模様替えしよう！｜リアクション

模様替えしよう！

小山内海は『カインズニャーム』の自動ドアをくぐった。海はメモを片手に店内を見回す。今日は棚を作るための材料を探しにきたのだ。
（良いサイズのものがあればいいけど）
　イメージ通りの棚が出来れば良いのだが。
『新生活フェア』でDIY用の材料がそろっている。
　ネジ穴を空けるのは面倒なので、釘で作ろうと思っていたのだが、
（こんなのあるんだ）
　それは棚を作るためのキッドだった。材料が全て箱の中に収められていてネジを締めるための道具も中に入っている。説明書見て作るだけの簡単な商品だが。
（これは……迷う）
　キッドは数十種類あり、探せば求めているデザインの棚が見つかりそうだ。その場合、手間は半分以下に抑えられる。
　海は少し考えたものの、キッドに頼るのは止めることにした。今回はイメージ通りの、理想の棚を作ろうと。
　ふと視線を向けると、柄板というコーナーがあった。
「？」
　海はそのコーナーの前へ。
「いらっしゃいませ。柄板をお探しで？」
　素早くスケブに書き込む。
『柄板というのは？』
　店員はすぐに海の事情を察したようだ。柄板という物を手に取る。
「見ての通りなんですが、柄板はすでに塗装されたもので、ほら、水玉柄や星板などがあります。大きさも種類があるのでこちらでカットして自由にお使い頂けます」
　またしても手間省きの誘惑が。
　それでも今回は手作りにこだわる。
　スケッチブックで普通の板を塗装したいと伝える。
「ご自分で塗装ですね。個人的にスプレー塗装がおススメです。簡単にムラなく綺麗に仕上がります」
　スプレー缶での塗装も楽しそうだ。
「模様をつけられるシールなんかもありますよ」
シールを貼って塗装して剥がすと、模様がつけられるというものだ。
「おススメは猫模様ですね」
『自分で模様の形を作ることも？』
「ええ、できますよ。このシールを好きな型にカットして張り付ければ使い方は一緒ですので」
　海は最終的に板とスプレー缶、柄つけようのシールを買って帰ることにした。

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