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【体育祭】フリーダム！ ネココー流応援合戦～白猫組サイド
次にパフォーマンスをするのは、黒猫組の椿 美咲紀だった。
「私の舞で、ほんわか和んでもらえたらいいな～」
美咲紀が見せるのは、花を持っての舞だ。虹色のショールを身にまとい、7色の花を手に踊る。花は自宅の庭で育てたものだ。
マイクが入り、自分の名前が呼ばれる。美咲紀はゆったりとした滑らかな足どりでグラウンドに出て行った。
紫と藍色はトルコキキョウ。
青はブルーデイジー。
赤、オレンジ、黄色はガーベラ。
緑はネコジャラシことエノコログサだ。雑草なので普段なら抜くところだが、これもれっきとした花の一種なのだ。
（大切に育てたお庭の花たちを体育祭でお披露目できるの、とても嬉しいです！）
虹色のショールを肩に羽織り、腰にはロングパレオのように巻きつけて女の子らしさを演出した。ショールは動きとともにひらひらと動き、見る者の目を楽しませる。
花を両手に、風と戯れるようにゆっくり体を回転させる。ひそかにろっこん「舞花の祈り」が発動、けが人が癒される効果も生んだ。
（さっき、けがしちゃった子がいましたね）
舞を見守っていた本田 誠也は、ふと自分の体の変化に気づく。
「……あれ？」
応援旗リレーで転んだ時擦りむいた膝の傷が、綺麗に治っていった。誠也に向かって微笑みかける美咲紀。
「まあ、いいか。それにしても、綺麗っす。天使みたいっす」
そう、美咲紀にとって一番嬉しいのは、舞をみて「美しい」と思ってもらうことなのだ。
（毎日練習したからね、夜中にこっそり！）
すっかり優しくなった風がショールをはためかせる。美咲紀は要所要所で観客席に向かってにっこりと笑い、八重歯を見せた。敵味方関係なく、観客皆が癒された。
舞が終わって拍手が起きると、美咲紀は上品に少し膝を折ってお辞儀をした。
審査員にコメントが求められる。まずはまゆ先生。
「こういうゆったりした動きほど実はハードで、スタミナいるのよね～。お疲れ様です！」
続いて、フジコ先生。
「虹の配色を上手く使っていたと思うわ。お花も綺麗だったけど、一番綺麗だったのは貴女自身よ！」
最後に、校長が締める。
「見ていて心が洗われるような、癒しの舞でした。今回の得点は、82点です！」
「続いては、黒猫組より、1年普通科5組の維剣 姫乃さんです！」
グラウンドにアナウンスが響く。舞台に姿を見せた姫乃が身につけているのは、自作の猫耳、そして肉球と尻尾だ。コスチュームはちょっと迷ったが、体（特にバスト）のラインがよくわかる黒のチア衣装。尻尾につけた赤リボンと黒のハイソックスがポイントだ。衣装は縁取り部分を赤くしてコントラストをつけた。ポンポンの代わりに、両手に肉球がはめてある。
（ノリノリの応援スタイル……衣装作った時はちょっと応援にも参加しちゃおうかな、とも思ったけど）
まさかの、「なにかの間違いで応援合戦に登録」という事態。
（応援合戦！？ 大舞台にも程がある……もう、仕方ないなあ）
姫乃は開き直って、グラウンドに姿を見せる。大胆な衣装はやはり注目の的になった。
（うう……だけどやっぱり恥ずかしいな）
でも、ここまで来たら仕方ない。姫乃は大きめの胸を張って演技を開始した。
「フレー、フレー、黒猫！」
まずは、練習してきたチアダンスを披露。うまくできるかは分からないが、失敗するにしても前のめりの気持ちで臨む。可愛い肉球を左右に振って、ステップを踏む。下手でもいい、応援したい気持ちを伝えよう。きっと、なんとかなる！ 黒猫組の仲間も、手拍子や相の手を入れて一緒に応援してくれている。ひとりじゃないんだ！
短めのダンスが終わると、肉球をはずしてグラウンドに用意してあった竹刀を手にとった。人に見られながらでもできることはないか、思いついたのが剣術の演武。竹刀を握れば気持ちは落ち着き、笑顔を浮かべる余裕も出てくるだろうと思ったのだ。
演武は、剣術の達人である祖父の演武の見様見真似。だが、今は黒猫の姿なので、可愛らしい動きを意識した。構え、払い、突き。動きはシンプルでなめらかだが、笑顔を振りまくことも忘れない。イメージは、小さく可愛いけれどすばしこい肉食獣だ。
締めくくりは、自己流のアレンジを加えた。竹刀を大きく横に振って、決めポーズを取る。白猫組の前を「黒猫が横切る」というわけで、黒猫組の勝利のために縁起を担いだのだ。
満場の拍手に、姫乃は照れ笑いをしながら、再び肉球をはめ、両手を振った。
さて、審査員の講評は―――
「一生懸命さが伝わりました！ 難しい動きもそつなくこなしていて素晴らしいです」
と、まゆ先生のコメント。
「手作りの黒猫ちゃんの衣装がキュートね！ 振り付けも可愛くてグッド！」
とは、フジコ先生の言だ。
「伝統的なものに創意工夫を加えたところに好感が持てました。得点は、84点！」
校長が得点を発表、今一度姫乃への拍手が起きた。
「私の舞で、ほんわか和んでもらえたらいいな～」
