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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
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●小さな恋の始まりの物語
放課後、
椎名 あさひ
はリボンできゅっと結んである可愛らしい袋を持って、校舎内の色んな所をひょこりひょこりと覗いていた。
「ゆきくん、どこかなぁ……?」
今日あさひは、母に教えてもらって作ったトリュフを仲良しの友達に渡そうと学校に持って来ていた。
朝にはクラスの友達に。休み時間に同学年の友達に。そして他の学年の友達には今さっき渡してきたばかりだ。
けれど、あさひの手にはラッピングされた袋があと1つ。
この袋はちょっと特別だった。今日みんなに渡したトリュフは全部丸い形だけ。でも、この袋の中のトリュフは丸い形のものと、1つだけ……小さなハートのかたち。
袋もリボンもみんなと同じだけど、少しだけ中身が違うこの袋。他の友達とはちょっとだけ、違うチョコが入っているこの袋。一生懸命作ったハートの形を思い出すと、あさひの小さな胸は何だかドキドキしてしまう。
あさひはこのチョコを1つ年上の仲良しの男の子、
双葉 由貴
に渡すつもりだった。
けれども4年生の教室を覗いてみても、由貴の姿はない。では帰ったのかと思って靴箱を覗いてみると、まだ靴は残っている。
「ほら、早く帰りなさい」
教師があさひの後ろから声をかけてくる。
「はぁい!」
と、あさひは元気よく返事をしてその場を離れたが、本当はもうちょっと校内を探してみるつもりだった。
……だって、今日はバレンタインだから。
由貴は寝子小の屋上の手摺りにもたれ、白い息を吐きながら物思いにふけっていた。
バレンタイン。
由貴は昔イギリス人の祖母に、バレンタインは男が女性にプレゼントをするのだと聞いた事がある。
日本のものとはちょっと違うと幼心に思ったけれど。
同時に由貴は思ったのだ。自分が贈りたい相手ができたらきっと自分から贈ろうと。
そしてここ最近。
バレンタインが近付いてくると椎名あさひの顔が、キュッと軽い痛みと共に由貴の胸に浮かぶようになった。
あさひが笑うとドキドキして。
あさひが泣きそうになったら俺が守ってやらなきゃと思って。
ああ、と由貴は手摺りを掴みながら空を仰ぐ。
俺はあさひが好きなんだ。
だから、バレンタインの事を考えるとあさひの顔が浮かぶんだ。
これまでのドキドキの理由がすとんと胸に入ってきて、由貴は妙に納得してしまった。
「そっか、好きなんだ……」
小さく声に出すと、自分の顔が熱くなるのが分かった。
―――でも、悪くない。
(好きな人が出来てからが重要だって、ばあちゃんが言ってたしな)
由貴はそっと手元に目をやった。
そこには、赤い薔薇が一輪。
ここ数日一生懸命に考えて、あさひに贈ろうと買ったものだ。
今の自分にはこれくらいしか用意出来ないけど。これが小学生の由貴に出来る精一杯の気持ちだった。
(で、渡したいんだけど……)
薔薇を見つめながら由貴は軽く溜息をつく。
気は強いが照れ屋の由貴。どうもこういう方面だといつもの思い切りの良さも影をひそめるようだ。いざとなるとどうしていいか分からず、空を仰いで物思いにふけっていたのだった。
その時、元気な声がした。
「ゆきくん、みーつけた!」
驚いて後ろを振り向くと。
屋上の出入口に、あさひがにこにこしながら立っていた。
(―――ゆきくん、いた!)
屋上に続く階段を上りきり、由貴の背中を認めたあさひの心臓はトクンと跳ねた。
だけどあさひはドキドキがばれないように大きな声で呼びかけ、由貴の方に歩み寄る。……足、ちゃんと動け!
何だか由貴は驚いているようだ。けれどそれを問いただすほどあさひの方にも余裕はなかった。いつもよりちょっと早口になりながらあさひは由貴に包みを差し出した。
「あのね、バレンタインだからみんなにチョコつくったんだよ。ゆきくんももらってくれる?」
笑顔で言いながらもあさひのドキドキは最高潮になる。顔、赤くなってないかな? 渡し方、変じゃなかったかな?
由貴は。
ちょっと固まって大きな瞳をこぼれんばかりにめいっぱい見開き驚いていたが、少し顔を赤くしてそれを受け取った。
「ありが……とう」
「どういたしまして!」
(……受け取ってくれた!)
あさひは心底ほっとしながら返事をする。と、その声に弾かれたようにハッと由貴が背筋を伸ばして瞬きした。
「あ! 俺も……これ」
ずいっ。
あさひの目の前に赤い薔薇が出現した。
「わー、きれいなバラだねぇ! あさひもらっていいの?」
あさひの言葉に由貴はこくこくと無言で頷く。
あさひはドイツの祖母の言葉を思い出していた。
『バレンタインは本当はチョコの日じゃなくて、コイビトのための日なんだよ』
目の前のバラ。
分かってる。
ここは日本だもの。
ゆきくんはそんなつもりでくれてるんじゃない。
でも。
もしも、もしもここが日本じゃなかったら。
……ゆきくんが、バレンタインの本当の意味を知っていたら。
―――ぶんぶん!
あさひは自分の顔の赤さを振り切るように大きく首を振り、にっこり笑って両手を伸ばした。
「ありがとう!」
薔薇を大事に受け取ったあさひを見て、由貴はほっと安堵の息をつく。途端にボボボッと自分の顔が赤くなった気がして、慌ててプイと横を向いた。
そしてふと自分がもらった包みに目がいった。その包みをじっと見ながら由貴が口を開いた。
「あさひ」
「ん?」
薔薇の花をしげしげと眺めていたあさひが顔を上げた。
「……チョコ、他の奴にも渡した?」
由貴の問いにあさひは躊躇なく答えた。
「うん、わたしたよ?」
(……ゆきくんのだけ、とくべつだけど)
心の中で付け足しながら。
そして2人は一緒に帰った。
あさひはいつもよりよく喋り。
由貴は心なしか口数が少ないようだ。
そして2人の家の分かれ道。
「じゃあねぇ、ゆきくん! バラ、ありがとう!」
無邪気に笑うあさひに、由貴は真顔で向き直った。
「こっちこそ、チョコサンキュ……でもさ、いつか……」
「いつか?」
伏し目がちになった由貴にあさひは首を傾げる。と、突然スッと由貴が近づき、あさひの耳元に囁いた。
「いや、いい……でもあさひ、これから覚悟しろよ?」
その由貴の声がびっくりするくらい低くて、大人っぽくて……近くて。
あさひは思わず耳を押さえて顔を真っ赤にしてしまう。
由貴はそんなあさひにニッと笑うと。くるりと背を向け走って行ってしまった。
―――でも、いつか。バレンタインはあさひが俺だけにチョコを渡す日にしたい。
由貴はほんとはそう言いたかった。
けれども1人歩いて帰る今の自分の顔は、きっと恐らく真っ赤だろう。そんなセリフをあさひ本人に言えるのはいつの日か。
(バレンタインって……ちょっと苦手かも)
うううと頬をこすりながら由貴は思う。その手にあるのはあさひにもらったチョコの包み。
(……でも、チョコは嬉しい)
大事に、食べよう。
由貴は青色の瞳を細めるのだった。
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KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
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NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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