【イベントの概要】
寝子島高校の入学式を体験して、お祝いをするイベントです。
このイベントには、すべてのキャラクターが参加することができます。
【イベントの開催時期】
入学式はらっかみ!タイムの4月初旬、桜が満開の時期に行われます。
現実時間では6月30日から、少しずつ催しが行われます。
【プレゼント】
トピックやイベントごとにチケットのプレゼントが用意されることもあります。
公式トピックの全てに参加したキャラクターには、チケットを1枚進呈いたします。
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【イベント用トピックのご紹介】
◆進行用メイントピック
ご覧のトピックです。
イベントの流れ、他のトピックの説明などが書き足されていきます。ご確認ください。
※運営部専用トピックなので、コメントはご遠慮ください。誤って書き込まれた場合は削除いたします。
◆公式トピック
プレイヤーが書き込むトピックは、運営部がその都度用意します。
タイトルに【入学式】の文字が付きます。
トピックごとにロールプレイのやり方や決まりごとがあるので、ご注意ください。
◆非公式トピック
公式トピック以外に、自由に関連トピックを立てて遊んでください。
全体の流れより先に進まないように、お気をつけください。
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【式次第】
・新入生集合
・開式の式辞
・校長の式辞
・祝電の披露
・生徒会長の挨拶
・新入生の誓い
・校歌の斉唱
・教師の紹介
・閉式の式辞
※実際の入学式の内容次第では、一部変更となる可能性もあります。
1年5組黒野タケル
ええと、高校生活の3年間を穏やかで平和に過ごすことを、ちかいます。
黒崎先生がマイクの前に立ちます。
その落ち着いた声が、講堂を入学式らしい雰囲気に戻していきます。
「新入生の誓い」
これは選ばれた新入生が意気込みや希望を宣言していく、という寝子島高校入学式の伝統儀式です。
創立当初、活発な新入生が演説を始めてしまったことがあり、それならばと用意されたと言われています。
「先輩がマイクを持って回ります。
黄色いリボンの新入生はその場で立ち上がって、高校生活への意気込みや希望を語ってください」
例年恥ずかしくて黄色いリボンを隠してしまう新入生もいるものの、1人や2人はおかしなことを言う生徒もいて、2階席ではそれを期待している上級生が少なくありません。
緊張感漂う新入生の席に、マイクを持った担当の上級生が向かいました……。
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(プレイヤーのみなさまへ)
・出席確認トピックでにゃんぞろを出て当たった方(メールをお送りしました)は、
今ご覧のこのトピックに、この書き込みに続けて“新入生の誓い”を書き込んでください。
・最初にクラスと名前を、そのあとに誓い、意気込み、希望など好きなことを言ってください。
例)1年1組海原茂。
生徒が自主的に動き、学校をより良くしていくことを誓います。
例)1年5組七夜あおい。
3年間毎日自分で弁当を作ることに挑戦したいです!