美咲紀が見せるのは、花を持っての舞だ。虹色のショールを身にまとい、7色の花を手に踊る。花は自宅の庭で育てたものだ。
マイクが入り、自分の名前が呼ばれる。美咲紀はゆったりとした滑らかな足どりでグラウンドに出て行った。
紫と藍色はトルコキキョウ。
青はブルーデイジー。
赤、オレンジ、黄色はガーベラ。
緑はネコジャラシことエノコログサだ。雑草なので普段なら抜くところだが、これもれっきとした花の一種なのだ。
（大切に育てたお庭の花たちを体育祭でお披露目できるの、とても嬉しいです！）
虹色のショールを肩に羽織り、腰にはロングパレオのように巻きつけて女の子らしさを演出した。ショールは動きとともにひらひらと動き、見る者の目を楽しませる。
花を両手に、風と戯れるようにゆっくり体を回転させる。ひそかにろっこん「舞花の祈り」が発動、けが人が癒される効果も生んだ。
（さっき、けがしちゃった子がいましたね）
舞を見守っていた本田 誠也は、ふと自分の体の変化に気づく。
「……あれ？」
応援旗リレーで転んだ時擦りむいた膝の傷が、綺麗に治っていった。誠也に向かって微笑みかける美咲紀。
「まあ、いいか。それにしても、綺麗っす。天使みたいっす」
そう、美咲紀にとって一番嬉しいのは、舞をみて「美しい」と思ってもらうことなのだ。
（毎日練習したからね、夜中にこっそり！）
すっかり優しくなった風がショールをはためかせる。美咲紀は要所要所で観客席に向かってにっこりと笑い、八重歯を見せた。敵味方関係なく、観客皆が癒された。
舞が終わって拍手が起きると、美咲紀は上品に少し膝を折ってお辞儀をした。
審査員にコメントが求められる。まずはまゆ先生。
「こういうゆったりした動きほど実はハードで、スタミナいるのよね～。お疲れ様です！」
続いて、フジコ先生。
「虹の配色を上手く使っていたと思うわ。お花も綺麗だったけど、一番綺麗だったのは貴女自身よ！」
最後に、校長が締める。
「見ていて心が洗われるような、癒しの舞でした。今回の得点は、82点です！」
「続いては、黒猫組より、1年普通科5組の維剣 姫乃さんです！」
グラウンドにアナウンスが響く。舞台に姿を見せた姫乃が身につけているのは、自作の猫耳、そして肉球と尻尾だ。コスチュームはちょっと迷ったが、体（特にバスト）のラインがよくわかる黒のチア衣装。尻尾につけた赤リボンと黒のハイソックスがポイントだ。衣装は縁取り部分を赤くしてコントラストをつけた。ポンポンの代わりに、両手に肉球がはめてある。
（ノリノリの応援スタイル……衣装作った時はちょっと応援にも参加しちゃおうかな、とも思ったけど）
まさかの、「なにかの間違いで応援合戦に登録」という事態。
（応援合戦！？ 大舞台にも程がある……もう、仕方ないなあ）
姫乃は開き直って、グラウンドに姿を見せる。大胆な衣装はやはり注目の的になった。
（うう……だけどやっぱり恥ずかしいな）
でも、ここまで来たら仕方ない。姫乃は大きめの胸を張って演技を開始した。
「フレー、フレー、黒猫！」
まずは、練習してきたチアダンスを披露。うまくできるかは分からないが、失敗するにしても前のめりの気持ちで臨む。可愛い肉球を左右に振って、ステップを踏む。下手でもいい、応援したい気持ちを伝えよう。きっと、なんとかなる！ 黒猫組の仲間も、手拍子や相の手を入れて一緒に応援してくれている。ひとりじゃないんだ！
短めのダンスが終わると、肉球をはずしてグラウンドに用意してあった竹刀を手にとった。人に見られながらでもできることはないか、思いついたのが剣術の演武。竹刀を握れば気持ちは落ち着き、笑顔を浮かべる余裕も出てくるだろうと思ったのだ。
演武は、剣術の達人である祖父の演武の見様見真似。だが、今は黒猫の姿なので、可愛らしい動きを意識した。構え、払い、突き。動きはシンプルでなめらかだが、笑顔を振りまくことも忘れない。イメージは、小さく可愛いけれどすばしこい肉食獣だ。
締めくくりは、自己流のアレンジを加えた。竹刀を大きく横に振って、決めポーズを取る。白猫組の前を「黒猫が横切る」というわけで、黒猫組の勝利のために縁起を担いだのだ。
満場の拍手に、姫乃は照れ笑いをしながら、再び肉球をはめ、両手を振った。
さて、審査員の講評は―――
「一生懸命さが伝わりました！ 難しい動きもそつなくこなしていて素晴らしいです」
と、まゆ先生のコメント。
「手作りの黒猫ちゃんの衣装がキュートね！ 振り付けも可愛くてグッド！」
とは、フジコ先生の言だ。
「伝統的なものに創意工夫を加えたところに好感が持てました。得点は、84点！」
校長が得点を発表、今一度姫乃への拍手が起きた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年01月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年01月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年01月08日 11時00分
