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夕焼け小焼けの約束を
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その空は、段々と黄昏から宵に近づいていく間の、一番深い夕焼けの色をしていた。
思えば――それは、理緒が本土で暮らしていた、もう十年くらい前の出来事だった。理緒が、当時十歳になったかならないかくらいで、既に周囲からは『勉強ジャンキー』と揶揄われる程に勉強しかしていなかった頃。
理緒にとって、勉強は全てだった。好きでも嫌いでも愛していた訳でもない。ただ子供であった理緒にとっては、親の方針として指し示されたものが総てだった。ただ、それだけ。
当時は、今の理緒の天職であるグラビアアイドルなど、視界にすら入ってもいなかったし、思考の片隅にも浮かばなかった、そんな頃――今日は、日曜日なのに塾に行き、日が傾くまで勉強してきた。
そんな帰り道――理緒は偶然、道路の端でしゃがみ込んでいる女の子の存在に気がついた。
とても可愛い女の子だと思った。自分とは対照的に、少し儚げな花が似合うような、見た目ではとても気の弱そうな女の子。そんな子が、夕焼けの影が落ちる道で、ひとり座って泣いていた。
「どうしたの?」
理緒は思わず声を掛けた。悲しげに泣いていた少女は、理緒と同じくらいの年だろうか。女の子は、目に涙を溜めて小さくしゃくり上げながら、自分が親と一緒に本土に来て、ひとりだけ迷子になってしまったのだとそう告げた。
それを聞いて、理緒は自分がいつも前を通る交番があるのを思い起こして、女の子の手を取った。子供心であっても、そこまで行けば安心だろうと思えたのだ。
「だいじょうぶだよ」
理緒は、泣きじゃくりながら立ち止まって、両親を呼ぶ女の子を必死に何度も慰めて。手を握って、それでも無理には引っ張らずに、何度も頭を撫でて声を掛け続けた。
そして交番に到着して、大人のお巡りさんに声を掛けて、迷子を連れてきたと、そう伝えた時――本当ならば、理緒はそのまま女の子を預けて家に帰っても良いはずだった。
しかし、帰ろうとした瞬間、理緒の耳はその女の子の言葉を捉えたのだ。
『もう、迎えに来てもらえないかもしれない』と。
その弱気になってそう呟いた女の子の言葉が、何故か理緒には耳に残って離れなかった。
年を多少なりとも重ねれば、大体ここから先は個人でどうにかできる問題ではないと云うのは分かることだった。理緒も年頃に対して非常に聡く、交番まで来れば後は改めて出来ることはないと、よく理解していたが――それでも、放っておくことはどうしても出来なかったのだ。
「……」
理緒は、心細さからずっと泣いていた女の子の手を取って、ぎゅっと強く握り締めた。ただ、安心させてあげたかった。『本当に親が迎えに来なかったら、この子はずっとさびしいに違いない』と、深く心からそう思ったのだ。
「――」
女の子は、一瞬だけ驚いたように理緒の顔を目に留めた。
それから、静かに泣き止んで自分の不安の穴を埋めるように、こちらの手を同じように強く握り返した。
一時間ほど、待っただろうか。外はもう真っ暗で、日は完全に落ち切っていた。
理緒が見つめる世界で、少しずつ夜の闇が深くなっていく。流石に幼少の理緒ですら『もし、この女の子の親が本当に来なかったらどうしよう』と思い始めた、そのとき。
ようやく――女の子の親とおぼしき人物が、血相を変えて交番に迎えに来たのだ。
理緒は、その光景を見つめて深く長い安堵の息をついていた。女の子は親の腕の中でずっと泣きじゃくった後、こちらを見て、小さく笑ってみせた。それは、涙でぐしゃぐしゃだったけれども、本当に花のような笑顔だった。
その女の子の様子に、理緒は胸を撫で下ろしていた。そうして、女の子と握っていた手は、いつしかしっかりした握手へと変わっていた。
泣き止んで、まだ目の赤い女の子は、それでも凄く可愛かったのだと。理緒の心には強く残っている。
そして別れ際となる握手を交わしながら、理緒もその女の子も、互いにひとつの約束をしたのだ。
――また会おうね、と。
「……あぁ、」
――理緒は、忘れていた。どうして忘れていたのだろうと思うくらいに、それは心に刻まれながらも、完全に失念していた事柄だった。これは、思い出せばひどく懐かしい、まるでこの駄菓子の味のように遠い昔の出来事。
(あの時の女の子、今どうしてるかな──)
想いを馳せる。結局、その後女の子と会うことは無かった。幼い頃の約束というものは、得てしてそういうものであると分かっていたが。
「ぁ……」
ふと、側で一緒に駄菓子を食べていた紗月も、同じように声を上げていた。もしかしたら、紗月も何か思い出すような事があったのかもしれない。
少し興味深く理緒が顔を向けた先、気付けば紗月はこちらをじっと見つめていて――ふわりと、ただ柔らかく微笑んだ。
紗月は、思い出していた。
唐突で、でも鮮やかに。
その約束は――もう『果たされたのだ』ということを。
「(まだ、気付いていないのかな……)」
紗月がこっそりと覗き込んだ理緒の顔は、再び何かを考え込むように、テーブルの上の駄菓子へと戻されていた。
こちらの顔を見ても、『思い出した』という様子は見受けられなかったけれども。
紗月は、ただ、思っていた。
――あのとき握ってくれた手、温かかったよ――。
そう伝えたくなるのを、ほんの少しだけ我慢したのだ。
「……」
思い出してしまうと、一緒に約束した相手に思い出してもらえない、その事がちょっとだけ寂しくはある。しかし、自分だけがこの秘密を知っているという事実は、少しだけもどかしいけれども、それは同時にほのかに誇らしいものでもあったのだ。
あの時は、考えもしなかった。
未来は可能性に溢れていると聞いても、こんな事を直に聞いたとしても、多分実際に思い浮かべるのは不可能だっただろう。
「(まさかわたしが今、理緒ちゃんと同じグラドルとして活動していて、一緒に同じ大学に通っていて――そして、まさか恋人同士だなんて……。うん、あの頃のわたしは、想像もしなかっただろうな)」
そう思うと、紗月は小さく理緒に微笑みを傾けずにはいられない。
――そう、自分達は高校一年生の音楽室で、流れるピアノの音に導かれたように、お互い出会ったのだと思っていたけれども。
本当は、それより昔の夕焼けで。
実は、もう巡り会っていたのだと――。
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あとがき
担当マスター:
斗々
ファンレターはマスターページから!
この度は、シナリオにご参加頂きまして、誠に有難うございます! この度、MSをつとめました斗々と申します。
今回は、『懐かしい約束を思い起こさせてくれる駄菓子屋』をコンセプトにシナリオを出させていただきましたが、参加者様のお陰をもちまして非常に思い出深い執筆時間を過ごさせていただきました。大変光栄なシーンを預からせていただき、この上ない幸せでございます。
機会がございましたら、またお目にかかれれば幸いでいございます。この度は本当に有難うございました!!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年03月21日
参加申し込みの期限
2026年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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