・書き込みの期限は短くて恐縮ですが、7月21日(土)の23時59分までにお願いします。
同日12時(正午)までに書かれた内容の一部は、のちに公開されるオープニングストーリーに
掲載される可能性があります。
・書き込みは義務ではありません。
お忙しい方、気が向かない方、キャラクターに合わない方などは、書き込まなくても構いません。
入学式らしからぬ展開に戸惑う新入生も少なくありません。
しかし、これが寝子島高校。何が起こるかわからないのです。
理事長の言葉を受けて、新入生の席からも声があがり始めました。
「クーラー……できればつけてほしいな」
「空調設備無かったのかぁ。そんなの絶対おかしいよ。昭和じゃないのに」
「クーラーなんかいれなくてもグリーンカーテンにすればいいのに」
「へ? クーラーなかったのこの学校!?」
「クーラーは確かに欲しいかもー。クーラー! クーラー!」
夏のつらさを知る上級生は、クーラークーラーと叫んでいます。
それを受けて、理事長は決断したようです。
騒がしい講堂の中で、生徒会長に手でオーケーサインを作ってみせました。
講堂はドッと沸いて、拍手、口笛。
生徒会長は騒ぎを静めるべく、再び教壇をバンバンと叩きました。
会長は黙って、静まっていくのをじっと待ちます。
次第に入学式らしい空気を取り戻してたところで、最後にこう言って祝辞を締めました。
「新入生諸君……
これが自由と自律の学校、寝子島高校だ。入学おめでとう!」
「寝子島高等学校生徒会会長の祝辞。海原茂」
黒崎先生に呼ばれて、キリッとマジメそうな会長がステージに登ります。
メガネをクイッと上げて、話し始めようとしたそのとき――
2階席の上級生男子から「ウナバラサマー!」と黄色い声ならぬ野次が飛びました。
会長は野次を飛ばしたお調子者をキッと睨んでから、口を開きました。
「寝子高新入生の――」
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
今度は、講堂の外で大きなバイクの音が聞こえてきました。
何の音なのか、上級生にはわかるようです。
会長は呆れたように小さくため息をついてから、改めて話し始めました。
「新入生の諸君、入学おめでとうございます。
簡潔にお祝いの言葉を述べさせていただきます。
寝子高は生徒の自治を重んじた自由な校風が特徴です。
新入生の諸君も自由を享受できる分、それだけの責任を持つことを覚えておいてほしい。
もちろん自分たちの高校です。より良くしていくための義務と権利も持ってます。
たとえ些細な希望でも、それが生徒諸君の希望であれば、生徒会は全力で実現にむけて努力します。
それが寝子高生徒会の――」
そのとき、再び2階席から野次が飛びました。
「教室にクーラーつけてくれいッ!!」
2階席では拍手したり、口笛を吹いたり、囃し立てる生徒もいます。
生活指導の吉田先生はガタッと立ち上がって、会場は異様な雰囲気に包まれました。
生徒会長は教壇をドンッと叩いて、声を張りました。
「もう一度言う!
たとえ些細な希望でも、それが生徒諸君の希望であれば!
生徒会は全力で実現にむけて努力する。
大切な式典に遅れて来られた理事長!
今の希望を聞き入れていただけますか!」
「へ?」
先ほどのバイクの音は、桜栄(さくらえ)理事長だったようです。
今まさに、何事もなかったかのように席に着いたところでした。
バレたら仕方ないと立ち上がり、堂々と声をあげました。
「みんなの希望なの? 新入生も意見していいのよ?」
会長の機転と自由すぎる理事長によって、入学式は生徒総会の様相を呈してきました……。
(プレイヤーのみなさまへ)
たくさんの祝電ありがとうございました。
採用された祝電は、以下のツイートを元に一部アレンジして使わせていただきました。
寝子高1期生、猫柳九郎からの祝電
https://twitter.com/Utunomiya_souku/status/221473236985184256
寝子島電鉄からの祝電
https://twitter.com/falconry_8/status/221529675825037312
寝子島町警察署からの祝電
https://twitter.com/NoImage_Min/status/221484437232300032
遠き地のとある母からの祝電
https://twitter.com/siro_la_strada/status/222697183965753346
謎の人物からの祝電
https://twitter.com/tukine69/status/221650932939755520
小刀祢切奈の飼い猫の村雨からの祝電
https://twitter.com/nakiri2/status/222712743189426176
寝子島在住の野良猫、オス4歳からの祝電
https://twitter.com/Mary_Toto/status/221810602719453184
炙り出しの祝電?
