんぼりとした背中に向けて、そう一人呟く幸次なのであった。
初めまして、敷石しじみです。
新米マスターですが、皆様にご満足いただけるよう、精一杯頑張る所存です。
どうぞよろしくお願いいたします。
シナリオの舞台は旧市街。
事件は平日のおよそ15時~17時の間に起こっていますが、健全な寝子高生であれば恐らく16時くらいまでは学校にいるはずなので、16時~17時の約1時間ほどのお話になります。
今回の事態ですが、何やら人為的な力が加わっているようです。
それをどうにかやめさせるのが、今回の主な目的です。
行動例としては、
・犯人を探す
・犯人の意図や目的を探る
・マタタビに夢中になってる猫をもふもふ(※多少の危険を伴います)
といったようなことが考えられます。
猫たちは酔っぱらい状態でマタタビに夢中のため、近付かなければそれほど危険はありませんが、
それでもやんちゃな猫たちですので、どうぞお気をつけて。