https://twitter.com/koko2iru/status/222724146394697729
該当の方々には、後日チケットプレゼントのためのご連絡をツイッターDMにて行います。
しばらくお待ちください。
五十嵐先生のマイペースな祝電披露が続いています。
「えー、祝電です。
これ……まいいか。
『新入生たち、入学おめでとう。
さて、お前らがこれを聞いている頃には、俺はその島にはいないだろう。
俺は寝子島のある存在の秘密を知ってしまったのだ。
秘密を知った俺はこの島から逃げることにした。
お前ら、あいつの秘密だけは暴こうとするなよ。
じゃあな、楽しい学生生活を送りな』
えー、津止(つどめ)先生のことですかね」
津止先生は1年の担任の列に座って、微動だにせず一点を見つめています。
その七三にわけられた髪はピタッと整えられ、てかてかと黒光りしていました。
上級生は静かに頷いています。
たしかに津止先生は怪しい雰囲気があり、秘密があるなら暴かない方がよさそうです。
「えー、次の祝電です。
……読めません。えー、
『小刀祢切奈の飼い猫 村雨』
ああ、猫からですね。
えー、次です。
『みゃあみゃ?
寝子島在住の野良猫、オス4歳』
野良猫も新入生を祝福しています。
えー、最後の祝電です。
ん、これは……?」
本当に祝電なのか、まぎれこんだだけなのか、手にしたのは真っ白な紙でした。
五十嵐先生はその紙をライトに当てて透かしたり、こすったりしたかと思うと、
おもむろにポケットをまさぐって、柄の長いライターを取り出しました。
会場がざわざわする中、かまわず「祝電」を炙ります。
黒崎先生は、その必要はないと思ったのでしょう。
席を立って止めに行きます。
が、校長先生がその腕を強く掴みました。
つまらない冗談を言っていた時とはうって変わって、渋い表情です。
黒崎先生は、静かに席に戻りました。
五十嵐先生が、ライターをしまって話し始めます。
「炙り出しの加工が施されていました」
会場の空気が一気に重く、張りつめます。
「えー、読みます。
『この世で最も恐ろしいのは、始める行為を怠ることだ。
シトラス・ガムダン』
これにて祝電の披露を終わります」
校長先生が頭をペシッと叩いて、黒崎先生に笑ってみせています。
黒崎先生は大きく息を吐くと、校長先生を無視して立ち上がり、マイクに向かいました。
「ああ、ほんとに僕が読むのか……」
実験のことしか頭にない化学の五十嵐先生は、いつも薄汚れた白衣を着ています。
さすがに今日はジャケットですが、いつも通り、その目はボサボサの前髪に隠れて見えていません。
マイクの前に立って、髪の隙間から読み始めました。
「1年5組担任、五十嵐です。
えー、祝電です。
『新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
私が寝子高に入学した60年前と比べ、世相も入学する生徒も随分かわりました。
が、寝子高の伝統は変わらず受け継がれています。
良き学生生活を送ると共に、伝統も引き継いでいって貰いたいと願っております。
寝子高1期生 猫柳九郎』
えー、大先輩からのお言葉でした。僕は知らない人です。
次の祝電です。
『皆様、ご入学おめでとうございます、皆様の為に私共もより一層の安全運転を心がけております。
そこで皆様に一つお願いがあります。
遅刻が危うくても無理なご乗車、駆け込み乗車はおやめ下さい。締まるドアにご注意を。
それでは皆様の高校生活出発進行~。
寝子島電鉄 社員一同』
えー、ねこでんの人からでした。僕は徒歩です。
次です。
『新入生の皆様、この度は御入学おめでとうございます。
警察関係者一同、一言のご挨拶を申し上げます。
堅苦しい挨拶はここまでだ。
入学したからって羽目を外して、俺達に厄介になるような事になんじゃねーぞ?
仕事を増やされるのは面倒なんだ。
寝子島町警察署……』
えー、最後が滲んで見えません。
何かをこぼした跡が……これは成分を調べてみれば分かります」
この警察署には、生徒が暴走した際にお世話になることがあるようです。
吉田先生は思うところがあるようで、盛んに頷いています。
「えー、次です。
『新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
この良き日にあたり、心から祝辞……あああ、慣れないこと書くモンじゃないね!
とりあえずアレだ、これからの3年間きばりんしゃい! 挫折したら承知しない!
あんたらを応援してくれてる人は一杯いるんだかんね!
遠き地のとある母より』
えー、何かの間違いでしょうか。失礼しました。
次の祝電は……」
祝電は半分読み終わったところですが、会場には鼻をすする音が聞こえてきました。
吉田先生が、今の祝電に共感したようです。
新人事務員の鈴木君は、祝電を持って講堂に走っています。
できたばかりの彼女とメールしていて、遅くなったようです。
校長先生の話が短かったら、間に合わなかったことでしょう。
事務室の彼のデスクには、携帯ゲーム機が残されていました。
画面は今流行の恋愛ゲームで、髪がピンクの「彼女」が何か言っています。
「ヒロ君。たくさんメールできて、楽しかったな♪」
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(プレイヤーのみなさまへ)
校長先生の話が終わりましたので、式次第は祝電の披露に移ります。
祝電は、入学式イベント終了まで受け付けますが、
式の中で披露する祝電は、7月16日(月)正午までの投稿分から選びます。
投稿の手順などは今ご覧のトピックのコメントNO.5に記載しています。
ぜひ、お気軽にご参加ください!
かなりの時間が経ちましたが、校長先生の話は続いています。
「皆さん、かの哲学者シトラス・ガムダンがこんなことを言っていたのをご存知でしょうか。
――この世で最も恐ろしいのは『始める』行為を怠ることだ」
話はループしていました。
そのせいで意識が朦朧としてしまったのでしょうか、1人の生徒が何かぶつぶつ言い始めました。
「始める必要はありません」
芸術科の新入生、岩国(いわくに)ソワカです。
演劇を学ぼうとしている彼女の声は徐々に大きくなっていきます。
「私たちの高校生活は既に始まっているのです。
そう、誰もここから出ることはできない、誰も先には進めない! それが寝子島の世界!」
彼女はすぐにハッとして「演説」を止めましたが、周辺は騒然としています。
校長先生には聞こえてたのかどうか、動じることなくにっこり笑顔で話を続けました。
「本校がある寝子島は、猫が多くいることで有名です。
かの哲学者シトラス・ガムダンは猫についてこのように言っています。
――この世で最もかわいいのは『猫』である」
もう何の話かわからなくなってきました。
その頃、新入生の畑中華菜子は眠気と戦っていました。
「ね、ねむいアル……ラーメン……誰か起こして……ラーメン…………」
確実に眠っています。
見かねた隣の生徒は、頬をぎゅっとつねりました。
「にゃー!」
思わず叫んだその声に、校長先生が反応しました。
時計をチラッと見て、髪の無くなった頭をぺしぺしと叩いて言いました。
「虫の知らせ、いやいや、猫の知らせですかね。ほほ
最後にかの哲学者シトラス・ガムダンの言葉を引用して、新入生諸君に捧げたい、そう思います。
――この世で最も恐ろしいのは『始め」
シトラスの言葉は省略しますが、これで校長先生の長い話がようやく終わりました。
小さくおじぎをして、ライトを頭に反射させると、微笑みながらステージを降りました。
司会の黒崎先生が、立ち上がってマイクに向かいます。
この後はきっと、滞りなく入学式が進行されていくことでしょう。
(プレイヤーのみなさまへ)
校長先生の長い話を止めるためのミニゲームを開催します。
入学式を終わらせて新しい学校生活を始めるために、新入生みんなで協力して止めてください。
1.専用トピック http://rakkami.com/topic/read/111 に、
話を止めるためのロールプレイ(作戦)を書き込んでください。
物を投げたり壊したりすることなく、話していられない状況を作ってください。
・誰かに何かを言おうとする(例:野次をとばす。教頭先生に頼みに行く)
・自分がトラブルの元になろうとする(例:倒れて運ばれる。ケータイを鳴らす)
※1人のキャラクターが連続して書き込むことはご遠慮ください。
※1日につき5回まで書き込むことができます。書き込み内容(作戦)は毎回同じでも構いません。
2.表示されたサイコロの目を確認してください。
白でも黄色でも、肉球が2つ並ぶピンゾロならぬ“にゃんぞろ”が連続で出たら成功です。
※自分が書き込んだ中での連続ではありません。
直前・直後に書き込まれた同級生のサイコロの目とあわせての連続です。
※成功した書き込み以外は、原則として「実行しなかった・できなかった」ものとみなされます。
進行用メイントピックで、書き込まれた行動に合わせて校長先生の話が止まり、式が進みます。
採用される行動は、連続にゃんぞろで書き込まれた内容の2件両方です。
行動の内容によってはそのままの形ではなくアレンジして描写されますので、ご了承ください。
※にゃんぞろが連続したときのキャラクター2名には、チケットを2枚ずつプレゼントします。
こちらのトピックは、入学式イベント全トピック参加によるプレゼント対象ではありません。
※にゃんぞろがいつまでも連続して出ない場合、校長先生の体力が続く限り話が続きます。
入学式を早く終わらせるためにも、お友だちとお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
校長先生がにこにこ笑顔でステージに上がりました。
マイクの前に立つと、にっこり微笑んで話し始めました。
「チャ……こほん、えー、おはようございます。
新入生諸君、入学おめでとうございます。
来賓の皆様、お忙しい中お集まりいただいてありがとうございます。
本日は新入生の皆さんを祝うように、空も雲ひとつない快晴です。
このような素晴らしい日に、皆さんを迎え入れることができ、
私たち教職員一同、喜びに震えています。
もしかしたら、寄る年波のせいかもしれませんが……?」
明らかに笑いを期待してる表情です。
教職員の一部だけが接待笑いをしていますが、会場は静まっています。
校長は気にせず、話を続けます。
「こほん。
さて、新入生の皆さんは今日から我が寝子島高校の生徒となるわけでありまして、
我が校の制服を着て寝子島を歩くのだという自覚を持って行動していただきたい、そう思います。
皆さんの良い行い、悪い行いを島民はしっかり見ています。
寝子島高校の制服に恥じぬ生活を送っていただきたい、そう思います。
しかし、だからと言って妙に改まったり、かしこまったりする必要はありません。
皆さんには、むしろ積極的に活動の場を広げていっていただきたい、そう思います。
これまで経験したことのない、たくさんのことがきっとこれからの生活で待っているでしょう。
かの哲学者シトラス・ガムダンは、こんなことを言っていたそうです。
――この世で最も恐ろしいのは『始める』行為を怠ることだ。
これが意味するのは、何事にも果敢に取り組む姿勢が大事だということに他なりません。
勉強だけでなく、全ての経験が皆さんの頭に糧となって積まれていく、そう思います。
ちなみに、私の頭は経験が糧にならず、ハゲになっただけですが。ほほ」
会場はしーんとしてますが、校長は全く動じる気配がありません。
話はまだまだ続きそうです。
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(プレイヤーのみなさまへ)
話が長いので、止めていただくためのミニゲームを開催します。しばしお待ちください。
「礼……着席」
立ったまま新入生を見ていた吉田先生も、イスをぎしぎし言わせながら着席しました。
黒崎先生が、新入生の着席の様子を確認して言葉を続けます。
「開式の式辞
泉教諭、お願いいたします」
1年の担任教師が並んでいる列から、ひときわ異彩を放っていた先生が立ち上がりました。
長くて白い髪の年配の男性ですが、不思議と若々しさを感じます。
ゆっくりステージに上がるとともに背筋がすっと伸び、その目は輝いています。
「これより第61回私立寝子島高等学校入学式を挙行します」
マイクから離れていましたが、その声は朗々と講堂中に響き渡りました。
泉先生は、最後に新入生を見てかすかに笑みを浮かべ、頷いてみせました。
人気がある先生のようで、2階席の上級生はざわっとしています。
泉先生が着席して、黒崎先生が式を進行させていきます。
「寝子島高等学校校長の式辞
学校長、お願いいたします」
校長先生が、にっこり笑って立ち上がりました。
無難に始まったかに見えた入学式ですが、新たな戦いが幕を開けようとしていました……。